
電気代の高騰が続く今、なるべく節電したいと考える人は多いのではないでしょうか。一般的な節電対策としては、生活習慣の改善や家電の買い替えといった方法があります。それに加えて、これから家を建てるなら、節電しやすい設計や設備を取り入れることも大切。そこで今回は、節電に有効な方法を解説するとともに、イシンホーム独自の取り組みについても紹介します。
目次
なぜ電気代は高騰するの?住宅の電気代が上がる理由や背景とは?
電気代が高騰する主な要因は次の通りです。く、社会情勢によるものが大きいと考えられます。
ウクライナ情勢
ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻が行われて以降、EUやアメリカなどはロシアに対するさまざまな経済制裁を続けています。その一つが、ロシアからの化石燃料の輸入制限。対するロシアも輸出を制限する動きを取っています。その結果、化石燃料の輸出額が世界上位であるロシアの貿易が制限され、価格が高騰しました。化石燃料を使う発電コストの上昇を引き起こし、電気料金の値上がりにつながっています。
円安
発電に使用される石炭や天然ガス(LNG)の価格は、円安の影響も受けて高騰しています。為替の動向によっては、今後も影響が続くと予想されます。
再生可能エネルギー発電促進賦課金の値上げ
世界的に脱炭素社会を目指す流れを受け、日本でも2012年に「固定価格買取制度(FIT制度)」がスタートしました。これは、太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電などの再生可能エネルギーによる発電を促進する目的で、電力会社などが一定期間に固定価格で買い取ることを義務付けたものです。この買い取りにかかる費用の一部は、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)として電力会社の利用者に毎月の電気料金と併せて請求されています。再エネ賦課金の金額は国によって全国一律に決められており、年々値上げ傾向にあるため、電気代高騰の一因として考えられます。
電気・ガス料金負担軽減支援事業の終了
電気・ガス料金負担軽減支援事業は、暑さが厳しくエアコンの使用が欠かせない夏場の家計負担を軽減するために2025年7月〜9月に実施された、国による補助事業です。個人による申請などの手続きは不要で、電気・都市ガスの小売事業者が月々の料金から値引きを行っていました。しかし、この補助は9月に終了するため、10月以降は電気料金の値上がりが予想されます。
住宅の電気代を節約する3つの方法
住宅の電気代を節約するために有効な方法を紹介します。

節約法1:生活習慣の見直しで節約
住宅完成後でも実践できる、生活習慣の見直しによる節約法です。
家電の使い方を見直す
節電のためには、家電の使い方を見直すことも重要です。主な家電の省エネ利用法を紹介します。冷蔵庫は、冷蔵室に食品を詰め込まず、反対に冷凍室には食品を隙間なく入れることが重要とされています。テレビについては、見ていない時に消すことはもちろん、画面の輝度を減らしましょう。エアコンは、夏の冷房時の室温は28℃を目安に、冬の暖房時の室温は20℃を目安に設定することを心掛け、フィルターを月に1回程度清掃することが大切です。
冬の暖房効率を上げる室内工夫を施す
冬は暖房の暖かい空気が上にたまりやすいため、部屋全体が設定室温になるまでの時間が夏よりも長くかかる傾向があります。より効率よく暖房を使うためには、サーキュレーターのような送風機を併用するのがおすすめ。空気を撹拌することで、部屋全体の温度を均一に維持しやすくなります。また、冷気が入ってきやすい窓に窓用断熱シートを貼ったり、厚手で丈の長いカーテンを使用したりすると、外気による影響が減って暖房効率が上がります。
電気使用量を視覚的に把握する
最近はエネルギーの利用状況を「見える化」し、家庭内の電気を賢く使うためのシステム「HEMS(Home Energy Management System)」を導入する家が増えています。これは、家庭内のエネルギー使用状況をモニターで確認できるだけでなく、家電機器の自動制御も可能なシステムです。スマートフォンで遠隔操作することも可能。電力使用状況をリアルタイムで監視しながら、無駄な消費を抑えることによって、効率的にエネルギーを利用できます。
節約法2:専用設備・家電の導入で節約
