注文住宅を予算内で建てる!メリハリ設計で満足度を上げてコストを抑えるコツ

注文住宅を建てる上で避けて通れないのが予算の問題。打ち合わせのたびに見積もりが増えていったり、あれもこれもと欲張りすぎてビックリするほど予算を超過してしまったり、予算をめぐる悩みは尽きません。

でも予算を守るためにあれもダメ、これもダメではせっかくの住まいづくりが夢のないものに。そこで今回は、注文住宅で予算が増えすぎる原因から、予算内で抑えるコツ、さらには予算をかけずに満足度を上げるポイントなど役立つ情報を大特集。

注文住宅を予算内で建てたい皆様を強力にバックアップします。

注文住宅づくりで予算がふくらむ原因

まずは予算が当初の想定より膨らんでいく原因を理解して、その原因を避けるような家づくりを心がけましょう。

・打ち合わせ中の“追加・変更”

なんとなく家づくりを進めると、コンセント追加、窓位置変更、造作家具の追加など、間取りや仕様の変更や追加が発生し、変更設計料+追加工事費が積み重なることになります。設計段階で家づくりの全体像をしっかりと把握し、契約前に間取りと仕様をしっかり確定することが大切です。

・追加工事・諸費用・付帯工事費の発生

よくあるケースとして、土地の取得の際に条件を深く検討せずに購入して、後から地盤改良や造成・擁壁・上下水道引き込みなど必要な工事の費用を確認して慌てることがあります。購入前に必ず地盤調査・インフラ状況を確認し、可能であれば不動産会社だけでなく、建築士にも土地を見てもらうと安心です。

・こだわりすぎ・詰め込みすぎ

一生に一度の夢のマイホームとあれもこれもと理想を追求しすぎると、設計プランが過剰になり予算がどんどんかさんでいきます。まずは家族でよく話し合って希望の優先順位を決めて、絶対必要なプランや仕様だけを採用するようにして、予算の数字を見て余裕があるようなら希望を追加していくような進め方にすると予算超過が起きにくくなります。

・設備・建材のグレードアップ

キッチン・床・サッシ・屋根などを標準仕様からグレードアップすると、その都度費用が積み上がります。なるべく標準仕様を守りながら、こだわっている部分や使用頻度の高い箇所(キッチン、お風呂など)にコストをかけるのがおすすめ。壁紙や照明などのデザイン重視の部分は後々、住み始めてから余裕がある時にでも変更可能です。

・外構・家具・カーテン費用などの見落とし

建物のことばかりに頭がいき、外構・照明・カーテンを後回しにして、最終的に費用を検討してびっくり!というケースもよくあります。契約前に外構・照明・家具の概算見積もりを取っておき、ある程度(100万円前後)の予備枠を予算に入れておくといいかもしれません。

注文住宅づくりを予算内で抑えるコツ

予算を超過しない住宅づくりのコツを整理しておきます。

・まず守るべき総予算を確定する

第一に、項目ごとの予算額をはっきりさせ予算の総額を明確にしておくことが大切です。土地+建物+諸費用+外構+家具家電を含めた総額を確認しましょう。予算の総額は自己資金と住宅ローン以内に抑える必要がありますが、その際住宅ローンは「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」で設定するのが大切です。

・優先順位を明確にする

家族で希望を話し合って「絶対に譲れない条件」と「我慢できる部分」を決めましょう。例えば、間取りや断熱性能、キッチンの仕様など基本の部分は優先順位を高くし、床材のグレードや、バルコニーの広さなどは我慢するといった感じです。

・仕様・設備のグレードアップは慎重に

オプションで「ハイグレード」な床材やパネル、設備を選んでいくとあっという間に数10万円〜100万円単位でコストが膨らみます。外観や内装は後からでもリフォーム可能なので、キッチンや浴室など長く使う部分を優先して費用をかけましょう。

・複数社で見積もり・プランを比較

同じ間取りでも工務店やハウスメーカーによっては100万円単位の差が出ることがあります。必ず複数社に見積もりをとりプランを比較しましょう。比べるポイントは、坪単価だけでなく「含まれている項目」、標準仕様の内容(断熱・窓・屋根などの性能)、アフターサービスや保証内容など、実質的な価値の部分を評価していくことが大切です。

