リビング階段のメリットやデメリット、デザインなどを紹介

最近の新築に人気のリビング階段。ネット上ではおしゃれな事例が多数紹介されており、「ぜひわが家にも取り入れたい」と考えている人は多いのではないでしょうか。実際に取り入れると、家全体が明るくなるうえに、家族間のコミュニケーションも増えるといわれています。そこで今回は、リビング階段のメリットやデメリットを解説。当社のデザイン事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

●リビング階段とは?

リビング階段とは、リビング内に設置する階段のことで、「リビングイン階段」ともいわれます。

リビング階段を取り入れた間取りは、上層階との間につながりを生み、リビングの雰囲気を家全体で共有できるので住まいを明るくし、開放感を演出できます。家族の集まるリビングが中心となる動線も大きな特徴です。

●リビング階段のメリット

新築にリビング階段を取り入れた間取りは、暮らす中でどのようなメリットがあるのでしょうか。

吹き抜けとの相性が良い

リビング階段は吹き抜けとの相性が良く、組み合わせることで、魅力ある空間を作ることができます。吹き抜けとは、下階と上階の間の天井をなくし、大きな空間を作る間取りのこと。吹き抜けのあるリビングは、天井が高く開放的な雰囲気ですが、そこにリビング階段を設置することで、空間に高さと奥行きが生まれ、より広々とした印象になります。

また、吹き抜けを勾配天井にすると、さらに空間を広く見せることも可能。狭いリビングでも、おしゃれに見せたり、奥行きを持たせたりできるのでおすすめですよ。ちなみに、吹き抜けの高い位置に窓を設ければ、リビングで上部からの自然光や風を感じることができるのも魅力です。

家族で顔を合わせる機会が増えるため、家庭内のコミュニケーションが増える

リビング階段がある間取りでは、上階に移動する際に必ず階段を使うことから、家族で顔を合わせる機会が自然と多くなります。家族間のコミュニケーションが増えるので、特に子どもがいる家庭におすすめです。

子どもは、学校から帰って自分の部屋に行く時やお風呂に入る時など、家族が過ごすリビングを通過する必要があります。両親と話したがらないことが多い思春期でも、子どもの様子や行動を把握しやすいでしょう。

リビングの雰囲気を上階にも届けられるため、住まいに一体感が広がる

リビング階段を取り入れた間取りでは、上階にいながらリビングにいる家族の気配を感じることができます。家族がくつろいでいる雰囲気やにぎやかな様子をプライベートな個室にいながら共有できるので、住まいに一体感が広がるでしょう。

●リビング階段のデメリット

リビング階段は、大きなメリットがある一方、デメリットが指摘されることがあります。その解消法も紹介しますので、参考にしてみてください。

音や匂いが伝わりやすい

リビング階段を取り入れた間取りでは、上階に音や匂いが伝わりやすいというデメリットがあります。子どもが小さい時は問題になりにくいものの、中高生などは自室で勉強する際、テレビの音や家族の話し声が気になるかもしれません。

もし心配であれば、家づくりの際にキッチンを階段から離れたところに設けるか、扉で仕切るといいでしょう。

プライバシーの確保が難しい

リビング階段は、家族のコミュニケーションの機会が増える反面、プライバシーの確保が難しいともいえる間取りです。例えば、一人になりたい時にも顔を合わせなくてはいけないし、来客の際にもリビングを避けることができません。こうした点も踏まえて、リビング階段をつくるか検討することが大切といえます。

●リビング階段のある家は寒い? 解消法を押さえておこう


リビング階段を設置した間取りは空間が広く、冷え込みやすいといわれています。その原因
と対策を解説します。

リビング階段のある家が寒い理由


主な原因としては、「気密性の低さ」と「コールドドラフト現象」が考えられます。

・気密性が低いから


リビングと階段がつながっていて、1階と2階を隔てるものがないリビング階段は、いわばドアを開けたままでエアコンをつけている状態。気密性が低く、せっかく暖めた空気が階段から漏れてしまうため、どうしても冷暖房の効率は悪くなってしまいます。

・コールドドラフト現象が起こってしまうから


冷たい空気が下に、暖かい空気は上に集まるコールドドラフト現象。リビング階段を採用すると、暖房で暖められたリビングの空気が階段を通って2階へと逃げてしまう一方、2階の冷たい空気がリビングへと降りてきてしまうため、リビングが寒くなってしまいます。

解消法を押さえておこう


おしゃれなリビング階段を採用しながら、寒さの問題を解決して日々を快適に過ごすためにはどのようにすればいいのでしょうか?いくつかの代表的な方法を紹介します。

・断熱性能や気密性能が高い家づくりを検討する


家づくりの際には、高断熱・高気密住宅を選びましょう。断熱材は、外気温の影響を受けることなく室温を一定に保ちます。多くの種類があるため、それぞれの特徴を知って、自分たちに合ったものを選びましょう。また、玄関とリビングの間にドアを設ける、リビング階段にドアを設置するといった間取りの工夫で、気密性を高めることも有効です。

・窓の断熱性能を高める


窓は、住宅の構造の中で特に熱が出入りしやすい場所。「Low-Eペアガラス」を採用したり、「断熱樹脂サッシ」などを取り付けたりすることで、断熱性能が高まります。断熱・気密の補強改修は手間や費用がかかるため、新築の設計段階で十分に計画しておくといいでしょう。

