家づくりは、まず間取りから!注文住宅の「間取り」づくりで成功するための秘訣とは。

住まいの暮らしやすさは、間取りで大きく変わります。注文住宅は間取りを自由に決められるからこそ、間取りの検討は慎重に進めたいもの。そこで今回は注文住宅の間取りの決め方や間取りを考える際の秘訣を、よくある失敗例など間取りづくりの実際を交えながらご紹介します。

●間取りの重要性

せっかく家を建てても、暮らしやすい家になるかどうかは間取り次第と言っても過言ではありません。多くの方が費用はかかっても注文住宅を選ぶ理由も、間取りを自由に決められるからこそ。そこに住むご家族にとってベストな家をつくり上げるためには、家族一人ひとりの生活にその間取りがフィットしていることが大切です。ですから部屋の広さや位置はもちろん、リビングや玄関、水回りなど他の場所や居室との関係、動線や採光など様々な角度から優先順位やライフルタイルを検討して慎重に練り上げていく必要があります。思い込みやイメージ、流行に飛びつくのではなく、実際に暮らし始めても生活しやすいような理想の間取りをしっかりと考えましょう。

●注文住宅の間取りを決めるポイント

まずは、注文住宅の間取りを決める際に考慮・検討が必要になるポイントを説明します。

(1)家族構成

家族構成は間取りを決める際の最も重要なポイントになります。家族の人数や年齢・性別、子どもは何人か、二世帯かなど、家族構成によって必要となる住まいの広さや部屋数、水回りなどの設備が変わります。間取りの枠組みは、まず家族構成によって決めていくのが第一歩です。

(2)ライフスタイル

家族のライフスタイルによって求められる家の間取りも変わります。夫婦共働きの家庭では家事が効率よくできる間取りや工夫が大切です。また、リモートワークが多い場合はワークスペース必要になります。他にも、お子さまの年齢や、家族の趣味、ペット、車やバイク・自転車の所有台数などによっても、必要な間取りは変わってきます。

(3)住まいのこだわり

注文住宅の魅力は、住まいや暮らしのこだわりをカタチにできること。スマートなアイランドキッチンやウォークインクローゼット、のびやかな吹き抜けリビング、ガーデンビューのバスルーム、など人によって住まいのこだわりはさまざまです。このようなこだわりは家づくりのポイントとなる場合も多いので、間取りを考える時点でしっかり決めておくことが大切です。

(4) 動線計画

動線も間取りを考える場合の根幹となるポイントです。朝起きてから外出するまでの動線、帰宅してからの動線、家事の動線など、間取り図を見ながらチェックしましょう。間取り図に実際の家具を書き込んだ上で、暮らしの動きをシミュレーションして確認するとイメージしやすくなります。

(5)土地の条件

間取りを考える際には、その土地が面している道路のタイプや、土地の形状や方角などの条件が前提になります。例えば、人通りが多い道路に面している場合は、プライバシーが保てる間取りにする必要があります。また土地の大きさや形状、建ぺい率や容積率などの条件によって、建てられる家も変わります。

(6)予算

予算を決めずに家を建てることはないかもしれませんが、注文住宅の現場では、話を進めていくうちに当初の見積りより高くなってしまうことがよく見られます。基本的に凝った間取りにするほど費用は高くなります。また、契約後の大きなプラン変更も予算オーバーになりやすいので要注意!間取りは事前にしっかり検討して決定してください。

家族数から考える間取りの基本

間取りを考える上で、そこで暮らす家族の人数や年齢を考慮することは基本中の基本。子ども一人一人に個室を与えるか、将来的に親との同居を考えている場合は、二世帯住宅に対応した間取りや機能なども考えておく必要があります。

・2人家族

夫婦やカップルで一緒にくつろげる共用空間=リビング・ダイニングに加えて、各々の趣味や時間を過ごせる居室スペースがあるとベスト。また将来的に子どもが欲しい場合は、ワンフロアの子ども部屋に間仕切りをして2部屋として使えるよう、広い1部屋を用意しておく間取りがオススメです。

・3人家族

主寝室+子ども部屋で2LDK以上が基本。子ども部屋と夫婦の寝室をそれぞれ確保しておけば、お子さまが成長したときもプライバシーを守りやすくなります。3LDKにする場合は、子どもが小さいうちは使わずにもったいないと考えるかもしれませんが、書斎や趣味の部屋としても活用でき、将来的に2人目のお子さまが生まれた場合も子ども部屋を2つ確保できるメリットがあります。

・4人家族

夫婦+お子さま2人と想定した場合、3LDK以上が基本になります。家で仕事をする場合の書斎や来客用の客間などを想定して4LDKにする場合も。4LDKの場合、1部屋はリビングに隣接させた間取りにして、普段はリビングと一体で使えるような間取りにすると、無駄がなく、広いリビングでのびのびと過ごせます。

