外構で変わる!住まいの満足度。理想の注文住宅づくりに欠かせない外構工事の基礎知識

間取りやインテリアプラン、外観デザインに収納計画、設備機器選び・・・。いろいろある住まいづくりのプランニングの中で後回しになったり、忘れられがちなのが外構プラン。実は、住み始めて暮らしの満足度を大きく左右する家づくりの大切なテーマです。そこで、今回は外構の種類や項目など基本から失敗しやすいポイント、費用感や外構工事の流れ、FAQまで。外構計画の基礎知識を解説します。

●外構とエクステリア


外構とは「外構え」から生まれた言葉で、敷地内にある家の周囲のこと。門、塀、玄関アプローチ、ガレージといった家の外に作られる構造物全般です。外構をエクステリアと呼ぶこともありますが、インテリアが室内の装飾や家具、空間づくりなど審美的な要素を指すように、エクステリアも門柱などの屋外構造物だけでなく、外観デザインや環境デザインも含む場合があります。
注文住宅では、外構とエクステリアをまとめて外構工事と称することが多く、屋外構造物や庭、植栽などをトータルに捉えておきたいものです。

・外構のタイプ


外構は、クローズド、オープン、セミクローズの3つのスタイルに分けられます。

クローズド外構


家を門や塀、植栽などで囲んだ、プライバシーに配慮したスタイルです。一般的な日本家屋は生垣や塀で囲まれたクローズ外構になります。一方で、外から閉じているため、外部から侵入されてしまうと隠れられる場所が多く、内部に死角を作らない工夫が必要です。

オープン外構


門や塀、フェンスなどの囲いがなく開放的な外構スタイルです。敷地を有効活用でき、日当たりが良い庭が作りやすいメリットもあります。ただ、外からの視線をさえぎる部分が少なく、敷地への侵入も容易など、プライバシーや防犯性の面で不安を感じることも考えられます。

セミクローズド外構


敷地の一部を塀やフェンスで囲ったり、植栽、門柱の置き方の工夫で、見える場所と見せたくない場所を分けるなど、オープン外構とクローズド外構それぞれの良さを活かし、敷地の外と内をゆるやかにつなぐスタイル。駐車スペースはオープンにし、エントランスはクローズにするなど、オープンとクローズを使い分けた幅広い外構デザインが可能です。


●外構プランの基本


外構計画の第一歩は、機能や目的に合わせたゾーニング(エリア分け)。道路から玄関周りに至るアプローチやフロントガーデン(前庭)、リビングやダイニングの外に広がるメインガーデン(主庭)やサブガーデン、駐車スペース、キッチン近くのサービスヤードといった、ゾーニングをしっかり行うことが大切です。

・外構に求められる条件


外構計画に必要な条件は次の3つに大別できます。

機能:防犯やプライバシー保護、駐車や遊び場、物置など
動線:使いやすく安全な移動
審美性:美しく心地よい外観デザイン性

・計画のタイミング


建物の間取りを考える段階で同時に外構の計画を考えておくことが大切です。家の内部と外部を機能的・環境的に連動させることで、使い勝手もよく、心地よい屋外空間が実現しま
す。
また家づくりの際に、間取り・設備・外観など建物だけを優先して計画すると、外構・エクステリアが後回しになり建物だけで予算オーバーとなり、外構は十分な検討ができないことがあります。結果、外構がチープで建物とのバランスが悪かったり住んでみて後悔したりすることにつながります。
ですから最初から外構工事の費用も含めた全体予算を検討し、家づくりの担当者と共に、家屋と外構のトータルプランニングを進めていくことが大切です。外構工事を新築工事を請け負うハウスメーカーや工務店に、一括して依頼すれば、金利の低い住宅ローンに組み込むことができ、資金計画にゆとりもできます。

・着工前に外構計画の届出が必要な場合も


景観に関する条例がある自治体では、建物の着工前に具体的な外構計画の届出が必要です。以下の外構計画の詳細を建物の設計と同時におこない自治体に確認申請を行ってください。

