気になる太陽光発電の寿命!新築で設置して何年使える?メンテや故障対策は?役立つ情報を徹底解説

電気代の高騰やエコライフへの意識から最近注目の太陽光発電。でも家庭のインフラとして長く使うものだから、人気だからといって気軽には飛びつけません。ここは、気になる実際の寿命や故障、メンテナンスの情報をじっくりと吟味して検討したいところ。そこで今回は、太陽光発電の導入前に不安を解消する寿命やメンテに関わる情報を大公開!

●そもそも太陽光発電システムとは

太陽光発電とは文字通り太陽の光で電気を作りだすシステムのこと。その最大の特長は、エネルギー源が無尽蔵で、クリーンである点です。石油を燃焼させて電気を起こす火力発電のように、発電時にCO₂(二酸化炭素)や、SOX(硫黄酸化物)、NOX(窒素酸化物)などの大気汚染物質を発生させることがありません。

・太陽光で発電する仕組み


太陽光発電システムの中核は太陽電池、一般的には太陽光パネル、ソーラーパネルと呼ばれている機器です。太陽電池とは、太陽の光エネルギーを吸収して直接電気に変えるエネルギー変換素子です。シリコンや化合物などの半導体で作られており、この半導体に光が当たる
と、日射強度に比例して発電するわけです。

・太陽光発電システムの構成


一般的な住宅用の太陽光発電システムは以下の機器で構成されています。

太陽電池モジュール
太陽の光エネルギーを電気に変換する装置。いわゆる太陽光パネル

接続箱
太陽電池モジュールからの直流配線を一本化し、パワーコンディショナに送るための装置

パワーコンディショナ(パワコン)
太陽電池モジュールで発電した直流電力を、家庭で使える交流電力に変換するための装置

分電盤
家の配線に電気を分ける装置

電力量計
電力会社に売った電力や買った電力を計量するメーター

発電量モニタ
発電量や消費電力量などを表示する装置。電気の使用量が見えることで省エネ意識を高めます

・太陽電池モジュールと設置方法


住宅に設置する太陽電池モジュールは、設置場所や設置方法、付加機能などの違いによって、様々なタイプがあります。

屋根置き型
屋根材の上に架台を取り付け、その上に太陽電池を設置するタイプで標準的なタイプです。

屋根建材型
太陽電池モジュールに防火性能と屋根材機能を持たせたもので、屋根材に組み込む屋根材一体型と太陽電池モジュール自体が屋根材となる屋根材型があります。

●太陽光発電のメリットとデメリット

住宅用太陽光発電システムへの意識は、東日本大震災を契機に大きく変化しました。それ以前は売電収入による利益という視点がメインでしたが、災害時の備えという発想に転換、さらにはここ数年の電気代の高騰による自家消費による光熱費の削減という意識も高まっています。

メリット

電気代の高騰や災害に備えられることへの評価が高まり、二酸化炭素排出を抑えるエコライフからの視点でも社会的ニーズが高まっています。

・電気代が安くできる

・売電収入が期待できる

・停電しても電気が使える

・環境にやさしい

・遮熱&断熱効果が高い家になる

デメリット

・設置コストが高額

・メンテナンスが必要

・発電量が天候や季節に左右される

・夜間には発電できない

設置コストは年々低下して10年前より3割以上もダウンするなどかなりリーズナブルに!蓄電池との組み合わせで夜間使用への対応も進んでいます。

●太陽光発電の寿命

太陽光パネルの設置住宅は年々増え続け、2030年度には520万戸、普及率は9.7%との予測が立てられています。そこでクローズアップされているのが太陽光発電システムの寿命。
高額で簡単に買い換えることができないだけに、気になるところです。

・法定耐用年数と期待寿命


太陽光発電設備は国税庁によって法定耐用年数が17年に定められていますが、法定耐用年数は減価償却が行える期間であって、太陽光パネルそのものの寿命ではありません。実際に期待できる太陽光パネルの寿命は30年以上と言われています。可動部が多い家電製品は10年程度で故障してしまうのが一般的ですが、太陽光パネルは可動する部分が少なく、多少の経年劣化はあるものの故障するほどのトラブルは長期間に渡り起こりにくいという特徴があります。

・長寿命タイプのN型パネルが人気に


以前の住宅用太陽光パネルは、コストが抑えられるP型と呼ばれるタイプが主流でした。しかし現在では、P型太陽電池モジュールによる変換効率が限界に近づき、新たにN型パネルが注目されてきています。

