
開放感やデザイン性の高さが魅力のアイランドキッチン。家事動線がよく、皆で調理を楽しめるなど優れた点が多いため、家づくりの際に導入を検討されるケースが増えています。一方で、具体的なメリットやデメリットにはどのようなことがあるのか、費用相場はいくらなのか気になる人も多いはず。そこで今回は、アイランドキッチンについて、当社が手掛けた実例も交えて紹介します。
●アイランドキッチンとは?
仕切りがなく、どの面も壁付けされていない島のような形をしているアイランドキッチン。開放感やデザイン性の高さはもちろん、キッチンの周囲に通路が作れるため、家事動線が良いのが魅力です。しかしながら、これらの魅力を生かすためには、ほかのキッチンより広いスペースが必要となってきます。
サイズ感や通路幅について押さえておこう
アイランドキッチンを採用する際は、スペースに合わせて、サイズや通路幅をプランニングしましょう。アイランドキッチン自体のサイズは、横幅が180~300㎝、奥行きが75~100㎝が一般的です。通路幅としては、最低でも60㎝、移動しやすさを考えると、80~90㎝は必要。複数人で調理する場合は、100㎝以上必要になるケースもあります。一緒に調理をする人数に合わせて、適切な通路幅を決めましょう。
カウンターキッチンとの違いは?
カウンターキッチンとは、キッチンとリビングの間に作業台が設けられているキッチンのこと。キッチンとリビングが向かい合うようにつくられていることから、対面キッチンとも呼ばれています。
カウンターキッチンには、フルオープンタイプとセミオープンタイプの2種類があります。
・フルオープンタイプ
キッチンとダイニングの間に壁や仕切りなどが一切なく、ダイニングやリビングからキッチンが見えるタイプ。広々として、スッキリとした印象になります。アイランドキッチンやペニンシュラキッチンがこのタイプに当てはまります。
・セミオープンタイプ
キッチンの一部が、腰壁やつり戸棚で仕切られているタイプ。開放感がありながらも、ダイニングやリビングからの視線をある程度遮ることができます。調理台の上につり戸棚を設けることが多く、収納面でのメリットも。I型キッチンがこのタイプになります
●アイランドキッチンの費用相場
新築に導入する場合
アイランドキッチンの価格は、本体価格と基本施工費を合わせた「基本費用」と、それ以外の「オプション費用」があります。基本費用の相場はサイズや素材によって変動するため、約110~330万円程度と価格の幅が広いです。
一方、オプション費用では食器洗い乾燥機の追加で約10万円、IHヒーターの追加で15~20万円、カウンターの腰壁の取り付けで約10万円、背面キャビネットの設置で約20~50万円かかります。オプションをどれくらい追加するかにもよりますが、スタンダードなタイプで総額170万円程度、グレードの高いもので総額450万円程度が相場といえるでしょう。
現在のキッチンをリフォームする場合
既存のキッチンをアイランドキッチンにリフォームする場合、現キッチンの解体工事のほか、給排水管や換気ダクトの延長や移設、内装工事などが必要となります。
これらと本体費用を合わせた相場は、約190~240万円で、これにオプションを加えると、その分コストアップします。

