花粉の季節になると、くしゃみや目のかゆみで日常がつらくなりがちです。「窓を閉めても、24時間換気から花粉やPM2.5が入ってくるのでは」と不安を抱く方も多いのではないでしょうか。2003年に建築基準法が改正されて以降、新築住宅には24時間換気の設置が義務化され、室内の空気を1時間で半分以上入れ替える基準が定められています。そのため、住宅設計では、換気方式をどう選ぶかが重要なポイントになりました。
そこで今回は、第一種換気と第三種換気の違いを比較し、花粉症・アレルギー対策としてどの換気方式が適しているのかを分かりやすく解説。さらに、気になる初期費用・電気代・フィルターメンテナンスの手間についても紹介します。24時間換気システムの選択で迷っている方は、ぜひチェックしてみてください。

24時間換気で花粉・PM2.5は防げるのか？

そもそも、花粉やPM2.5などは24時間換気で予防することができるのでしょうか。

第一種換気×高性能フィルターで侵入を抑制すれば可能

詳しくは後述しますが、第一種換気は“給気も排気も機械でコントロールする”換気方式です。外気を取り込む際は必ず給気ユニットを通るため、その部分にPM2.5対応などの高性能フィルターを組み合わせれば、外から入ってくる花粉やPM2.5の量を大幅に減らすことができます。

一般的な第三種換気だと難しいのはなぜ？

第三種換気は、“排気は機械で行うが給気は自然に任せる”という換気方式です。給気口に簡易的なフィルターが付いていることが多いものの、第一種換気に使われるような高性能フィルターを組み込む構造ではありません。そのため、花粉やPM2.5などの捕集率がどうしても低くなる傾向があります。
また、排気ファンによって室内が負圧になりやすく、家の気密性能が十分でない場合、壁のすき間や天井裏など、意図しない経路から外気が入り込む可能性もあります。

24時間換気システム3種類の特徴は？違いを比較しよう

新築計画では避けて通れない24時間換気。まずは代表的な3方式の特徴を比較してみましょう。

＜第一種換気＞

給気口と排気口のどちらにもファンを設置し、機械的に空気を出し入れする方式です。外気は一度装置に取り込まれ、ダクトを通して各部屋に送る「ダクト式」と、各部屋に給気口を設けて配管を減らす「ダクトレス式」があります。いずれも空気の流れや室内の気圧を安定してコントロールでき、外気条件の影響を受けにくいのが特徴です。
また、「熱交換システム」を搭載できるのも大きなメリット。排気する空気の熱を給気側に戻すことで、外気温との差を縮め、夏の熱気や冬の冷気がそのまま室内に入るのを防ぎます。
ただし、給気と排気の両方にファンを備える分、設置費用や電気代が高くなる傾向はあります。熱交換システムを併用する場合は、機器価格や施工費がさらに上がることもあるため、注意しましょう。なお、ダクトレス式では各部屋にフィルターが必要なため、掃除や交換の手間がかかります。

　　

＜第二種換気＞

給気側だけに機械換気装置を設置し、外気を積極的に室内へ取り込む換気方式です。空気を押し込む力が強いため、室内が外よりも高い気圧となり、ドアや窓を開けた際にちりやほこりが入りにくい特徴があります。手術室や研究室、クリーンルームなど、清潔さが求められる空間でよく採用されるのはこのためです。
一方で、湿気が滞留しやすく、壁内結露を招くリスクが高いため、一般家庭での採用はほとんど行われていません。

＜第三種換気＞

排気口にのみファンを設置し、給気は自然に取り入れる換気方式です。戸建て住宅やマンションで最も多く採用されています。全ての部屋に給気口を設置する必要がありますが、構造がシンプルで導入しやすいのが特徴です。
設置費用や電気代が安い上、湿気がこもりにくく、結露のリスクが低いのも住宅に向いている理由です。
ただ、外気がそのまま入ってくるため、夏は暑さが、冬は冷気が伝わりやすいというデメリットがあります。各部屋の給気口は、フィルターの掃除や交換が必要で、手間はかかります。