N型は、P型では発電できないような低照度でも発電が可能であり、しかも高温時の発電量低下が少なく、劣化しにくく長寿命化できるなどのメリットがあります。また原理的にP型よりN型の方がより多くの発電量を得ることができます。N型パネルは製造コストが高く商品化が遅れていましたが、最近では高効率で長寿命な太陽光パネルとして人気を集めています。

・パワーコンディショナーの寿命


太陽光パネルで発電した直流電力を家庭用の交流電力に変換するパワーコンディショナーは、可動部分が多いため、パネルより寿命が早く15〜20年で交換が必要だと言われています。パワーコンディショナーが故障すると、発電した電力を使うことができなくなるため、定期的にチェックし不具合に気づいたらすぐに修理を依頼しましょう。

・10年前後で元が取れる価格設定


太陽光発電システムの機器類は高額で長く使い続ける性格から高い信頼性が求められます。元々国が定めた電気の買取制度であるFIT(固定価格買取制度)の制度設計が、電気を固定価格で買い上げる10年を目処に元が取れるように価格が決定されている経緯もあり、10年を超えて長い期間、性能が発揮できるように厳格な品質管理が行われています。

●かなり手厚い!太陽光発電の保証

太陽光パネルにも一般的な家電製品と同じようにメーカー保証が付いていますが、家電製品が1年間の保証が多いのに比べ長期間の手厚い保証が用意されています。ただし、保証期間や保証内容、保証範囲はパネルメーカーによって異なる点には注意が必要。導入検討時には各社の保証期間をチェックすることでより良い選択が可能です。

・10~15年のシステム保証

住宅用の太陽光発電システムの場合は、太陽光パネルだけではなく、パワーコンディショナーや架台など周辺機器全体を保証する「周辺機器保証(システム保証)」が一般的。その期間は最低10年で15年程度までが多くなっています。

・20~25年の出力保証

また多くのメーカーではシステム保証よりさらに長期の出力保証を用意しています。この保証は太陽光パネルの出力値が、なんらかの理由でメーカーの規定値を下回った場合に、メーカーが修理や交換をしてくれる保証で、メーカーが、モジュールの出力を規定値まで長期間保証してくれるもの。20年〜25年の期間が多く、N型ではさらに長期間の保証がある製品もあります。

ただし出力保証を受けるには、規定値を下回ったということを証明する必要があります。設置したら定期的に発電量をチェックしその数値を保存しておいてください。

・自然災害保証、施工保証

自然災害補償は、火災や自然災害などで故障した場合や、パネルが飛散して他人に損害を与えてしまった場合に修繕費用などを補償してくれるもの。その他に工事後に不具合が起こった場合、雨漏りなども含めてサポートしてくれる施工保証があるメーカーもあります。

●長持ちさせるポイント

太陽光発電は、屋外に設置され風雨にさらされます。経年劣化や自然現象によりパネルの表面が汚れたり傷ついたりすることで、発電効率が低下してしまいます。また、配線や接続部分が劣化したり断線したりする可能性もあります。このような劣化を防ぐためには定期的なメンテナンスが大切です。

定期メンテナンスは4年〜5年に一度くらいの頻度が推奨されています。太陽光パネルの清掃や点検を行い、必要に応じて修理や交換を行います。また日常的にこまめなモニターチェックを行うことで、太陽光発電システムの状態が把握できます。発電量が低下したり数値の変化でトラブルを初期段階で発見でき、重大な故障を未然に防ぐことにつながります。

●FIT制度と売電シミュレーション

FIT(固定価格買取制度)による実際の売電収入がどのくらいになるか目安となる数字を30年間の稼働でシミュレーションしてみました。

日本の住宅用太陽光発電の平均年間発電量は、容量1kWにつき1303kWh。容量5kWの太陽光発電の場合、年間の発電量は6515kWhになると考えられます。

経済産業省のデータでは、発電した電力のうち、売電される割合は平均70%。これらのデータをもとに考えると、年間にして約4560kWhが売電にまわされ、現在の売電価格は10年間固定で1kWあたり16円。11年目以降は売電価格10円で試算。この資産によると30年間の売電収入の総計は1,641,600円になります。

30年間の売電収入(推計値)

売電収入(推計)

年間売電量4560kWh
× 売電価格16円(2023年度の場合)
= 年間売電収入7万2960円

1~10年の売電収入:729600円

10〜30年の
売電価格は10円で計算

年間売電量4560kWh
× 売電価格10円(資源エネルギー庁予測)
= 年間売電収入 4万5600円

11〜30年の売電収入: 912000円

30年間の売電収入の期待値は
1,641,600円

●大陽光発電の導入は新築時がいい理由

太陽光発電を取り付けるベストなタイミングは家の建築時。新築時に太陽光発電を設置することで、導入費用を住宅ローンに組み込めます。後で設置すると金利が割安な住宅ローンが利用できなくなり、設置工事費も別途必要になるなど余計な費用が発生します。