続いて、住宅設備や家電の導入による節電方法を紹介します。
家電を買い替える
古い家電製品は効率が悪くなっていて、余計に電気代がかかっていることもあります。もし古くなっている場合は新しく買い替えるのも有効です。主な家電製品について、10年前と比べて年間電気代がどれだけ変わっているのか紹介します。
〈10年前との比較〉
・冷蔵庫(定格内容積401L~450Lの比較)
年間電気代 約5,300円~約7,160円お得(約39%~約46%省エネ)
・テレビ(40V型液晶)
年間電気代 約1,890円お得(約42%省エネ)
・エアコン(10畳タイプ)
年間電気代 約2,850円お得(約10%省エネ)
照明をLEDにする
照明を白熱電球からLEDランプに交換するだけで、年間の電気代を大幅ダウンさせることが可能です。例えば、経済産業省資源エネルギー庁の「省エネポータルサイト」によると、電気料金が31円/kWhの場合、54Wの白熱電球を7.5WのLEDランプに変えると、約2,880円の節約に繋がります。また、光源寿命も長いため、交換の手間が省けます。
高効率のエアコンやエコキュートを導入する
少ないエネルギーで高い冷暖房能力を発揮する「高効率エアコン」や、空気の熱を利用して効率よくお湯を沸かす「エコキュート」は、省エネが期待できる設備です。ただ、導入する際の初期費用は高い傾向があるので、トータルコストを考えた上で検討することが重要です。
電力会社や料金プランの切り替えを検討する
2016年に電気の小売業への参入が全面自由化されて以降、新規参入する電力会社「新電力」が現れ、消費者の選択の幅は広がりました。新電力は小売価格を柔軟に設定できるため、消費者が自分に合うお得な料金プランを選びやすいというメリットがあります。ただし、契約期間の縛りや解約手数料が発生したり、倒産のリスクもあったりするので、慎重に契約会社を選びましょう。
節約法3:設計段階からの節約検討
住宅の設計段階で検討しておくべきポイントは次の5つです。
断熱性、気密性を高める
高断熱・高気密住宅は熱の流入・流出を防ぐため、冷暖房にかかるエネルギーを大幅に削減し、節電につながります。ポイントとなるのは、断熱材と窓の選び方。断熱材は、外の気温が室内に影響するのを防ぎます。たくさんの種類があるため、それぞれの特徴を知って、自分に合った断熱材を選びましょう。
太陽光パネルや蓄電池を設置する
太陽光発電を導入すれば、電気代を節約できる上、余った電気は電力会社に売電もできるため、節約につながります。ただ、天候や季節によって日照時間が少ない場合や夜間は電力会社から電気を購入することになります。そこで推奨されているのは、蓄電池を併せて導入すること。昼間に発電した電気を、夜間や悪天候時に使うことができます。しかし、太陽光発電や蓄電池を設置する際の費用は安くありません。そのため、トータルのコストと、削減した電気代、売電収入などをよく検討する必要があります。
オール電化にする
大手電力会社などでは、通常の電気料金プランより夜間の電気代を安く設定したオール電化住宅向けの専用プランが設けられています。日中に家族全員が仕事や学校へ行く家庭では、洗濯や食洗機などの電気の使用を夜間に集中させれば、電気代を効率的に節約できるでしょう。
ただ、昨今の電気料金の高騰により、電気はガスに比べて割高になることもあります。都市ガスかプロパンガスかによってガスの価格も違うので、居住エリアや家族構成、ライフスタイルに合わせて、電気とガスのどちらを選ぶか検討するといいでしょう。電気代の方が高い場合、太陽光発電を導入することで、電気代を減らせる可能性があります。
窓の種類と配置を検討する

窓は住宅の中でも熱が出入りしやすい部分です。断熱性能の高い「Low-Eガラス」を選んだり、「オール樹脂サッシ」を付けたりすると、節電効果が期待できます。また、空気が暖かいと上に、冷たいと下に流れていくことを踏まえて、効率的な換気を行える位置に窓を設置すると、快適に過ごせるでしょう。
冬は暖かく、夏は涼しい「日射取得・遮蔽」を設計する
「日射取得・遮蔽」とは、太陽の日差しを取り入れることと遮ること。この2つをうまくコントロールし、冬は暖かい日射を室内に取り入れ、夏はカットできれば、室内の温度変化を減らして快適な生活を送れます。結果として、エアコンの過度な稼働を抑えることができ、電気代も抑えられるでしょう。
注文住宅に住む家庭の平均的な電気代は?