24時間換気システム3種類の比較表

（初期費用・電気代・花粉対策・結露対策・メンテナンス）

換気方式	初期費用	電気代	花粉・PM2.5対策	結露対策	メンテナンス性
第一種換気	高い	やや高い	非常に強い※高性能フィルター可	強い	交換頻度はあるが管理しやすい
第二種換気	高い	高め	普通	結露リスクが高く住宅向きではない	設置環境による
第三種換気	安い	やや低い～普通	弱い	普通	シンプルで手間は少ない

花粉症・アレルギー対策なら「第一種換気」を選択すべき理由

花粉やPM2.5の侵入を最小限に抑えたいなら、第一種換気が最も有利とされています。その理由を、3つの視点から分かりやすく解説します。

・理由1：給気を“集中ろ過”できるから

花粉やPM2.5の侵入を抑えたい場合、最も重要なのは「外気が室内に入る入口をコントロールできるかどうか」です。
第一種換気では、外気が必ず給気ファンを通るため、そこに高性能フィルターを設置すれば、給気を“集中ろ過”することが可能です。給気・排気の両方を機械で行う方式のため、安定的にきれいな空気を循環させることもできます。
一方、第三種換気は、給気が自然に任されるため、気密の差や間取りによって性能がばらつきやすいのが難点。外気の流入経路を完全に管理するのが難しく、計画的な換気のコントロールがしづらいです。
このことから、花粉症やアレルギー対策の面では、第一種換気が有利といわれています。

・理由2：熱交換で快適性と省エネを両立できるから

第一種換気では、「熱交換システムを搭載できる」のも大きなメリット。排気の熱を給気側に戻すことで、外の温度の影響を受けにくく、夏の熱気や冬の冷気がそのまま入らない仕組みです。
花粉症の家庭では“窓をあまり開けずに快適に暮らしたい”というニーズが強いため、換気しながら室温を保てる熱交換は非常に魅力的な機能です。エアコン効率が落ちにくいため、省エネ性が高いというメリットも得られます。

・理由3：設計・施工・点検が“集約管理”しやすく、性能のバラつきを抑えやすいから

第一種換気は、給気経路・排気経路・フィルター位置がシステムとして一元化されており、設計・施工・点検が“集約管理”しやすいのも大きなメリット。性能維持やフィルター管理がしやすく、住まい全体で一定の空気品質を保ちやすいです。
ただし、給気口には、目が細かく高性能なフィルターを設置することが重要なポイント。フィルターの掃除や交換は、メーカーが推奨する頻度で必ず実施するようにしましょう。

第一種換気システムのコスト面での注意点は？

・注意点1：初期費用が第三種より高くなりやすい

第一種換気では、給気・排気のどちらもファンを稼働させるため、電気代は第三種換気より高くなるのが一般的です。ただし、実際の電気代は「どの運転モードで使用するか」に大きく左右されます。
例えば、熱交換タイプは省エネ運転が可能で、弱運転や自動運転を組み合わせることで電力消費が抑えられるモデルもあります。24時間連続運転が原則の換気システムだからこそ、機種選びの段階で消費電力の違いを比較することが重要です。

・注意点3：屋外粉じん量が多いとフィルターのメンテナンス費がかかりやすい

第一種換気は、給気側に高性能フィルターを設置して外気をろ過するため、花粉や黄砂、PM2.5などが多く発生する地域ではフィルターが汚れやすく、交換頻度が増える傾向があります。特に幹線道路沿いや工業地域、交通量の多いエリアなどは粉じん量が多く、想定より早く交換が必要になるケースもあります。高性能フィルターほど捕集能力は高いものの、その分コストも上がるため、維持費として見込んでおくことが大切です。
 

