太陽光発電がいらないって本当?注文住宅への設置がおすすめの理由や後悔しない選び方とは

注文住宅を建てる際、「太陽光発電を導入するべきかどうか迷っている…」という方は少なくないでしょう。そこで今回は、太陽光発電を「いらない」と考える際に多い理由や、導入のメリット・デメリットを紹介するとともに、後悔しないための選び方について詳しく解説します。

目次

注文住宅に太陽光発電は本当にいらない?多くの人が迷う理由や背景は?

ネットなどでは「太陽光発電はいらない」という意見を目にすることがありますが、本当に必要ないのでしょうか?まずは、そう思われる主な理由を紹介します。

⚫︎太陽光発電を「いらない」と考える理由は?

まず考えられる理由は、太陽光発電が家庭のニーズやライフスタイルに合わないということが挙げられます。例えば「コンロや風呂はガスを使いたい」という人や、そもそも消費電力が少なく電気代を節約する必要を感じていない人などは、太陽光発電の必要性を感じないのです。また、日照時間が短い地域に住んでいる人や、屋根のデザインにこだわりを持っている人が「いらない」と考えるケースもあります。

その他に、太陽光発電で得られるメリットを十分に理解していない可能性もあります。太陽光発電にはメリットとデメリットが存在しますが、購入で失敗したくないと思うと、どうしてもデメリットを重点的に調べてしまいがち。メリットも正しく理解した上で、総合的に必要かどうかを判断することが大切です。

注文住宅で太陽光発電を導入した場合のメリット・デメリット

それでは、具体的にはどのようなメリット・デメリットがあるのかを紹介します。

⚫︎メリット

電気代を削減できる

住宅用に導入される太陽光発電は、まず発電した電気を自家消費する仕組みになっています。その分、電力会社から購入する電気が減るため、結果として電気代が削減できます。電気代高騰の影響を心配する必要もなくなるでしょう。

余剰電力の売電収入が得られる

太陽光発電で発電した電気が余ったら、その電気を電力会社に売電して収入を得ることができます。この売電価格は、法律によって定められた固定価格買取制度(FIT)に基づいて決まります。

災害時の備えにつながる

地震や台風などの災害時に自分が住むエリアで停電が発生した場合、通常であれば自宅の家電は使えなくなります。しかし、太陽光発電を導入していれば、設備に異常がない限り昼間は電気を使うことができます。加えて、蓄電池も導入している家庭であれば、発電した電気を貯めておけるので、夜間も電気を使用することが可能です。

特に、小さな子どもや高齢者、ペットがいる家庭などは、停電時にすぐ避難することが難しいでしょう。そんな時でも自宅で電気を使える環境があれば、最低限の生活を維持することができます。

⚫︎デメリット

設置費用が高額

経済産業省「太陽光発電について」によると、2023年度の新築における太陽光発電の設置費用は1kWあたり26.1万円が平均値です。これを一般家庭で使用される太陽光パネルの容量で換算すると、100万円前後になります。さらに、設置工事や配線工事といった工事費も発生します。

天候や地域に依存する

太陽の光エネルギーを電気に変換して発電する太陽光発電は、発電量が日射量や日照時間に大きく左右されてしまいがち。例えば、曇りや雨の日は発電量が減りますし、日照時間が短い冬場は、発電量が下がりやすいです。もちろん夜間は発電できません。

そのため、現実とかけ離れた節電効果や売電収入を期待してしまうと、後悔する原因になります。

メンテナンスや修理の手間がかかる

太陽光発電は一度設置すれば終わりではありません。特に、屋外に設置されるパネルなどの機材は風雨による劣化や汚れが進みやすいので、定期的なメンテナンスが必須。放っておくと発電効率が下がるだけでなく、故障や火災の原因になる可能性も考えられます。

