開放感やデザイン性の高さが魅力のアイランドキッチン。家事動線がよく、皆で調理を楽しめるなど優れた点が多いため、家づくりの際に検討する人が増えています。今回は、そんなアイランドキッチンについて、当社が手掛けた実例も交えて紹介します。
- サイズ感や通路幅について押さえておこう
- カウンターキッチンとの違いは?
- 〈メリット〉
- 開放的な空間づくりが可能
- おしゃれな空間に見える
- 複数人で調理が可能
- コミュニケーションが取りやすい
- 〈デメリット〉
- 広いスペースが必要になる
- 常に整理しておく必要がある
- 匂いや汚れが広がりやすい
- スペースを確保する必要がある
- 収納のスペースを確保する
- 高度な換気システムを設置する
- 汚れの飛び散りを防ぐパネルを設置する
- ●アイランドキッチンに収納を付ける場合、どのような方法がある?
- シンク下
- 作業台下
- コンロ下
- ●収納を付ける場合、プランニングの際に注意すべきポイントを紹介
- 背面収納を設置する
- パントリーを設置する
- 下部を空洞にする
- 引き出しタイプの扉を選ぶ
- 家族全員で分担して作業ができるアイランドキッチン
- アイランドキッチンを中心とした「家事が楽MAX」仕様の家
- 【間取り紹介】
- アイランドキッチンのそばに水回りをまとめて、家事の効率をアップ
- ●FAQ
- 子どもがいる家庭でアイランドキッチンを設置する場合、注意すべきポイントは?
- アイランドキッチンって高そう…。少しでも安く取り入れる方法は?
●アイランドキッチンとは?
アイランドキッチンとは、調理スペースやシンクが壁面から離れていて、島のように独立しているタイプのキッチンのこと。あらゆる方向から出入りが可能なうえ、各メーカーがデザイン性の高いアイランドキッチンを販売しています。
サイズ感や通路幅について押さえておこう
アイランドキッチンは周囲に通路を作るため、ほかのキッチンより広いスペースが必要になります。アイランドキッチン自体のサイズは、横幅が180〜300cm、奥行きが75〜100cmが一般的。通路幅としては、最低でも60cm、移動のしやすさを考えると、80~90cm必要です。複数人で調理をする場合は、100cm以上必要になるケースもあります。一緒に調理をする人数に合わせて、適切な通路幅を決めましょう。
カウンターキッチンとの違いは?
カウンターキッチンとは、キッチンとリビングの間に作業台が設けられているキッチンのこと。キッチンとリビングが向かい合うようにつくられていることから、対面キッチンとも呼ばれています。
カウンターキッチンには、フルオープンタイプとセミオープンタイプの2種類があります。
・フルオープンタイプ
キッチンとダイニングの間に壁や仕切りなどが一切なく、ダイニングやリビングからキッチンが見えるタイプ。広々として、スッキリとした印象になります。アイランドキッチンやペニンシュラキッチンがこのタイプに当てはまります。
・セミオープンタイプ
キッチンの一部が、腰壁やつり戸棚で仕切られているタイプ。開放感がありながらも、ダイニングやリビングからの視線をある程度遮ることができます。調理台の上につり戸棚を設けることが多く、収納面でのメリットも。I型キッチンがこのタイプになります
●アイランドキッチンのメリット・デメリット
アイランドキッチンのメリットやデメリットについて解説します。
〈メリット〉
開放的な空間づくりが可能
壁や仕切りがないアイランドキッチンを取り入れることで、自由で広々とした空間演出が可能です。また、部屋と一体になっていることから、調理している時にダイニングやリビングを見渡すことができます。
おしゃれな空間に見える
“見せるキッチン”といわれるほどに存在感があるアイランドキッチン。リビングやダイニングからの印象を考慮した上で設計されているため、そこにあるだけで洗練された雰囲気になります。
複数人で調理が可能