節電の必要性を考える上で、一般的な相場を知っておくことは大切。もちろん居住エリアやライフスタイルによって差はありますが、ある程度の目安として参考にしてください。
世帯人数別 電気代の相場
総務省から発表されている家計調査統計データによると、1カ月にかかる電気代の世帯人数別平均は次の通りです。
2人 10,878円
3人 12,651円
4人 12,805円
5人 14,413円
ただし、この金額は戸建てだけでなくマンション・アパートも含めた平均値であり、一般的には戸建ての方がマンション・アパートより電気代が高いと言われています。
そこで「家庭の省エネハンドブック(2025年版)」をもとに、2人世帯の電気使用量を元に算出すると、戸建て住宅における電気使用量の1カ月平均は約341kWh、集合住宅の場合は約263kWhとなり、およそ78kWhの差が生まれます。電気料金単価を30円/kWhとすると、1月あたり2,340円の差が生まれる計算になります。
時期による違いはある?
総務省の家計調査統計データでは、1月〜12月の電気代平均も発表されています。一例として、2024年度の2人世帯の月ごとの平均額は次の通りです。
1月 10,995円
2月 12,556円
3月 12,583円
4月 11,829円
5月 9,983円
6月 8,786円
7月 8,972円
8月 10,999円
9月 12,226円
10月 11,898円
11月 9,416円
12月 10,291円
この結果から、冷暖房を使う夏場と冬場の電気代が高いことが分かります。なお、冬場の方が少し高い理由は、外気温と室温の温度差が大きく、設定温度まで暖めるために必要なエネルギー量が多くなるから。また、冬は夏より日照時間が短いため、照明器具の使用時間も長いことも一因として考えられます。
住宅の電気代節約をかなえる!イシンホームの太陽光発電&蓄電池
最後に、住宅の節電をかなえるイシンホームの取り組みについて紹介します。

大容量太陽光発電+蓄電池を標準セット
当社の標準装備には大容量太陽光発電と蓄電池が含まれているので、導入にオプション費用がかかりません。採用しているソーラー発電は、発電効率35年70%保証の大型10kW太陽光パネル。世界最高水準となる400Wのバックコンタクトパネルで、非常に長寿命であるのが魅力です。発電した電気を溜める蓄電池については、13.5kWh標準の大容量水冷式蓄電池を採用。蓄電池は温度変化に弱いため、水冷式タイプの温度調節機能は欠かせません。
冬場も安心!高気密・高断熱設備
住宅の気密性と断熱性を上げるための設備も標準装備。具体的には、壁材への発泡ウレタンの吹付断熱や、外反射断熱シートの使用を行うことで、高気密・高断熱を実現しています。また、住宅の中でも特に熱損失が大きい窓の対策も万全。結露しにくい断熱樹脂サッシに加え、断熱性の高いLow-E複層ガラスを用いることで、外気の影響を抑えます。
0円で太陽光発電を設置できる「ZERO SECH」の活用を
イシンホームでは、初期投資を最小限にして少しでも住宅ローンを抑えたい方向けに、300万円相当のソーラーを初期費用0円で設置できる「ZERO SECH」もご用意。これは、太陽光発電の設置に必要な費用を、住宅ローンとは別にリース契約するという新提案です。住宅ローンの借り入れが少なく済むため、マイホーム予算への負担が少ない設置が可能になります。
まとめ
電気のランニングコストを抑えるためには、生活習慣や使用する家電だけでなく、住んでいる住宅そのものの性能も重要です。今後もエネルギーの高騰は続くことが予想されるため、これから家を建てる人は住宅の断熱性や気密性を重視する方が良いでしょう。また、イシンホームなら太陽光パネルや蓄電池も標準装備で導入できるので、気になる方はぜひお気軽にご相談ください。