・二世帯同居

二世帯住宅の間取りは、キッチン、浴室、玄関を分けるか、分けないかで間取りのつくり方が大きく変わります。結局、どこまでシェアするか、しないかがポイントになります。親世帯、子世帯の関係性に応じて二世帯の空間を上手に分けることで、両世帯のいい関係が保たれ、同居がうまくいく間取りとなります。

◇二世帯住宅に多い3つの間取りタイプ。

・完全同居型(一体型二世帯)

完全同居型は、単世帯住宅に親も同居する住まい方で、玄関・キッチン・お風呂は共有します。寝室・子ども部屋といったプライベート空間は世帯ごとに分けるタイプです。

メリット:家事を分担し助け合える・建築費が抑えられ経済的・お互いの状況が良く分かる

デメリット:プライバシーを確保しにくい・光熱費などの費用負担があいまい・来客ストレス

・完全分離型(分離型、独立二世帯)

完全分離型は、玄関、LDK、プライベート空間も、それぞれ別個に用意して完全に分離・独立した二世帯住宅とするタイプです。

メリット:プライバシーを確保できる・必要なときは協力し合える・隣にいる安心感がある

デメリット:建築費が高くなる傾向・広いスペースが必要・目が届きにくい

・部分共有型(共用型、共用二世帯)

部分共有型は、一般的な二世帯住宅に多いタイプ。リビング、キッチン、お風呂などを共有空間とし、ミニキッチンやシャワー室などの設備を世帯専用で用意するスタイルや、玄関のみ共用するパターンなどがあります。

メリット:完全同居型よりも程よい距離感を保ちやすい・完全分離型よりも省スペース

デメリット:完全同居型より建築費が高くなる・完全同居型より広いスペースが必要

・世帯人数別・居住面積水準

国土交通省の「住生活基本計画における居住面積水準」では、快適な暮らしを送るために必要な住宅の面積を以下の基準で示しています。

■世帯人数別・居住面積水準

世帯人数最低居住面積水準誘導居住面積水準
2人 30㎡ 55~75㎡
3人 40㎡ 75~100㎡
 4人 50㎡100~125㎡

●よくある間取の失敗!

注文住宅の間取りで失敗するのはどんなケースがあるのでしょうか。よくある失敗例とその対策について解説します。

◇収納が足りない

注文住宅以外でも収納に関する悩みはよく聞かれます。注文住宅では、収納の位置やサイズを自分で決めることができるので、事前に持ち物やライフスタイルを考え収納空間をプランニングできます。ただし、お子さまがまだ小さい場合や将来的に家族が増える可能性がある場合は、先々必要になる収納空間をあらかじめ用意しておく必要があります。

◇コンセントの数が不足

コンセントの数が不足していたり、必要な場所にコンセントがないという不満も、注文住宅によくある典型的な失敗例です。延長コードは見た目が悪く、邪魔になったり、劣化により火災が起きる危険もあるため、なるべく使わないで済ませたいものです。住まいのどの位置でどのくらいの数のコンセントが必要か、事前にしっかり確認して設置場所を決めるようにしましょう。

◇水回り・生活動線が使いにくい

たとえば、洗濯機の設置場所と洗濯干し場が遠ければ、移動に時間がかかり家事の効率が悪くなります。使いにくい動線は、毎日のことなので暮らしの質を大きく低下させてしまいます。間取りを考える時点で、家事の作業や日常生活の移動を具体的にイメージしておくことをおすすめします。

◇採光・通風が悪い

実際に暮らしてみたら日当たりが悪い、風通しが悪いという失敗談も少なくありません。

南向きに窓を作っても、周囲の影響などで想像していたより日差しが入らなかったということもあります。また通風が悪いと湿気が生じやすくカビやダニが発生する原因になる可能性があります。風の通り道を意識して、対面に窓を設けるなど配慮したいものです。日当たりについては、窓の位置や形状に気を付けるようにし、必要に応じて専門家に相談するとよいでしょう。

◇音や振動が気になる

外部の喧騒が気になる環境では、隣家や道路との距離を取って家を建てるか防音効果のある建材を使う対策を考えたいものです。また家の生活音を周囲に伝えないために、子ども部屋やピアノ室など音を出しそうな部屋は家の内側に配置するとよいでしょう。音や振動の問題は、気密性や耐震性など住宅性能を高めることで解決できることも多いので、ハウスメーカーや工務店に相談してください。