新築時に大陽光発電を導入するメリット

・住宅ローンに設置費用を組み込める

・税制の優遇や補助金を受けられる

・オール電化で光熱費を節約できる

●光熱費ゼロを実現するZEH住宅

ZEH(ゼッチ)住宅とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略。断熱性能や省エネ性能を高め、さらに太陽光発電などで家庭で使うエネルギーをつくり出すことにより、年間の一次消費エネルギー量(空調・換気・照明・給湯)をほぼゼロ以下にする住宅のことです。

イシンホームではこのZEH(ゼッチ)住宅のコンセプトをさらに発展させた「サンクスZEGA」という「一生、電気・ガス代をほとんど払わない家」を提案。全国で25,000棟以上のゼロエネルギー住宅を施工して多くのお客様に喜ばれています。

サンクスZEGAの6点セット


・10kW以上の大容量N型ソーラー


・大型蓄電池


・ソーラー給湯


・高効率24時間換気システム


・PHV・EV車用充電アダプター


・長期大量売電

サンクスZEGAの詳細はこちらをご覧ください。

●太陽光発電への補助金や優遇措置

多くの自治体では、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入や省エネ住宅の整備に利用できる補助金制度を設けています。また国が推進するZEH住宅の支援として新築の際は、「ZEH補助金」が用意されています。

2023年にはZEH住宅に対して、40代以下の若者夫婦・子育て世帯を対象にした「こどもエコすまい支援事業」の補助金制度が新設されています。ZEH補助金との併用は不可ですが、最高で100万円の補助金がでます。というようにZEH住宅を建設する際には、55〜112万円の補助金を受け取れる可能性があります。

また住宅ローン減税や固定資産税の優遇もありますので、詳しく知りたい方はぜひイシンホームにお問い合わせください。

●FAQ

Q. 太陽光発電システムの不調でよくある原因とは?

A. パワーコンディショナーの不具合によるトラブルが半数を占めます。もし不調や不具合が起こってもメーカー保証期間中であれば、無償修理が可能です。

Q. 最近、発電量が少ない気がします。原因は?

A. 設置から20年近く経過している場合は、モジュールの寿命も考えられます。設置からの年数が短い場合は、太陽光セルやパワーコンディショナー、接続箱などシステム各部の不調が考えられます。また、太陽光パネルの汚れや雑草の繁茂による太陽光の遮断により発電量が低下している場合もあります。

Q. 鳥の糞や落ち葉などで発電量が低下する?

A. 当初は影響がなくても、糞害や落ち葉の散乱、蔦や蔓草の繁茂が続くと、太陽光パネルの表面に付着した汚れが太陽光を遮るので発電量が大きく低下する原因になります。定期点検の際に、パネル表面を清掃することが大切です。また特殊コーティングなどで防汚処理を施すのも有効です。

●お客様の声をご紹介

岡山県 S様
12kW太陽光を搭載して7年使用しています。
光熱費は全然違います!もっと大容量にしても良かったなと思うくらいです。
先月の売電額は5万8千円で今月が5万2千円でした。
大体毎月の売電額が5万円を超え、多い月は7、8万円までいきます。

埼玉県S様
大きな屋根にパネルを全面に設置。発電量が大きいので晴れていると
すぐに蓄電池が満タンになります。買う電気は全然少ないです

お客様の声をもっと知りたい方はこちらから

全国で全国で25,000棟以上のゼロエネルギー住宅を施工したイシンホームならベストな提案で最適なシステム導入をサポートします!太陽光発電の導入をお考えの方はぜひ相談してくださいね。

太陽光発電に関する記事は、こちらにもございます。併せてご覧ください。

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イシンホーム住宅研究会は家造りを天職とする日本全国約180店が参加する真面目な家づくり研究ネットワークです。常に未来を先取りする研究・開発型の企業です。蓄積したノウハウや研究実績を自社のためだけでなく、全国に提供し、喜ばれています。イシンホーム住宅研究会本部は商品開発チームを結成し独自で開発した販売・設計・施工のノウハウを加盟店に提供するとともに、優れた資材を一括購入することで購入にかかるコストを飛躍的に落とし、高品質・高性能な家をお客様に提供できる仕組みになっています。

本社(総合戦略本部)

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