注文住宅を建てるときにリビング横に和室を設けるメリットとは?

新築住宅を建てる際、和室を造るかどうかは難しい判断ですよね。和室をうまく活用できる自信がなかったり、貴重なスペースを和室に裂くのがもったいないと感じたりして、悩む人もいるかもしれません。そんな人は、リビング横の和室を検討してみてはいかがでしょうか。今回は、リビング横に和室を設けるメリットや、気を付けるポイントなどを当社の実例を交えて紹介していきます!

リビングに和室を設けるメリットは?

リビング横の和室には、子育て期間から老後まで活躍する便利な活用法がたくさんあります。まずは、そんなメリットについて紹介しましょう。

●おむつ交換など育児に便利

畳はフローリングよりも柔らかいため、赤ちゃんのおむつ交換やお昼寝スペースとして重宝します。プレイマットを敷かなくても転倒時の衝撃を吸収してくれる上に、寝汗などの湿気で床板が白けてしまう心配もありません。さらに、リビング横なら子どもを寝かせたままで、大人はリビングやキッチンで家事や作業をしながら見守ることもできるでしょう。

また、子どもが歩き回れるようになってからは、畳が足音を吸収してくれるので、騒音予防効果も期待できます。さらに畳にはクッション性があるので、万一転倒してしまっても怪我をしにくい点も魅力です。

●来客対応に使える

お客さんが家を訪れた際、おもてなしできるスペースが欲しい人もいるのではないでしょうか。和室は、そんな応接間のような役割も果たしてくれます。しかも、リビング横ならキッチンからの動線がスムーズなので、お茶やお菓子が出しやすくて便利ですよ。

●ちょっとした休憩場所や、作業場所になる

家事や育児の合間にちょっとした休憩を挟みたい時にも、リビング横の和室は活躍します。畳の上なら、疲れてむくんだ足を思い切り伸ばしたり、気軽に横になったりできるので、リラックスしやすいでしょう。

また、アイロンがけや洗濯を畳む作業、縫い物、趣味などを行うスペースとしても活用できます。

●老後に寝室として使えば、1階だけで生活できる

リビング横の和室を、将来的に寝室として活用することも可能です。歳を取ると、毎日階段を上り下りして2階の寝室で寝るのは大変です。そんな時、1階に和室があれば布団を敷いて寝られるので、1階だけで生活を完結させることができるでしょう。

通常の独立した和室は日常生活でわざわざ足を運ぶ機会が少なく、来客時にしか使わなかったり、物置化してしまったりするケースが少なくありません。しかし、リビン横ならこれだけ多くの活用法があるので、普段から気軽に使えて便利ですよ。

リビング横和室のパターン

リビング横の和室は、形状や広さなどにさまざまなパターンがあります。それぞれの用途や住まいの面積に合わせて、最適なものを選びましょう。

●フラットタイプ or 小上がりタイプ

リビング横に和室を設ける場合、リビングの床と同じ高さに作る「フラット」タイプと、段差を設けてリビングより少し高い位置に作る「小上がり」タイプが考えられます。

フラットタイプはリビングと和室が一続きになっており、空間を広く感じられるのが魅力。また、バリアフリーなので、小さな子どもが遊ぶ際にも安心です。ただし、段差がない分、リビングのホコリが畳の上に上がってきやすく、汚れが溜まりやすいという欠点もあります。

一方、リビングより高い位置に作る小上がりタイプは、ホコリが溜まりにくいのが魅力です。寝転がってリラックスしたり、将来寝室として使ったりしたい人にはぴったりでしょう。段差を利用して椅子のように腰掛けたり、収納用の引き出しを作ったりすることも可能です。ただし、小さな子どもは誤って転落しないように注意が必要。また、小上がりの高さや広さによっては、リビングの空間を狭く感じてしまう可能性もあります。

●広さ

通常、独立した和室を造る場合は6畳以上のスペースが欲しいところですが、リビング横に和室を設ける場合は3畳・4.5畳・6畳などの省スペースでも造れます。とはいえ、あまり狭すぎると布団が敷けないので、人を泊める際や老後の寝室として活用するのは難しいです。布団を2組敷くためには、4.5畳以上の広さはあった方が良いでしょう。