定期点検や保証期間の内容は、メーカーによって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

注文住宅に太陽光発電を導入しないと後悔する?失敗例から学ぶ注意点

高額な大陽光発電を設置してから後悔しないように、よくある失敗例と対策について紹介します。

⚫︎ケース1:電気代削減の効果が思ったより小さかった

期待していた節電効果や売電収入を得られないという失敗は、珍しくありません。というのも、前述した通り、太陽光発電は天候や地域によって発電量が変わってしまうのです。

失敗を防ぐためには、事前のシミュレーションで地域の日照時間や屋根の方角を考慮することが大切。また、雨天の場合や発電時の電力ロスなども加味しなければいけません。

ハウスメーカーにシミュレーションの内容や根拠について質問し、もし分かりにくい説明をされた場合は、断る判断をすることも大切です。

⚫︎ケース2:ライフスタイルの変化により初期費用を回収できず損をした

太陽光発電の設置費用は減少傾向にあるものの、初期投資の回収には10~15年ほどかかると言われています。回収にかかる期間は、設置総額はもちろん、発電量や電力の自家消費率など、さまざまな要因に左右されます。

特に見落としがちなのは、電力の自家消費率。新築時の消費率で想定していると、将来的に家族が増えたり、子どもが成長したりして自家消費が増えた際に、計画にズレが生じることがあります。このような失敗を防ぐためには、しっかりとライフスタイルの変化も予想した上で、回収計画を建てることが重要です。

⚫︎ケース3:メンテナンスで想定外の費用が発生した

台風や地震といった思わぬトラブルで太陽光発電が故障してしまうと、定期点検以外のメンテナンスが発生します。その際、高額な修理費用が必要になる可能性はゼロではありません。

そんな時、無料保証やアフターサポートがあれば安心です。保証内容はメーカーによって異なるため、事前にサポート内容を確認しておくようにしましょう。

太陽光発電とあわせて蓄電池の導入も検討を

太陽光発電を導入する際、合わせて検討したいのが蓄電池。この設備が持つ役割と、メリット・デメリットを紹介します。

⚫︎そもそも蓄電池とは?

蓄電池とは、その名の通り電気を蓄える装置のこと。太陽光発電で発電した電気を貯めておく際に活躍します。最近は、充放電性能や制御機能が向上したり、小型化や軽量化が進んだりしており、さまざまな製品が市場に出回っています。

⚫︎蓄電池導入のメリット

停電時の備えとしての安心感

太陽光発電で作った電気を蓄電池に貯めておけば、災害などで停電が起きた際にその電気を使うことができます。もし電気を使い切ってしまっても、日が登って発電が開始されれば再び充電できるので、停電が長期化しても安心です。

ただし、蓄電池には家全体へ電気を供給する『全負荷型』と、一部の部屋や家電のみに供給する『特定負荷型』の2種類があり、それぞれ費用が異なります。自分たちに必要な種類を選ぶようにしましょう。

電気代削減と将来のエネルギー自給自足への道

蓄電池があれば、昼間に発電した余剰電力を貯められるため、発電できない夜間の電気代も節約することにつながります。家族全員が使う電気を効率よく発電・充電ができれば、将来的に自宅で使うエネルギーを自給自足である程度賄うことも夢ではありません。

⚫︎【デメリット】高額な初期費用とメンテナンスの手間

家庭用蓄電池の導入には、本体価格だけでなく設置費用や電気系統の工賃も必要になります。そのため、100万円単位で初期費用がかかるケースが一般的です。それに加えて、導入後の定期的なメンテナンス費用も発生します。

また、蓄電池は一般的なバッテリーと同様に経年劣化によって蓄電容量が減ってしまうため、将来的には交換も必要。保証期間や充放電のサイクル回数はメーカーによって違うので、より長く使える製品を選ぶことが重要になります。

