
玄関がいつも散らかっていて、シューズクロークが欲しい。でも、実例を見ても、話題のウォークスルーにすべきなのか決められない――そんな方も多いのではないでしょうか。シューズクロークのタイプは、流行や見た目ではなく、暮らし方から決まります。ポイントは、「室内に持ち込みたくないモノがどれだけあるか」「家族用と来客用の動線を分けたいか」。この記事では、その2つの質問をもとに、自宅に合うタイプの見つけ方を紹介します。
目次
1.まず知りたい|シューズクローク4タイプと広さの目安

まずは4タイプそれぞれの特徴と、必要な広さの目安を確認しましょう。
シューズクロークには4つのタイプがある
シューズクロークとは、玄関の近くに設ける収納スペースのことです。靴だけでなく、ベビーカーやアウトドア用品、子どもの外遊び道具もまとめて収納できる場所。間取りや使い方によって、次の4タイプに分かれます。
オープン棚型
玄関の壁面などに棚を設け、扉を付けずに収納するタイプです。靴をひと目で確認でき、出し入れしやすいのが特徴。独立した収納をつくらないため玄関の面積を圧迫しにくい一方、モノが見えやすく生活感が出やすい点には注意が必要です。
クローク型(扉付き)
玄関脇に収納スペースを設け、扉で隠すタイプです。来客時に扉を閉めれば、靴や外用品が目に入りません。玄関をすっきり見せたい家庭向きですが、扉を開閉するスペースは確保しておきましょう。
ウォークイン型
人が中に入ってモノを出し入れできるタイプです。出入り口は1カ所で、収納した後は同じ場所から玄関へ戻ります。収納量を確保しやすく、大型のアウトドア用品やベビーカーを置きたい家庭に向いた形です。
ウォークスルー型
玄関側と室内側の2方向に出入り口を設け、収納スペースを通り抜けられるタイプです。帰宅後、靴やコート、荷物を片づけながら室内へ移動できるため、玄関を整えやすくなるのが利点です。ただし通路部分が必要になる分、同じ広さのウォークイン型より収納量は少なくなります。
このように、タイプごとの大きな違いは、出入り口が1カ所か2カ所か、つまり「通り抜ける動線があるかどうか」です。
タイプ別・必要な広さの早見表
広さは収納するモノの量や棚の奥行き、通路幅によって変わります。一般的な目安は次の通りです。
| タイプ | 必要畳数の目安 | 収納量の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| オープン棚型 | 0.5~1畳程度 | 少なめ | 省スペースで出し入れしやすい。収納物が見えやすい |
| クローク型 (扉付き) | 0.5~1.5畳程度 | 少~中程度 | 扉を閉めれば玄関をすっきり見せられる |
| ウォークイン型 | 1~2畳程度 | 中~多め | 大型品を収納しやすく、収納量を確保しやすい |
| ウォークスルー型 | 1.5~2畳程度 | 中~多め | 収納しながら室内へ移動できる。通路分の面積が必要 |
※畳数は目安です。同じ広さでも、棚の配置や出入り口の位置によって収納量は異なります。
早見表だけでは選べない理由
広さの目安だけでは、自宅に合うタイプまでは判断できません。決め手になるのは「何を収納するのか」と「家族用と来客用の動線を分けたいか」の2つです。順番に整理していきましょう。
2.靴だけじゃない「室内に持ち込みたくないモノ」を書きだす
必要な広さを考える第一歩は、靴以外も含めて収納したいモノをすべて把握することです。
ワークシートもぜひ活用してみてください。
「靴の収納」と考えると広さを見誤る
シューズクロークという名前から、家族の靴の数を基準に広さを考える方も多いでしょう。しかし、実際に玄関で置き場所に困るのは、靴だけではありません。
子どもが小さい時期にはベビーカーや三輪車が増え、成長すれば部活動の道具や自転車用品に入れ替わるでしょう。アウトドアが趣味なら、テントやクーラーボックスなども置き場所が要ります。こうした「外で使い、できれば室内に持ち込みたくないモノ」まで数えなければ、完成後に収納が足りなくなるかもしれません。
外で使うモノを全部書き出す
現在持っているモノに加え、今後増えそうなモノも書き出しましょう。

● 靴・雨具:家族の靴、長靴、傘、レインコート
● 上着類:コート、アウター、作業着
● ベビー用品:ベビーカー、三輪車、外遊び道具
● 部活・スポーツ用品:ボール、ラケット、バット
● アウトドア用品:テント、椅子、クーラーボックス
● その他:脚立、DIY工具、飲料ケース、防災備蓄、自転車、ゴルフバッグ
棚に載るもの/床置きが必要なものに仕分ける
書き出したモノを、次の2種類に分けます。
A:棚に載るもの
靴、ヘルメット、ボール、工具、ペット用品など、手で持ち上げて棚に収納できるものです。これが多い家庭で必要なのは、床面積より棚の幅や段数。棚板の高さを変えられる可動棚にすると、モノの変化に対応しやすくなります。
B:床置きが必要なもの
ベビーカー、自転車、ゴルフバッグ、テントなど、大型または重量のあるものです。こちらは棚を増やしても収納できません。モノを置いた状態で人が出入りできるだけの床面積が要ります。
ここで整理した「モノ量」が、次のタイプ診断の縦軸です。
3.ウォークスルーは必要?2つの質問で自分のタイプが分かる