ただし、あまり広すぎると今度はリビングとのバランスが悪くなってしまうことも。特に小上がりタイプの場合は高さがある分、広くしすぎると圧迫感を感じやすいです。イシンホームで最も人気の広さは、広すぎず実用性も高い4.5畳程度のサイズです。

●床の間・収納の有無

格式高い和室に欠かせないのが「床の間」です。床の間とは、和室の一部に設けられる、床を一段高くした場所のこと。主に掛け軸をかけたり、床に花や置物などを飾ったりするのに使われ、この床の間に近い場所が和室の「上座」とされています。そのため、昔ながらの和室には設けられているケースが多いです。

しかし、最近では床の間よりも実用的な収納スペースを重視する人も増えています。例えば、座布団や来客用の布団を片付ける押入れなどが重宝されます。

●リビングとの仕切りの有無

リビングと和室を繋げる場合、仕切りの有無も重要なポイントです。来客時に応接間として利用したり、人を泊めたりするのであれば、「ふすま」で完全に仕切れるようにしておいた方が良いでしょう。ただし、ふすまをつけると敷居の段差が気になる人もいるかもしれません。もっと手軽に使いたい場合は、ロールスクリーンもおすすめです。完全な個室のようには区切れませんが、目隠しにはなるので、子どものおもちゃや布団などを一時的に隠したい場合などにも重宝しますよ。

リビング横に和室を作るときに気を付けたいこと

リビング横の和室には便利な活用法がある一方で、造る前に注意して欲しいポイントもあります。住み始めてから後悔することがないように、以下の内容をしっかり確認してください。

リビング横の和室は、すべての人に必要であるとは限りません。そもそも和室はいらない、という人が造ってしまうと「リビングを広げておく方が良かった…」なんて後悔をする可能性も。自分に必要か不要かを見極めるポイントは、和室を造る目的と使い方を具体的に考えてみること。例えば、「子どもが小さいうちはプレイルームとして使って、老後は寝室にする」など、ライフプランに合わせた活用法をしっかりと考えておきましょう。

●ペットのいるご家庭は、畳の種類に要注意

ペットを飼っている人や、将来的に飼いたいと思っている人は、和室を造る際には畳の種類に注意が必要です。というのも、畳というと一般的にはイグサを使う「イグサ畳」が多いですが、これはフローリングと比べて手入れがしにくく、臭いも付きやすい傾向があります。また、犬や猫はツメで畳を引っ掻いてボロボロにしてしまう可能性も。その点、和紙を編み込んで作る「和紙畳」は、ダニやカビが発生しにくく、撥水性や耐久性にも優れているので安心です。ペットを飼っているご家庭は、畳の種類に注目して選ぶとよいでしょう。

●メンテナンスが必要になる

畳は「畳床」と呼ばれる芯に、イグサの茎で織ったゴザ状の「畳表」を貼って作られています。イグサは植物なのでダニやカビが繁殖する可能性が高く、定期的なメンテナンスが欠かせません。具体的には、使い始めて3〜5年で畳表を一度剥がして裏表を反転させて貼り直す「裏返し」が必要です。その後、さらに5年程度で畳表を交換する「表替え」を行い、約10~15年で「新調(買い替え)」するのが理想的です。

モダンでおしゃれな「リビング横和室」の事例紹介

それでは、最後に当社が手掛けたリビング横和室の実例をご紹介します。

●応接間として来客にしっかり対応できる半個室

リビングと繋がっていながら、個室感もしっかりある本格的な和室です。脱衣・洗面所とも直接繋がっているので、お客さんを泊める際の動線もスムーズ。毎回リビング・ダイニングを横切らなくてもお風呂やトイレを利用してもらえます。

●仕事も育児もしやすいワークスペース直結型

リビングに隣接した和室の奥に、リモートワークに便利なデスクスペースを完備。子どもが遊んだり、お昼寝したりしている横で仕事をこなせます。和室と洗面所も繋がっているので、アイロンがけをしたり、洗濯物を畳んだりする場所としても便利です。

●3.5畳でも存在感大の小上がりタイプ

リビングの“くつろぎスペース”として大活躍する小上がりタイプの和室です。大きなソファのような感覚で段差に腰掛けたり、気軽に横になって休んだりすることが可能です。五角形のかわいいフォルムは、リビングのアクセントにもなりますよ。

リビング横に設ける和室は、省スペースを有効活用した利便性に優れた空間です。和室を造るかどうかで悩んでいる人は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてくださいね。

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