●アイランドキッチンを導入する5つのメリット

アイランドキッチンのメリットやデメリットについて解説します。
開放的な空間づくりが可能
壁や仕切りがないアイランドキッチンを取り入れることで、自由で広々とした空間演出が可能です。また、部屋と一体になっていることから、調理している時にダイニングやリビングを見渡すことができます。
おしゃれな空間に見える
“見せるキッチン”といわれるほどに存在感があるアイランドキッチン。リビングやダイニングからの印象を考慮した上で設計されているため、そこにあるだけで洗練された雰囲気になります。
複数人で調理が可能
行き止まりがないため左回りでも右回りでも動くことができ、広いスペースを使って調理や配膳を行えるので、複数人で調理をするときも便利です。夫婦や親子で調理をしたい人や、ホームパーティーが好きな人におすすめです。
コミュニケーションが取りやすい
料理をしながらも、リビングやダイニングにいる家族や友人と、コミュニケーションが取りやすいのもメリットのひとつ。小さい子どもがいる家庭では、子どもの様子を見たり、話したりしながら調理ができるため安心です。
家事動線を確保しやすい
周囲に通路を作るアイランドキッチンは、行き止まることなく回ることができる回遊動線を確保できます。左右どちらからでも作業台や食器棚、冷蔵庫などに行き来できるので、食事しながら、飲み物や調味料、お皿などもさっと取りに行けるのが便利。また、アイランドキッチンの横にダイニングテーブルを一体化すれば、動線が短くなり、配膳をスムーズに行うことができます。
●アイランドキッチンのデメリットは?後悔しないための対策も紹介
広いスペースが必要になる
アイランドキッチンは回遊しやすいというメリットがある一方で、四方の通路を確保しなければならない分、広い空間が必要となります。住宅によっては、アイランドキッチンのためにスペースを取り過ぎて、リビングが窮屈になってしまうなどのケースがあります。
対策:余裕を持った間取りにする
配膳したり複数で料理したりすることを考慮して、アイランドキッチン本体は大きすぎないサイズを選び、余裕のあるキッチンスペースを確保すると良いでしょう。場合によっては、部屋数を減らしてLDK空間を広げるといった間取り変更も選択肢の一つ。また、通路幅を確保するため、キッチンの一部を壁付けにし、シンク部分だけを独立させるのもおすすめです。
常に整理しておく必要がある
開放的なアイランドキッチンは、ダイニングやリビングからでもキッチンの様子がよく見えます。来客などにキッチンを見られたくないという人は、常に整理整頓を心掛ける必要があります。
対策:収納スペースを確保する
アイランドキッチンは、一般的なキッチンより収納スペースが少ないです。キッチン本体のシンク下に片付けきれない場合は、背面に収納棚を設置したり、調理器部や食料品のストック用にパントリーを作ったりして、十分な収納スペースを確保しましょう。もし、キッチン周りに収納スペースを確保できない場合は、LDKに隣接した部屋に収納スペースを設けましょう。使い勝手がよく、LDK全体をすっきり片付いた状態に維持しやすくなります。
匂いや汚れが広がりやすい
周囲に壁がないアイランドキッチンは、料理の際に発生した匂いや煙が部屋中に拡散しやすいというデメリットがあります。同じように、油や汚れも四方に飛び散りやすくなっているため、注意が必要です。
対策1:高度な換気システムを設置する
アイランドキッチンは匂いが広がりやすいという特性があることから、もともと喚起力の高い、高性能のレンジフードがセットになっていることがほとんど。しかし、オプションでより高性能のものに変更することも可能です。リビング全体の換気システムと合わせて、トータルで設計すると安心できます。
対策2:汚れの飛び散りを防ぐパネルを設置する
油などの飛び散りを防止するためには、「油はねガード」や「オイルガード」といった油はね防止用ガラスパネルの設置が有効です。半透明のガラスパネルにすれば、アイランドキッチンが持つ開放感を残しつつ、汚れの飛散を防ぐとともに、適度な目隠しにもなります。
●アイランドキッチンに収納を付ける場合、どのような方法がある?
アイランドキッチンは他のキッチンと違って、収納スペースの確保が難しいもの。ここでは、キッチン下に確保する方法を紹介します。
シンク下
主に水まわりで使うものを収納すると、使い勝手がいいでしょう。例えば、ザルやボール、まな板や包丁などは、洗った後に効率よく片付けることができて便利。よく使うアイテムのため、取り出しやすいレイアウトにしておくことも大切です。
作業台下
食器や調味料、保存容器、洗剤、ふきんなど、よく使用するものを収納しましょう。引き出しやトレイなどをうまく使って、浅い引き出しには箸やスプーン、フォーク、深めのトレイにはしょうゆやみりん、調理酒といった高さのあるものを入れるとすっきり収まります。ただ、家づくりの段階で食器洗浄機を設置したい場合は収納に使えなくなってしまうため、注意が必要です。
コンロ下
比較的大きなスペースを確保できるため、鍋やフライパンなどの調理器具、油といったものを収納するのがおすすめ。コンロで使うものを入れておくと、調理の際にすぐに取り出すことができて便利です。