◇土地面積に対する緑地面積の割合
◇緑地面積に応じた高木や低木の本数
◇外構内の建造物の色や光沢

・外構工事の種類

◇造園工事:植栽など
◇電気工事:インターホンや屋外灯など
◇水道工事:給排水やマスなど
◇左官工事:塀などの左官仕上げ
◇土間コンクリート工事:ガレージなど

・プラン項目

◇門扉、門柱
◇表札、ポスト、インターホン
◇玄関アプローチ
◇駐車スペース、駐輪場
◇カーポート、サイクルポート
◇物置(ストックヤード)
◇塀、フェンス
◇庭、植栽
◇ウッドデッキ
◇テラス、ガーデンルーム
◇植栽
◇砂利、除草シート
◇照明
◇水栓、パン(水受け)

・外構工事の流れ


外構工事は概ね以下のような流れで進行します。

1住宅設計時に、外構計画の見積り書も依頼
住まいのプランニングを進める際に、家の間取りや内装の希望に加え外構計画のイメージを伝え、見積もり書を依頼します。

2.詳細打ち合わせ
外構プランと見積り書を確認し、変更点、追加希望などを伝えます。
家の外観と外構が調和した景観性や、アプローチ動線、家の中から見る景観など、具体的なイメージを持ちながら検討してください。

3.外構計画決定・工事契約締結
外構プランと見積りに納得できたら、契約を締結します。外構工事の契約は、建物の契約と別の場合がありますので、事前に確認しておきましょう。

4.着工~完成・引き渡し
建物と外構工事をまとめて依頼した場合でも、基本的に外構工事は建物が完成してから着工します。完成後は仕上がり状況を、営業担当や工事会社と一緒にひとつひとつチェックして不具合があれば、その場で指摘して補修等を依頼します。


●失敗しないための5つのポイント

1.道路や周囲の環境、間取りを考える


外構計画は、まず周囲の環境に対して「オープン」するか「クローズド」にするかを決めます。敷地や建物を囲って隠す塀などを設けないオープン外構は周囲の自然や景観を取り込みたい場合によく、フェンスや塀で建物を囲むクローズド外構は通行が多い道路に接する敷地などに向いています。

2.家の外観、外構と街並みとの調和を図る。


植栽は外観の印象を向上させるのに有効です。アプローチや中庭にシンボルツリーを植えたり、周囲を緑化することで、街並みも美しくなります。また外観デザインも奇抜な色や意匠は避けて街並みとの調和を図ってください。

3.駐車スペースは、車のサイズや台数、ドアの開閉、人の通行を考える。


屋外のオープンな駐車スペースは、車が止まっていない場合にも配慮してコンクリートの隙間に植栽を植えるなどすることで、多目的に使える外部空間となります。また駐車スペースだけでなく駐輪スペースも忘れないで計画してください。

4.建物の周囲にぐるりと回れる通路を確保し、メンテナンスや点検にも配慮する。


建物の裏にあたる場所には、エアコンの室外機やゴミの仮置き場、住まいのメンテナンス時に足場を組む必要もありますので、通路スペースは確保しておきましょう。

5.防犯や安全と、外観の演出の両立を考える。


防犯や安全、プライバシーに対する備えは、様々な条件を考えた上で最終的に決定します。例えば、屋外照明に加え人感センサーライトを設置することで、防犯的な要素と美観的な要素を両立させることができます。


●外構工事の費用


外構工事の予算は、一般的に総工事費用の10%〜からと言われています。費用的には「敷地面積(㎡) × 2~3万円」程度が多く。最低限でも「敷地面積(㎡) × 1~2万円」の予算を組んでおきましょう。

・費用の相場

プラン項目 費用相場
門周り(門扉・門塀・ポスト・表札)15~30万円
玄関アプローチ10~15万円
塀やフェンス40~100万円
ガレージ・カーポート・駐車場50~100万円
50万円~

・コストカットのポイント


外構は装飾に凝るほど、材料費が増え費用がアップします。そのため、デザインをシンプルにすることでコストカットをカットすることができます。また外構プランの優先順位を決め、必要な項目と、必要ではないが欲しい項目に分けて、実施する項目を選択します。その際、DIYなど自力作業も可能であれば家の完成後に楽しみながら外構を仕上げて予算を抑えることも可能です。

●外構プランニングのヒント


・門扉、門柱


門扉とは出入口に設けた門の扉のことです。門柱には表札やインターフォン、郵便受け、照明といったパーツが付きます。特に塀がない住宅では、門柱が敷地内外の境界線を示す場合もあり、外観を豊かにする効果もあります。門扉・門柱は、周囲との調和、建物・外構全体との統一感と必要な機能を考えて選ぶとよいでしょう。