行き止まりがないため左回りでも右回りでも動くことができ、広いスペースを使って調理や配膳を行えるので、複数人で調理をするときも便利です。夫婦や親子で調理をしたい人や、ホームパーティーが好きな人におすすめです。
コミュニケーションが取りやすい
料理をしながらも、リビングやダイニングにいる家族や友人と、コミュニケーションが取りやすいのもメリットのひとつ。小さい子どもがいる家庭では、子どもの様子を見たり、話したりしながら調理ができるため安心です。
〈デメリット〉
広いスペースが必要になる
先述のとおり、アイランドキッチンは、周りを動き回れるというメリットがある一方で、四方の通路を確保しなければならない分、広い空間が必要となります。住宅によっては、アイランドキッチンに場所を取りすぎて、リビングが窮屈になってしまうことがあります。
常に整理しておく必要がある
開放的なアイランドキッチンは、キッチンの様子がダイニングやリビングからよく見えてしまいます。来客などにキッチンを見られたくないという人は、常に整理整頓を心掛けておきましょう。
匂いや汚れが広がりやすい
周囲に壁がないアイランドキッチンは、料理の際に発生した匂いや煙が部屋中に拡散しやすいというデメリットがあります。同じように、油はねや汚れも四方に飛び散りやすくなっているため、注意が必要です。
●アイランドキッチンを設置する前に押さえたいポイント
アイランドキッチンのデメリットをふまえ、ここでは設置前に注意しておくべきポイントを紹介します。
スペースを確保する必要がある
アイランドキッチンを設置する場合は、周囲の通路を確保する必要があります。配膳をしたり、複数で動いたりすることを考慮すると、キッチンスペースを余裕のある広さにし、アイランドキッチン本体は大きすぎないサイズを選ぶと良いでしょう。場合によっては、部屋数を減らしてLDK空間を広げるといった間取り変更も選択肢のひとつとなります。
収納のスペースを確保する
アイランドキッチンは、一般的なキッチンより収納スペースが少ないです。キッチン本体のシンク下に片付けきれない場合は、背面に収納棚を設置したり、調理器具や食料品のストック用にパントリーを作ったりして、十分な収納スペースを確保しましょう。
高度な換気システムを設置する
料理の際の匂いや煙が部屋に拡散しやすいのが悩みのアイランドキッチンですが、高度な換気システムを設置すれば、デメリットを軽減することができます。
汚れの飛び散りを防ぐパネルを設置する
油などの飛び散りを防止するためには、「油はねガード」や「オイルガード」といった油はね防止用ガラスパネルの設置が有効です。半透明のガラスパネルにすれば、アイランドキッチンが持つ開放感を残しつつ汚れの飛散を防ぐうえに、適度な目隠しにもなります。
●アイランドキッチンに収納を付ける場合、どのような方法がある?
アイランドキッチンは他のキッチンと違って、収納スペースの確保が難しいもの。ここでは、キッチン下に確保する方法を紹介します。
シンク下
主に水まわりで使うものを収納すると、使い勝手がいいでしょう。例えば、ザルやボール、まな板や包丁などは、洗った後に効率よく片付けることができて便利。よく使うアイテムのため、取り出しやすいレイアウトにしておくことも大切です。
作業台下
食器や調味料、保存容器、洗剤、ふきんなど、よく使用するものを収納しましょう。引き出しやトレイなどをうまく使って、浅い引き出しには箸やスプーン、フォーク、深めのトレイにはしょうゆやみりん、調理酒といった高さのあるものを入れるとすっきり収まります。ただ、家づくりの段階で食器洗浄機を設置したい場合は収納に使えなくなってしまうため、注意が必要です。
コンロ下
比較的大きなスペースを確保できるため、鍋やフライパンなどの調理器具、油といったものを収納するのがおすすめ。コンロで使うものを入れておくと、調理の際にすぐに取り出すことができて便利です。
●収納を付ける場合、プランニングの際に注意すべきポイントを紹介