●追加収納を検討するなら、プランニングのポイントチェックを
先述の通り、アイランドキッチンは下部に収納スペースを確保することが多いです、しかし、それだけでは十分な広さを確保できなかったり、使い勝手が悪くなったりする場合も。プランニングの際にあらかじめ工夫しておくことで、キッチン周りがすっきりと片付き、効率よく作業することができます。
背面収納を設置する
アイランドキッチンの背面を活用することで、収納スペースを大幅に増やすことが可能です。例えば、食器の量に合わせた棚を配置するとすっきりするでしょう。隠す収納としても活躍するため、来客時にリビングからの視線が気になりません。また、レンジボードの設置もおすすめ。炊飯器や電子レンジ、ホットプレートなどの調理家電に加え、生活感が出やすいストック食材や日用品をまとめて収納することができます。
パントリーを設置する
食糧庫として、ストック食材や野菜、水などを収納しておくのに重宝するのがパントリー。アイランドキッチンの上に食材などを置いたままにすることが少なくなり、急な来客時に慌てることがありません。さらに、使用頻度が低い家電を片付けることができ、キッチン周りをすっきりとさせられます。
下部を空洞にする
アイランドキッチンの下部を空洞にしておけば、後にワゴンなどを配置することもできるでしょう。調味料や食器など、こまごまとしたものの収納に適しています。キャスター付きのため、調理中に引き出して食材を仮置きしたり、配膳に使ったり、さまざまな活用法があるのも魅力です。また、キッチン下にゴミ箱を置くのも便利。サイズを空洞に合わせることで、省スペース化が可能になるでしょう。
引き出しタイプの扉を選ぶ
キッチンの扉は、開き戸タイプと引き出しタイプの2種類。引き出しタイプの特長は、かがみこむ必要がない分、物の出し入れが簡単なところ。開閉がしやすいため、作業効率が上がるでしょう。仕切りを使って、スプーンやフォークなどを整理したり、フライパンなどを立てて入れたり、工夫次第で収納力や使い勝手がアップさせることもおすすめです。
●【実例紹介】イシンホームでアイランドキッチンを設置した事例を紹介!
最後に、当社が手掛けたアイランドキッチンのある家を紹介します。
家族全員で分担して作業ができるアイランドキッチン

食器洗い乾燥機などを採用しながらも、収納をしっかりと確保。皆で協力して家事ができるアイランドキッチンです。
アイランドキッチンを中心とした「家事が楽MAX」仕様の家

家全体が見渡せるアイランドキッチンです。家族みんなで楽しく料理ができるうえに、配膳もスムーズ。
【間取り紹介】
アイランドキッチンのそばに水回りをまとめて、家事の効率をアップ

比較的余裕のある間取りにて採用されることが多いアイランドキッチン。洗面所や浴室への動線を短くすることで、料理をしながら洗濯をしたり、お風呂の準備をしたりと、家事の効率が飛躍的にアップします。
●FAQ
最後に、よくいただくご質問についてお答えしましょう。
子どもがいる家庭でアイランドキッチンを設置する場合、注意すべきポイントは?
アイランドキッチンには仕切りがないため、子どもたちも自由に出入りができます。特に子どもが小さい場合は、けがなどをしないように注意しなければなりません。キッチンの両端やリビングにゲートを設けるなど、調理中はキッチンに来られないように工夫しましょう。併せて、日ごろから危険なものは子どもの手の届かないところに片付けておくことも大切です。
アイランドキッチンって高そう…。少しでも安く取り入れる方法は?
アイランドキッチンは、ほかのキッチンに比べて高くなる傾向があります。少しでも安く取り入れるためには、キッチンをオーダーメイドではなく既製品から選ぶ、オーダーメイドにする場合は素材をステンレスにするといった方法が考えられます。また、オプション品を必要最小限にすることも検討しましょう。

●まとめ
デザイン性の高さや開放感、家事動線の良さを同時に持ち合わせているのがアイランドキッチンの魅力です。収納が少ない、手元が見えるなど、デメリットもありますが、設備などによって工夫することで、無理なくカバーすることができます。今回の記事を参考に、ぜひ理想のキッチンを実現しましょう。希望に応じたアドバイスもさせていただきますので、気軽にご相談くださいね。