太陽光発電と蓄電池導入の向き・不向き

太陽光発電や蓄電池の導入に向いている場合と向かない場合の傾向をまとめました。

⚫︎太陽光発電+蓄電池が向いている人

日中に自宅で過ごす時間が長く、1日の電気の消費量も多い場合は、太陽光発電と蓄電池の両方を導入するのがおすすめです。昼間は自家発電した電気をそのまま使い、残った電気は蓄電池に貯めて夜間に消費できます。

家族の人数が多く電気の消費量が多ければ、自家発電した電気を無駄にすることなくお得に使えるでしょう。

⚫︎太陽光発電のみでも良い人

蓄電池を設置しない場合、日中に発電した電気を夜間に使うことはできないため、夜は電力会社から電気を購入する必要があります。昼間に余った電気は売電することになりますが、売却目的で導入するのはおすすめできません。というのも、売電価格は低下傾向にあるため、売電を当てにしてしまうと、損をしてしまう可能性があるのです。

あくまで昼間に多く電気を消費する場合や、電気自動車へ充電する場合などは、太陽光発電のみの導入を検討しても良いでしょう。

⚫︎太陽光発電なしor蓄電池のみでも良い人

一般的に、電力会社から電気を購入する場合の料金は、昼間より夜間の方が安く設定されています。そのため、日中にあまり電気を使わず、全体的な電力の消費量も少ない場合は、太陽光発電を導入してもメリットが少ないでしょう。日照時間が短い地域や、雪が多い地域なども同様です。

そのような場合、蓄電池だけ購入し、安い夜間の電気を貯めて昼間に使うという選択肢もあります。

費用シミュレーションと補助金制度

⚫︎太陽光発電と蓄電池導入にかかる費用の目安

2023年度の新築住宅用太陽光発電システムの設置費用26.1万円/kWでシミュレーションしてみましょう。一般的な家庭ではシステム容量が4kW台の太陽光発電が導入されるケースが多いため、設置費用は104.4万円となります。加えて、工事費が全体の2割程度発生するので、初期費用の相場として120~150万円をみておくと良いでしょう。

なお、7kWhの蓄電池をセットで導入しようとすると、130万円ほどかかるので、合計で250~280万円が目安になります。

⚫︎補助金制度の活用も

太陽光発電を導入する際は、対象となる補助金制度を利用することが大切です。国や自治体ごとにさまざまな助成金が存在しますが、ここでは国が行う補助事業を1つ紹介します。

ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)補助金

自宅で消費するエネルギーを、太陽光などで創るエネルギー量が上回る住宅に対して、国が補助金を給付する補助事業です。住宅の断熱等性能や省エネ設備などにおける細かい基準が設けられており、『ZEH』の条件を満たせば55万円/戸、より高性能な『ZEH+』の条件を満たせば100万円/戸が支給されます。

ただし、この補助金の申請は、施主ではなくハウスメーカーが行う仕組みになっています。自分が家を建てるハウスメーカーがこの補助事業に参加していない場合は補助金が受けられないので、事前に確認しておきましょう。

よくある質問(FAQ)

⚫︎太陽光発電の寿命はどれくらい?

国税庁によって定められている太陽光発電の法定耐用年数は17年です。ただし、製品自体の耐久性能は20~30年と言われており、実際に30年以上稼働している設備も存在します。

より長く使い続けるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。

⚫︎蓄電池や太陽光発電のメンテナンス費用は?

上記経済産業省の「令和6年度以降の調達価格等に関する意見」によると、2025年度の住宅用太陽光発電の年間運転維持費は、一般的な5kWの設備を想定した場合に「3,000 円/kW/年」とされています。

まとめ

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注文住宅に太陽光発電を導入するかどうかは、家庭のニーズやライフスタイルに大きく左右されます。導入しないことで得られるメリットもありますが、将来的な電気代や環境への配慮を考えると、「いらない」と決める前にしっかりと検討することが大切です。

不明点がある場合や、詳しいシミュレーションを行いたい場合は、お気軽にイシンホームにご相談ください。

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