「言われなくても宿題をしてほしい」「学力が心配」など、親にとって我が子の勉強に対する不安は尽きませんよね。そんな悩みを解消したい人は、自宅のリビングに子どもの学習スペースを造ってみてはいかがでしょうか。実は、リビングで学習を行うと、子どもの集中力や学習に対する興味が高まる可能性があるのです。今回は、そんなリビング学習の実態と、快適にリビング学習を行うための住宅環境について、当社が手掛けた実例とともに紹介します!
リビングで宿題をする子どもは多い
教育メディアを運営するARINA株式会社が、中学生以下の子どもを持つ日本全国の親200人(有効回答数197人)を対象に行ったアンケート調査によると、「子どもが宿題や自習を行う場所は?」という質問に対する回答の1位が「リビング(自宅)」という結果に。しかも、その人数は回答者の半数を超える108人で、2位の「子供部屋」53人、3位の「ダイニング(自宅)」25人と圧倒的な差がついています。
参考サイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000076.000076895.html
●リビング学習のメリットとは?
リビング学習の最大のメリットは、子どもの集中力を高める効果が期待できることです。実は、人間は音がない静かな場所ほど、気持ちが不安になって集中力が下がると言われています。そのため、リビングのように他の家族の生活音で多少ザワついている方が、目の前のことに集中する気持ちが高まるそう。
勉強や仕事をする際に、自宅よりも図書館やカフェの方が集中できるという人がいますが、これも程よい雑音による効果だと考えられます。一般的に、図書館では40~50デシベル、カフェなどの飲食店では50~70デシベル程度の雑音が発生しています。音の種類によっては60デシベルを超えると「うるさい」と感じる人も増えるため、個人差はありますが、おおよそ40~70デシベル程度の雑音はあっても良いと考えられます。
また、リビングで学習すると、子ども部屋で学習するより親子のコミュニケーションが増えるのも魅力です。ベネッセ教育開発センターの「第3回学習基本調査報告書小学生版」によると、親とよく会話をする子の方が、学力が高く、学習に興味を持ちやすいという結果が明らかになっています。
リビング学習はどこで行う?
リビング学習を行うのにおすすめの場所は、次の2つです。
●ダイニングテーブル
食事用のダイニングテーブルは、そのまま学習用にも利用できます。テーブルが広いので、教科書やタブレット、筆記用具などを広げやすいのが魅力です。また、キッチンから見通しが良いため、家事をしながら子どもの質問に答えやすいでしょう。
ただし、ダイニングテーブルは本来食事をとる場所であるため、勉強の途中でも食事の時間になると一旦、勉強道具を片付けなければいけないという注意点もあります。また、近くに収納スペースを造っておかなければ、子どもの教科書などでリビングが散らかる可能性も考えられます。
●専用の学習スペース
最近は、リビングに学習用のデスクスペースを設ける人も増えています。その方法は、学習机をリビングに置くか、造り付けのデスクを設置するかの2つです。
市販の学習机を置くだけであれば、子どもがある程度成長してから子ども部屋に移動させられます。一方、造り付けのデスクの場合は、親のリモートワークやアイロンがけなどの家事で使ったり、老後に趣味の読書を楽しんだりという使い方もあるでしょう。
どちらも学習を目的に造られているので、収納スペースも充実しているのも安心。また、専用のデスクスペースなら食事中に教材を広げたままでも問題ないでしょう。
リビングを学習しやすい環境にするために、気を付けたいこと
リビング学習を行う際、学習しやすい環境を整えなければ、集中力が下がってしまう可能性も考えられます。具体的に注意した方が良いポイントについて紹介します。
●収納
先にも触れた通り、子どもの勉強道具の収納スペースがなければ、それらが散乱してリビングが散らかってしまう可能性があります。もし、毎回子ども部屋まで片付けに行かなくてはいけないようであれば、「子ども部屋で勉強した方が楽」なんてことにもなりかねません。また、「片付けなさい」と怒る親にもストレスが溜まりますよね。
そんなリビング学習のハードルを下げてストレスを減らするためには、学習場所から近い位置に教科書や筆記用具、プリント類などを片付けられる収納場所を造ることが大切です。
●照明
リビングの照明には温かみのある暖色系の「電球色」が使われることが多いです。しかし、電球色はリラックス効果が高いため、学習用には青味がかった「昼光色」の照明の方が適しています。また、ダイニングテーブルで学習する場合は、照明からテーブルまでの距離が遠く光量不足になることもあるので、デスク用のスタンド照明も使った方が良いでしょう。
●机
机のサイズによって学習のしやすさは変わります。狭い机だと必要な勉強道具がすべて並べられず、ストレスが溜まってイライラしてしまう可能性も。そんな環境では勉強に集中できませんよね。特に、造り付けのデスクを造る場合は、十分なサイズを確保することが大切です。
●椅子
椅子は、子どもの姿勢と集中力を保つ重要な要素のひとつです。正しい姿勢が保てなければ、勉強に集中しにくいだけでなく、体の成長に悪影響を及ぼす可能性も考えられます。そのため、テーブルの高さはもちろん、椅子も子どもの身長にも合うものを選ぶことが大切です。その際、子どもの成長は早いため、できれば座面と足置きの高さが調整できるものを選ぶと良いでしょう。足置きがないと足がブラブラしたり、姿勢が前のめりになったりして集中力が散漫になる可能性があります。
●集中しやすい環境に
子どもはちょっとしたことで集中力を切らしてしまうものです。特に、大好きなおもちゃや漫画、ゲームなどが近くにあると、意識を取られてしまいがち。そんな誘惑に邪魔されないように、リビングの目につく場所を片付けておくことが大切です。
また、机の向きも重要なポイント。普段子どもが自宅で勉強する時間は、夕方が多いです。その時間は西日が当たると眩しく、とても暑いので、直射日光が顔に当たらない向きに考慮すると良いでしょう。
【実例】リビング学習スペースの間取りを紹介
それでは、最後に当社が手掛けた学習できるリビングの実例をご紹介します。
●子どもの勉強にもママの家事にも使える万能デスク
リビングにある階段下のスペースを活用したデスクスペース。見通しが良く、キッチンから子どもが勉強している様子がよく見えます。デスクは十分な広さがあるので、横で家事をしながら子どもの勉強を見ることもできますよ。
子どもが使わない時には、アイロンがけなどの家事を行う作業台として活躍します。もちろん、リモートワーク用のデスクとして使うのもありですよ。
●勉強ができるキッチン
キッチンに大容量の収納スペースを設けることで、筆記用具から教科書、ランドセルまでをまとめて収納。横にあるダイニングテーブルで勉強に集中できます。普段目につきやすい場所に本や教科書をまとめて置いておけば、読書や勉強の習慣がつきやすいでしょう。
また、キッチンと机の距離が近いため、子どもがママに声を掛けやすく、コミュニケーションをとりやすいのも魅力です。
リビング学習を行えば、子どもの学習意欲を高めるだけでなく、「勉強しなさい」「片付けなさい」と口にする親のストレスを軽減する効果も期待できます。しかし、そのためには学習しやすい住環境を整えておくことが大切。興味のある方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。