・コストをかけても選ぶべき人は

初期費用やメンテナンス費が第三種より高くなる場合でも、第一種換気を選ぶメリットが大きい家庭があります。
例えば、一年を通して花粉やハウスダスト、PM2.5に敏感な人がいる家庭は、外気の質を安定的に管理できる第一種換気が大きな安心につながります。また、小さな子どもや在宅時間の長い家族がいる場合も、室内の空気品質が生活に直結するため、常にきれいな空気を取り込みやすい第一種は相性が良い方式といえます。
室内干しが多い家庭や、家の中の空気質を一年中一定に保ちたい人にとっても、第一種換気の安定した給気・排気のコントロールは大きなメリットといえるでしょう。

イシンホーム「エコアイ換気システム」で快適さと省エネの両立を

一般的な住宅では、コスト面から第三種換気を採用するケースが多く、給気の汚れや温度変化の影響を受けやすいのが課題です。
そこでイシンホームでは 、「家族の健康を守る空気環境づくり」 にこだわり、独自に24時間換気を研究開発。第一種換気システムを標準装備し、高い清浄性と省エネ性を実現しています。

【99.8％の花粉をカットする「アレルノンフィルター」】

エコアイ換気システムの大きな特徴が、給気口に搭載されている「アレルノンフィルター」です。外気は必ずこのフィルターを通過するため、花粉を約99.8％除去し、PM2.5を約98％カットするという高い捕集性能を発揮します。
さらにフィルターは 取外しが簡単で、水洗いOK。交換頻度を抑えつつ性能を長く保てる点も大きなメリットです。

【世界最高クラス93％の熱交換率で、夏も冬も快適】

アレルノンフィルターを通過したきれいな空気は、床下に設置した「エコアイ熱交換機」へ送られます。ここで 最大93％の熱交換が行われることで、夏は“外の熱気”をカットして涼しく、冬は“外の冷気”を和らげて暖かい、という快適さを維持できます。
外気温の影響を受けにくく、冷暖房コストの削減にも効果的です。

【除菌機能「プラズマフレッシュ」でウイルス・アレルゲンを抑制】

給気口には「プラズマフレッシュ」を搭載しています。空気がここを通る際に、ウイルスやアレルゲン、細菌を除菌・抑制。小さな子どもがいる家庭や、感染症が気になる季節でも安心して暮らせる空気環境を整えられます。

【床面排気でハウスダストを効率よく除去】

排気口を床に設置している点も、イシンホームの工夫の1つ。ハウスダストは床に溜まりやすいため、床面から排気する方が効率的に汚れた空気を排出できます。
さらに排気口には「インフルエンザ対策フィルター」を内蔵しており、排気と同時にウイルス菌をキャッチしてくれます。

【実際の利用者から寄せられた声】

エコアイ換気システムを採用した住まいに暮らしているご家庭からは、次のような声が届いています。


※個人の感想であり効果を保証するものではありません。

・「子どものアトピーが改善してきました」

・「花粉症の薬の量が昨年の半分になりました」

・「給気口の除菌機能のおかげで、新型肺炎が心配な時期も安心でした」

花粉症・アレルギー・ウイルス対策で悩む家庭からの評価が非常に高い点も特徴です。
 

【追加費用なしで導入できる“標準装備”】

イシンホームでは、この高性能な「エコアイ換気システム」を標準仕様として採用。
追加費用なしで「空気の清浄性」「省エネ性能」「快適な温湿度環境」「家族の健康への配慮」を同時に実現できます。
花粉やPM2.5が気になる季節はもちろん、年間を通して快適に過ごしたい方には特におすすめの換気システムです。気になる方は、ぜひ一度相談してみてください。
 

まとめ

花粉・アレルギー対策を重視する場合は、給気を機械で制御し、高性能フィルターを組み合わせやすい第一種換気が有力な選択肢です。一方で、初期費用や電気代、フィルター交換などの運用コストは発生するため、症状の強さや生活パターン、求める快適性と照らし合わせながら、コストとメリットのバランスを見極めることが大切です。
また、換気方式は住宅の気密性能や間取りとの相性も影響するため、必要に応じて見学会などで、風量・音・メンテナンス性などを確認しておくと安心です。
イシンホームでは、エコアイ換気システムをはじめとした空気質対策の設備をご用意しています。花粉症やアレルギーにお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。