次に、動線を分けたいかを整理してみましょう。
「家族用と来客用の動線を分けたいか」を考える
ウォークスルー型を選ぶかどうかは、収納量だけでなく、帰宅後に家族がどのように動くかで決まります。次の3点を確認してみてください。
帰宅時の手荷物は多いか
買い物袋や仕事用バッグ、保育園の荷物などを抱えて帰ることが多いなら、収納を通って室内へ入る動線は便利です。反対に、玄関で靴を脱いで荷物ごとリビングへ向かう習慣なら、つくっても使わないかもしれません。
来客の頻度は高いか
来客が多く、玄関をいつも整えておきたい家庭では、入口を分ける間取りが役立ちます。来客が少なく、靴が多少出ていても気にならないなら、動線を分けるメリットは小さいかもしれません。
家族と来客が顔を合わせる場面があるか
子どもの友だちの出入りが多い家庭なら、入口を分けると気を使う場面を減らせます。そうした場面が少ないなら、あえて分ける理由は弱くなるでしょう。
2つの質問で自分のタイプを見つける
次の2つの質問に答えて、自宅に合うタイプを確認してみてください。
質問1:室内に持ち込みたくないモノは多いですか?
質問2:家族用と来客用の動線を分けたいですか?
| 動線を分ける必要はない | 動線を分けたい | |
|---|---|---|
| モノ量が少ない | オープン棚型 またはクローク型 | コンパクトな ウォークスルー型 |
| モノ量が多い | ウォークイン型 | ウォークスルー型 |

モノ量が少なく動線も分けないなら、出し入れのしやすさを優先してオープン棚型、収納物を見せたくないならクローク型です。モノ量が多く動線を分けないなら、ウォークイン型。出入り口が1カ所で済む分、壁面を収納に使いやすくなります。
迷いやすいのは、モノ量が少ないのに動線を分けたいケースです。動線を分けるためだけに通路を設ける必要があるか、慎重に考えてみてください。
モノ量が多く動線も分けたいなら、ウォークスルー型がおすすめです。通路を確保する分、収納できる壁面は少なくなるため、置きたいモノが収まるかを図面上で確認しておくと安心でしょう。
ウォークスルーにすると「メイン玄関が使われなくなる」問題
動線を分けたものの、家族が毎日メイン玄関から出入りし、ウォークスルー側を使わなくなるケースがあります。
反対に、家族全員がウォークスルー側を使うようになり、来客用のメイン玄関がほとんど使われなくなることも。玄関側に広さを取っていた場合、その面積がもったいなく感じられるかもしれません。
ウォークスルーが必要かどうかを判断するときは、次の点を確認しましょう。
● 家族用入口からリビングまで遠回りにならないか
● 荷物を持ったまま無理なく通れるか
● 朝の時間帯に家族同士が重ならないか
● 子どもも自然に使える動線か
● 来客用玄関を分けるほど来客が多いか
動線を分けたいという理由だけで、ウォークスルー型が正解になるわけではありません。実際の帰宅パターンを、図面上でたどってみることが大切です。
4.広さ別・間取り実例(1畳/1.5畳/2畳)