・フェンス、塀


フェンスや塀は外部からの視線を遮り、プライバシーを守ります。生垣は高級感があり、上品なイメージを演出できますが、定期的なお手入れが必要です。メンテナンスコストとのバランスを考慮して検討してください。
また道路から玄関の距離が近く、フェンスや塀がないと、出入りの際に外からの視線を遮られません。オープンやセミオープンの外構プランの場合は、部分的なフェンスや植栽でプライバシーに配慮したいものです。

・アプローチ


エントランスから玄関へと続くアプローチは、階段やスロープで変化を付けたり、プライバシーを守る植栽で、奥行きを演出したり、来客の目を楽しませることができます。またアプローチには、雨や水で濡れても滑りにくく、水はけの良い素材を選んでください。階段を設ける際はバリアフリーに配慮した手すりやスロープ、階段の段差なども検討する必要があります。

・ウッドデッキ、テラス


ウッドデッキ、テラスは家の中と外を自然に行き来できる動線が生まれ、快適に過ごせる実用的な生活空間になります。伸びやかで開放的な空間となるデッキやテラスは、広いスペースでなくても十分に満足感を得られます。ぜひ有効に活用してみてください。

・駐車・駐輪スペース


国土交通省「駐車場設計・施工指針について」による軽自動車、普通自動車の駐車スペースの広さの基準(最低でも下記の表の値以上)と、それぞれの車両の大きさの目安を比較すると以下のようになります。

駐車場の広さと車両の周囲のゆとりの例(単位:メートル)

また自転車やバイクをとめる駐輪スペースも必要です。あらかじめ計画しておかないと、自転車やバイクを車の横にある狭いスペースにとめることになり、車をキズつけるなどトラブルの原因となります。

・植栽計画


植栽は美しい四季を映し、プライバシーを守ります。注意点は落ち葉、雑草、成長による高さ。植える木をよく検討して慎重な計画を立て、お手入れの注意点、生育の特徴を理解しておくと、近隣とのトラブルも避けられます。

・照明


外部空間の照明は、植栽やアプローチの足元を効果的に照らすことで、安全な動線を確保し防犯効果も高めます。計画のポイントは、照明器具が見えないように設置すること。器具を露出させずに空間を照らすと、光だけのきれいな照明効果が得られ、洗練された外観を演出できます。

・メインガーデン


メインガーデンは外構計画の核となるエリアです。ここは家庭菜園やガーデニング、バーベキューを楽しむ場所と多彩に使えます。また、小さいお子様のいるご家庭では、遊具やビニールプールを置いたりして遊び場にもなります。陽当たりや道路の方角を考慮して目的に合わせたプランを検討しましょう。

・物置


工具やアウトドア用品、清掃用品などを収納する物置は動線計画が鍵。物置から作業する場所、ゴミの仮置き場からゴミ集積場までは家の中を通らずに行ける動線設計がオススメです。

・水道・電源


家庭菜園の水やりや車の洗車、バーベキューなど、外部の水栓や電源が必要なシーン結構多いもの。家の中からホースや延長コードを延ばせても使いにくく、トラブルになることも。作業動線を考えて、使いやすい位置に水栓、電源コンセントを設置しましょう。

●FAQ


Q.家を新築するのですが、外構工事の計画はいつ頃必要ですか?


A.外構のデザインや設計には、窓や給排水の配管、エアコン室外機、給湯器の位置など、建物の外周りが大きく影響します。このため、新築計画の初期段階から建物と同時進行で外構計画を進めることが理想です。じっくりと相談し検討することで、より満足度の高い外構が実現できます。

Q.相談する時に用意するものはありますか?


A.ご希望の外構をイメージできる写真などをご用意いただくと、よりスムーズに打ち合わせが進みます。

Q.実際に見ることのできるサンプルなどはありますか?


A.石材やポスト、表札などお見せできるサンプルをご用意しております。取り寄せが可能なサンプルものもございますので、お気軽にご相談ください。またカタログや施工例の写真なども多数ご用意しています。

Q.工事中は在宅した方が良いのでしょうか?


A.外構工事なので、外出していただいても問題ありません。

●まとめ

イシンホームでは住宅建築と外構工事をトータルで提案しています。開放的なウッドデッキやバーベキューガーデン、美しい植栽計画など豊富な経験と実績をもとに、皆様に満足いただける外構計画をご提案します!理想の外構プランはぜひイシンホームにお任せください

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本社(総合戦略本部)

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