・費用の見落としがないか確認する

建築費だけにとらわれていると、外構・家具・カーテンなど建築費に含まれない費用を見落とし、後から予算オーバーで慌てることになります。外構費用やカーテン・照明・家具の予算もしっかり見積もって計上しておいてください。

・補助金・減税制度を活用

住宅に関する国や自治体の補助金は条件を満たせば数十万円〜100万円以上の支援を受けられる場合があります。住宅会社に確認するなどして上手に活用しましょう。

2025年に実施されている主な補助金は、以下のとおりです。

◇ 子育てグリーン住宅支援事業

省エネ性能が高い新築住宅の取得などに補助金が受けられる制度です。脱炭素志向型のGX志向型住宅には最大で一戸当たり160万円の補助金があります。

◇給湯省エネ2025事業

ヒートポンプ給湯機(エコキュート)やハイブリッド給湯機、家庭用燃料電池(エネファーム)といった高効率給湯器を対象に、導入する際にかかった費用の一部を補助する制度。エコキュート1台あたり60,000円の補助金が付きます。

◇戸建住宅ZEH化等支援事業

住宅の省エネ性能によって戸建て住宅を新築する場合に利用できる補助金制度で、2025年度では、ZEH基準を満たす住宅には55万円、より高い性能のZEH+基準を満たす住宅には90万円が補助されます。

予算をかけずに満足度を上げる7つのポイント

住まいづくりは工夫次第で満足度を上げることができます。コストをかけずに満足度を上げることで、予算オーバーを防ぐポイントを7つに整理してみました。

①   “広く見せる”設計を意識する

伸びやかな開放感は暮らしの満足度をアップする要素の一つ。でも単純に面積を広げると建築費に跳ね返ります。そこで、実際の面積より “広く見せる”設計を採用してはいかがでしょうか。

例えば、吹き抜けや勾配天井で縦の空間を活かす設計もその一つ。また、床・壁・天井の色を統一して奥行き感を演出したり、隣室とつながる引き戸や開放的な間仕切りで視線を広げるのもおすすめです。

②   無駄なスペースを省く

廊下やデッドスペースを極力なくすことで建築面積を抑えるとコスト低減につながります。例えば、各部屋に小さな収納を分散させるより、ファミリークローゼットなど集中収納を設けた方がスペースを効率的に使え、使い勝手も向上します。片付けがスムーズだと、暮らしの満足度も上がります。

③   多目的に使える空間をつくる

例えばリビング横に設ける小上がりの和室は「客間+子どもの遊び場+昼寝スペース」と多目的に使えるので子育てファミリーを中心に人気を集めています。またキッチンの一角を「ワークスペース+家事コーナー」として使う間取りもおすすめ。空間を多目的に活用すると限られた面積でも生活の幅が広がり、満足度が高まります。

④   外構をシンプルに設計する

外構は後からDIYで追加しやすい部分なので、まずは最低限に仕上げて住み始めてから手を入れることで当初の予算を抑えられます。植栽や塀などを減らして必要最小限のプランを検討してください。アプローチや駐車場は土間コンクリート+砂利にするだけでもコストダウンが可能です。

庭や植栽は、DIYで自分の趣味や好みに合わせて仕上げていくことで、休日の楽しみも広がります。

⑤   設備は最新よりメンテしやすさを優先

設備機器は製品寿命がありますから「将来の入れ替え前提」で検討してください。最新の機能も数年で古くなります、リーズナブルでメンテナンスのしやすい選択を心がけるとコストを抑えられます。キッチン・浴室などは「交換しやすいサイズ」で設計しておくと将来のリフォームの際のコストも軽減できます。

⑥   家事動線を短くする

回遊動線で「洗う・干す・しまう」を最短距離で移動できる設計にすると、毎日のストレスが減少します。また、キッチンから洗面・脱衣室へもスムーズに移動できるので家事が効率的に行えます。

あまり広さが取れないコンパクトな家でも、動線設計を効率的に考えると“快適に暮らせる満足感”が広がります。

⑦   シンプルなデザインを心がける

凝った形状の屋根・外壁や凹凸のある形状の外観デザインは、施工が難しく工期も延びやすいためコストアップの原因になります。一方、四角いシルエットのシンプルなデザインの家は構造的にも安定している上、材料も効率的に使えるので施工費を抑えられます。空調効率もいいので冷暖房費が低減できるメリットもあります。