必要な広さが見えてきたら、畳数ごとの配置を具体的に見ていきましょう。
1畳・1.5畳・2畳、それぞれの置き方
シューズクロークの使いやすさは、畳数だけでなく、棚と通路の配置で変わります。
1畳のシューズクローク
片側の壁面に棚を設け、反対側を通路や床置きスペースとして使う配置が基本です。
1.5畳のシューズクローク
棚収納と床置きスペースを分けやすく、間取りによってはウォークスルー型も検討できます。実際に使える棚幅がどれだけ残るか、図面で確認しておきましょう。
2畳のシューズクローク
大型品を複数収納したり、コート掛けを設けたりしやすくなります。ただし玄関収納に2畳を使う分、リビングや洗面室などが狭くなる点には注意が必要です。
扉・ロールスクリーン・オープンの選び方
収納スペースの入口は、主に「扉」「ロールスクリーン」「オープン」の3つから選べます。
| 目隠し方法 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 扉 | 収納物や生活感をしっかり隠せる | 開閉スペースが必要。出し入れが面倒になる場合がある |
| ロールスクリーン | 必要なときだけ目隠しでき、省スペース | 床付近に隙間ができやすく、臭いを完全には遮りにくい |
| オープン | 出入りしやすく、片づけの負担が少ない | 玄関側から中が見えやすい |
すれ違える幅は何cm必要か
人が1人で通るだけなら、通路幅は60cm程度が一つの目安です。ただしコートを着て荷物を持つと窮屈に感じることがあり、ゆとりを持たせるなら75~90cm程度、家族がすれ違ったり、ベビーカーを動かしたりするなら、さらに余裕が要ります。
注意したいのは、図面上の部屋幅だけではなく、棚を付けた後に残る「有効幅」で考えることです。
5.つくる前に知っておきたい|後悔しやすい4つのポイント
使い始めてから後悔しないために、設計段階で確認したい4つのポイントを紹介します。
①臭い・湿気への備え
シューズクロークには、雨でぬれた靴やレインコート、土の付いた道具が集まります。換気が不十分だと臭いや湿気がこもりやすいため、窓や換気設備の必要性、空気が流れる配置などを設計段階で確認しておきましょう。
②扉が「開かずの収納」を生むことがある
扉を付けても、毎回の開閉が面倒になって使わなくなることがあります。その結果、クロークの前に靴や荷物が置かれては本末転倒です。
③収納するモノは10年単位で入れ替わる
家族の成長に伴い、置くモノは変わっていくもの。子どもが小さい間はベビーカーや三輪車が必要でも、成長後は部活動やスポーツの道具に入れ替わり、独立後には大きな床置きスペースを使わなくなる可能性もあります。
④「作らない」も選択肢
モノ量が少なく、動線を分ける必要もないなら、独立したシューズクロークをつくらない方法もあります。大きめの下駄箱や玄関収納を設け、ベビーカーのために土間を少し広げるだけで十分な家庭もあるでしょう。
6.よくある質問
間取りを考える際によくある疑問にお答えします。
Q1.シューズクロークの広さの目安を教えてください
靴や雨具が中心なら0.5~1畳程度、ベビーカーなどの床置き品も入れるなら1~1.5畳程度、
アウトドア用品が多い家庭やウォークスルー型なら1.5~2畳程度が目安です。ただし必要な広さは、モノの量や棚の配置で変わります。畳数を決める前に、収納したいモノの寸法と数量を確認しましょう。
Q2.シューズクロークに扉を付けた方がよいですか
玄関から収納物が見える場合や、生活感を隠したい場合は扉が役立ちます。一方で扉の開閉が片づけの負担になることもあるため、玄関から内部が見えにくい配置にする、ロールスクリーンで必要なときだけ隠す、といった方法も検討してみてください。
Q3.臭い対策はどうすればよいでしょうか
換気しやすい間取りにすることが基本です。ぬれた靴や道具を一時的に置ける土間をつくる、風の通り道を確保するなど、間取りの段階でできる工夫もあります。窓や換気設備の必要性について、設計担当者に相談しましょう。
Q4.シューズクロークは後から設置できますか
玄関や隣接する部屋に十分なスペースがあれば、リフォームで設置できる場合があります。
ただし壁の移動や建具、照明、換気設備などの工事が必要になるケースも少なくありません。新築時なら室内への動線や収納量まで含めて計画できるので、間取りの打ち合わせ段階で検討しておくとよいでしょう。
7.シューズクロークを採用したお客様の声
イシンホームの実例を見てみましょう。
自転車も置ける大きなシューズクローク
埼玉県H様邸では、自転車も置ける大きなシューズクロークを採用。室内に持ち込みにくい大型品の収納場所を、玄関近くに確保しています。
https://ishinhome.co.jp/voice/detail.php?id=828&utm_source=chatgpt.com
靴からコート、趣味の道具までまとめて収納
埼玉県I様邸では、玄関横に大容量のシューズクロークを設けました。靴だけでなくコートやスポーツ用品、親子の趣味の道具なども収納できます。玄関でコートを脱いでそのまま片づけられるため、室内への置きっぱなしを防ぎやすい間取りです。
https://ishinhome.co.jp/shop/saitama_misato/complete/detail.php?did=1384&utm_source=chatgpt.com
ベビーカーを収納できるウォークスルー型
沖縄県N様邸では、ウォークスルータイプを採用。靴のほか、傘やベビーカー、衣類も収納できます。玄関で必要なモノを片づけ、そのまま室内へ入れるため、帰宅後の動きがスムーズです。
https://ishinhome.co.jp/shop/okinawa/complete/detail.php?did=2787&utm_source=chatgpt.com
まとめ
シューズクロークのタイプは、見た目や流行で選ぶものではありません。決め手は「室内に持ち込みたくないモノの量」と「家族用と来客用の動線を分けたいか」の2つです。まずは外で使うモノを書き出し、棚に載るモノと床置きが必要なモノに分けてみてください。モノが少なく、動線も分けないなら、つくらない選択もあります。
大切なのは、家族が無理なく片づけを続けられる玄関まわりをつくること。イシンホームでは、暮らし方に合わせた玄関まわりの間取りをご提案しています。どのタイプが合うか迷ったら、お気軽にご相談ください。