先述の通り、アイランドキッチンは下部に収納スペースを確保することが多いです、しかし、それだけでは十分な広さを確保できなかったり、使い勝手が悪くなったりする場合も。プランニングの際にあらかじめ工夫しておくことで、キッチン周りがすっきりと片付き、効率よく作業することができます。
背面収納を設置する
アイランドキッチンの背面を活用することで、収納スペースを大幅に増やすことが可能です。例えば、食器の量に合わせた棚を配置するとすっきりするでしょう。隠す収納としても活躍するため、来客時にリビングからの視線が気になりません。また、レンジボードの設置もおすすめ。炊飯器や電子レンジ、ホットプレートなどの調理家電に加え、生活感が出やすいストック食材や日用品をまとめて収納することができます。
パントリーを設置する
食糧庫として、ストック食材や野菜、水などを収納しておくのに重宝するのがパントリー。アイランドキッチンの上に食材などを置いたままにすることが少なくなり、急な来客時に慌てることがありません。さらに、使用頻度が低い家電を片付けることができ、キッチン周りをすっきりとさせられます。
下部を空洞にする
アイランドキッチンの下部を空洞にしておけば、後にワゴンなどを配置することもできるでしょう。調味料や食器など、こまごまとしたものの収納に適しています。キャスター付きのため、調理中に引き出して食材を仮置きしたり、配膳に使ったり、さまざまな活用法があるのも魅力です。また、キッチン下にゴミ箱を置くのも便利。サイズを空洞に合わせることで、省スペース化が可能になるでしょう。
引き出しタイプの扉を選ぶ
キッチンの扉は、開き戸タイプと引き出しタイプの2種類。引き出しタイプの特長は、かがみこむ必要がない分、物の出し入れが簡単なところ。開閉がしやすいため、作業効率が上がるでしょう。仕切りを使って、スプーンやフォークなどを整理したり、フライパンなどを立てて入れたり、工夫次第で収納力や使い勝手がアップさせることもおすすめです。
●【実例紹介】イシンホームでアイランドキッチンを設置した事例を紹介!
最後に、当社が手掛けたアイランドキッチンのある家を紹介します。
家族全員で分担して作業ができるアイランドキッチン
食器洗い乾燥機などを採用しながらも、収納をしっかりと確保。皆で協力して家事ができるアイランドキッチンです。
アイランドキッチンを中心とした「家事が楽MAX」仕様の家
家全体が見渡せるアイランドキッチンです。家族みんなで楽しく料理ができるうえに、配膳もスムーズ。
【間取り紹介】
アイランドキッチンのそばに水回りをまとめて、家事の効率をアップ
比較的余裕のある間取りにて採用されることが多いアイランドキッチン。洗面所や浴室への動線を短くすることで、料理をしながら洗濯をしたり、お風呂の準備をしたりと、家事の効率が飛躍的にアップします。
●FAQ
最後に、よくいただくご質問についてお答えしましょう。
子どもがいる家庭でアイランドキッチンを設置する場合、注意すべきポイントは?
アイランドキッチンには仕切りがないため、子どもたちも自由に出入りができます。特に子どもが小さい場合は、けがなどをしないように注意しなければなりません。キッチンの両端やリビングにゲートを設けるなど、調理中はキッチンに来られないように工夫しましょう。併せて、日ごろから危険なものは子どもの手の届かないところに片付けておくことも大切です。
アイランドキッチンって高そう…。少しでも安く取り入れる方法は?
アイランドキッチンは、ほかのキッチンに比べて高くなる傾向があります。少しでも安く取り入れるためには、キッチンをオーダーメイドではなく既製品から選ぶ、オーダーメイドにする場合は素材をステンレスにするといった方法が考えられます。また、オプション品を必要最小限にすることも検討しましょう。
デザイン性の高さや開放感、機能性を同時に持ち合わせているのがアイランドキッチン。気になるデメリットは設備などでカバーすることができます。今回の記事を参考に、ぜひ理想のキッチンを実現しましょう。希望に応じたアドバイスもさせていただきますので、気軽にご相談くださいね。