シンプルなデザインは長く飽きがこなく、愛着も深まり住まいの満足度が高まります。また、メンテしやすい家になるのもポイントです。

ただし、予算を削ってはいけないところも

住まいづくりの予算を見直して削る場合でも、以下に挙げるような将来のメンテナンス費や安全性・快適性に大きく関わる部分の予算はしっかりと確保しておくこと大切です。

・防犯性能

防犯性能は、後から強化しづらく、安心・安全・資産価値に直結する要素なので予算をしっかりとかけたい部分です。特に以下の予算は削らずに対策してください。

◇窓・サッシの防犯仕様

空き巣の侵入経路の約7割が「窓」から。防犯性の低いガラスやサッシだと、数十秒で侵入されるケースもあります。防犯ガラス・シャッターや、ピッキング対策に効果的なディンプルキーの採用を考えてください。

・収納

収納は、生活動線・将来の使いやすさ直結する重要な要素です。収納家具で対応できるケースもありますが、間取りに関わる収納空間は後付けしづらく、予算の削り方・かけ方のバランスが必要になってきます。

玄関収納や、キッチンの収納、クローゼットなど生活の質を左右する“機能的収納”は削らず、造作家具・造作棚、リビング収納など後で家具で代用できる部分は予算を考えて調整してください。

・断熱・気密性能

断熱・気密性能は、日々の快適さだけでなく光熱費のアップなど家計にも大きく影響する部分で、後から強化するためにはかなりの費用がかかるため、削ると後悔しやすい部分です。

断熱材や窓サッシの性能が低いと、夏の暑さ・冬の寒さだけでなく結露やカビの原因にもなります。また、気密性が低いと、冷暖房効果が低下し音漏れも起きやすくなり、光熱費アップやストレスにつながります。

・耐震構造に関わる部分

建物の耐震性は、地震時の安全性・将来の資産価値に大きく影響します。現在多くのハウスメーカーや工務店では耐震等級3の家づくりが標準的になりつつあります。耐震等級3は等級1の1.5倍の耐震性能があり、大地震でも倒壊せずに住み続けられる可能性が高く、保険料の割引もあります。

耐震構造は等級1と3を比較すると50万~100万円ほど価格差が生じてしまいますが、家族の生命、師団を守る保険と考えて「構造の信頼性」を優先するのがおすすめです。

・屋根・外壁の素材

価格の安い屋根や外壁の素材は、10年ごとに塗装・補修が必要になるなど長期的に見ると高コストになってしまいます。

例えばスレート屋根や窯業系サイディングは初期コストを抑えられるものの、10年程度で塗装が必要になり、耐用年数も約30年ほど。

一方、初期コストは高くなりますが、ガルバリウム鋼板やタイル外壁のような耐久性の高い素材を選べば、メンテナンスが必要となるまでの期間が長く、耐用年数も30年~50年。トータルのコストでは断然低くなります。

FAQ

Q. 標準仕様とオプションの違いは

A. 標準仕様とは、住宅メーカーが事前に設定した基本となる設備や素材のことです。対して、オプションとは基本仕様よりグレードの高い設備や素材を追加費用を負担して変更することです。

標準仕様は品質とコストのバランスを考えて設定された仕様で、いくつか選択肢が用意されていることもありますが、基本的にはどの選択肢を選んでも追加費用はかかりません。

Q. 住み始めてから工事してもいいところは

A. 駐車場やフエンスなどの外構や植栽やウッドデッキなどの庭まわりは、後から手を入れてもいい部分です。住んでみないと、日当たりや外からの視線、実際の使い方が分かりにくい部分でもあり、建築時には最低限必要な部分だけで済ませておいて、住み始めてからDIYで仕上げてもOKです。

その他、照明・カーテン・インテリア・収納まわりなども、入居時は“必要最低限”にとどめ、間接照明の追加、アクセントクロスや塗装の変更、壁面収納や飾り棚の設置など、実際に暮らし始めてから仕上げていくことも可能です。

まとめ

注文住宅づくりの予算管理は、一筋縄では行かない大仕事。イシンホームでは長年の経験をもとに、予算内で無理なく建てる注文住宅づくりを親身にお手伝いしています。もし、注文住宅の見積もりや予算管理のお悩みや疑問がございましたら、お気軽にイシンホームまでお問い合わせください。コストをかけずに満足度の高い注文住宅づくりをしっかりとサポートいたします。

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本社(総合戦略本部)

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