●間取りの注意ポイント

間取りを決める際の具体的なチェックポイントをご紹介します。

・採光や風通し

家族がくつろいで過ごすリビングなどは、採光性を高め快適で心地よい空間になるよう意識しましょう。一方で、トイレや納戸のような場所は、採光の優先順位は低くなります。また、風通しが良くなるように工夫することも大切です。一つの部屋に北と南、西と東のように、対面になるような窓を2つ以上配置すると換気効率が良いとされています。

・生活動線

家事動線や通勤動線、トイレやお風呂の動線などの生活動線を考慮して間取りをプランニングしてください。家族の意見を聞き、実際に生活しやすいかどうかを具体的にイメージして設計することがポイントです。

・家族構成の変化

現在の家族構成に合わせて間取りをつくると、将来家族の人数が増えて部屋が不足したり、子どもが独立して不要な部屋が出てきたりする可能性があります。5年後10年後など、将来の家族構成を考慮に入れて長く快適に過ごせる住まいの間取りをつくりあげてください。

・家電や家具、コンセントの配置

間取りづくりの段階から、家具や家電の配置をどこにするのかを具体的にイメージしておくことで使いやすい間取りになります。特にソファ、ベッドなどの大きな家具や冷蔵庫などの家電は、配置する場所をあらかじめ決めておくのがおすすめです。家具のレイアウトは、家を建ててから家具が入らなかったといったトラブルが起きないよう、しっかりと寸法を測っておくことがポイントで。また、コンセントなどの配線計画も事前に決めておきます。

・玄関と階段の配置

玄関の配置を考える際は、道路とどのようにつながっているのかを考慮し、道路から玄関までの動線も検討しましょう。ベビーカーを置いたり、ゴルフバッグやアウトドア用品などを置いたりするために、玄関を広めにしたり収納スペースを用意する間取りも人気です。階段の位置は、玄関まわりを決めた後に、他の部屋への動線なども考えて配置するとスムーズです。

・庭や駐車スペースなどの外構

間取りというと、家の中ことばかりを考えてしまいがちですが、家の外構について計画することも大切です。例えば、ガーデニングをする場合は、外に蛇口が必要になります。この際、水道管などの配管も必要になります。また、車を持っていなくても、家族が増えて車が必要になるケースもあります。駐車場について考慮しておきましょう。

イシンホームの間取り実例紹介

イシンホームで手掛けた注文住宅の中から人気の高い間取りタイプを紹介します。

快適生活動線タイプ

家中の動線を暮らしやすさの視点から練り直した間取りです。ウッドデッキや和室と結ばれるLDK、2階のワイドなバルコニーも魅力です。

●帰宅後、玄関から洗面室へ直行できる清潔動線

●玄関からLDKへつながる通常動線

●キッチンと水回りの行き来がラクな家事動線

●LDKと2階を結ぶリビング階段

●LDKからカーポートに出れるクルマ動線

こちらのプランはVRビジョンで間取りの体感が可能です。下のQRコードからアクセスしてください。

のびやか開放感タイプ

リビングに直結する大型ウッドデッキや2階主寝室のプライベートバルコニーなど暮らしの開放感を高めた間取りです。

●アウトドアリビングとして活躍する大型ウッドデッキ

●主寝室にはのびやかなプライベートバルコニーを付属

●玄関から靴のまま入れる広々シュークロークを設置

収納充実タイプ

玄関のシュークローク、キッチンのパントリー、LDKに隣接したファミリークロークなどなど暮らしの中で不足しがちな収納空間を多彩に充実した間取りです。

●玄関から靴のまま入れる広々シュークローク

●LDKに隣接してファミリークローク、フリースペースを用意

●キッチンの脇には食品のストックに便利なパントリーを設置

●主寝室には大型のWICをプラス、ワイドなバルコニーも設置

●まとめ

イシンホームでは注文住宅づくりの豊富な経験をもとに多彩な間取りの事例を蓄積しています。また間取りのイメージや生活動線を考える助けになるのが、モデルハウスの見学です。実際に建築されたお家を見て、自分たちのライフスタイルに合わせて考えてみると、アイデアやヒントが見つかるかもしれません。イシンホームでは各地にモデルハウスをご用意して、見学会や相談会を実施しています。ぜひ一度、イシンホームのモデルハウスにお気軽に来てみてくださいね。

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株式会社イシン住宅研究所(イシンホーム)

イシンホーム住宅研究会は家造りを天職とする日本全国約180店が参加する真面目な家づくり研究ネットワークです。常に未来を先取りする研究・開発型の企業です。蓄積したノウハウや研究実績を自社のためだけでなく、全国に提供し、喜ばれています。イシンホーム住宅研究会本部は商品開発チームを結成し独自で開発した販売・設計・施工のノウハウを加盟店に提供するとともに、優れた資材を一括購入することで購入にかかるコストを飛躍的に落とし、高品質・高性能な家をお客様に提供できる仕組みになっています。

本社(総合戦略本部)

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