・天井にシーリングファンを設ける


天井にシーリングファンを取り付けると効果的。上に集まった暖かい空気とリビングの冷たい空気が循環し、寒さを緩和させることができます。ただ、シーリングファンにはほこりがたまりやすいため、あらかじめお手入れに関する対策も考えておく必要があります。

・カーテンやロールスクリーンを設ける


階段の登り口にカーテンやロールスクリーンを取り付けると、1階と2階の空間を分けて、熱効率を高めることができます。断熱・遮熱効果が期待できる布地もあり、壁の色と同色のものを選べば、圧迫感もなくおしゃれに仕上がるでしょう。もちろん開けておくこともできるので、リビング階段ならではの開放感も楽しめます。

特にロールスクリーンは、巻き上げたときのシルエットがすっきりとしていて、階段部分を広く使うことが可能です。ただし、壁に下地が必要になるケースもあるため、家づくりの段階で設置場所や方法を検討しておく必要があります。

●家づくりの際に検討しておきたいポイント

リビング階段を取り入れるなら、あらかじめ検討しておきたいポイントがいくつかあります。

階段下の収納について検討する

リビング階段の下に収納スペースを設けることで、無駄になりがちなスペースを有効活用できます。例えばペットのゲージの置き場にしたり、ワークスペースにしたりすることができます。ライフスタイルに合わせて検討しておきましょう。

位置について検討する

リビング階段の位置はとても大切なポイントです。どこに配置すると動線がスムーズかしっかりとシミュレーションしておくようにします。基本的には、リビングの端に配置すること。また、玄関からリビング階段までは、短くシンプルな動線になるよう心掛けましょう。

●リビング階段の種類やデザインはどのように選ぶ?


住まいの印象を決める重要なポイントにもなるリビング階段。デザインや素材、手すりなどの組み合わせによって、さまざまな雰囲気を楽しむことができます。それぞれの特徴や好み、そして家全体のデザインに加えて、安全性なども考えたうえで決めるようにしましょう。

リビング階段の種類
 


・側桁(がわげた)階段


最も一般的な構造の階段。踏み板を両側の側桁と呼ばれる斜めの板で挟むことによって固
定しています。

・シースルー階段


階段の骨組みと踏み板のみで作られている階段。踏み板同士をつなぎ合わせる蹴込み板がないため開放的で、スケルトン階段、オープン階段などとも呼ばれています。

・力桁(ちからげた)階段


一本の太い側桁で、踏み板の真ん中を支える構造の階段。側桁幅が太くてインパクトがあるほか、光や風を通しやすいところが特徴です。

・片持ち階段


踏み板の片方だけを壁に突き刺した階段。壁に強度が必要にはなるものの、すっきりと軽やかな印象にしたい方におすすめです。

・吊り階段


踏み板を上部からワイヤーなどで吊って支える階段。シースルー階段の一種で、踏み板の片側だけを吊り、もう一方は壁に固定されているタイプが一般的です。光や風を通しやすく、開放的な空間に仕上がります。

・らせん階段


柱を中心に踏み板がらせん状に配置されている階段。柱ですべての踏み板を支えるため、強度のある鉄骨製が多く見られます。踊り場を設ける必要がないため、狭いスペースにも設置が可能です。

リビング階段の素材


さまざまなデザインのあるリビング階段は、踏み板などの素材によっても印象は大きく変わります。

・木


一般住宅で最もよく採用されている素材。踏み板や蹴込み板などに同じ建材を用いることで、統一感を持たせることができます。一方、金属などと組み合わせると、スタイリッシュな雰囲気に仕上げることも可能です。

・金属


冷たい質感とカラーで、モダンな空間を演出してくれます。寒い時期はステップが冷たくなりますが、ステップだけを木製にするといった工夫によって、デメリットを軽減することが可能です。スチール、アルミ、ステンレスが代表的です。

・石


ホテルのような高級感を演出してくれるため、広いリビングでの導入にぴったりです。ただ、オーダーメイドになることが多く高額になりやすいため、予算に余裕が必要でしょう。

・ガラス


光を通すため、開放的な雰囲気を演出。らせん階段や片持ち階段との相性が良く、モダンなリビングにおすすめ。特殊なプラスチック膜を用いて貼り合わせたガラスには、割れてヒビが入っても割れることはないため、安全性を確保できます。

●【実例紹介】イシンホームで、明るいリビング階段をつくろう

イシンホームで新築にリビング階段を取り入れた方の実例を紹介します。

シンプルな動線を重視したスタイル

玄関からLDKを通って、リビング階段で2階へ。階下には収納スペースもあり、シンプルな動線が日々の暮らしやすさにつながっています。2階にいながらリビングの雰囲気を感じられる、家族に優しい住まいです。

階段下に収納を設けたスタイル

LDKの床や家具、作り付けカウンターと統一感を持たせたリビング階段。開放感があってスタイリッシュな雰囲気です。階段下には収納スペースをたっぷりと確保し、暮らしやすい間取りになっています。

デザインを重視したスタイル

和モダンで統一されたお宅なので、リビング階段の素材は無垢をチョイス。スケルトン仕様にしてモダンな要素をプラスしました。配置を中庭に面した掃き出し窓の横にすることで、階段の昇降時には視界に緑が入ります。また、階段の最下段は、少し長い無垢の木を使用しているのもおしゃれです。

●FAQ


最後に、お客様からよくいただくご質問に回答させていただきます。

カーテンを設置するには、家づくりの段階で準備は必要?


設置したいカーテンのタイプによって、準備の有無は異なります。例えば、レールを取り付ける必要があるタイプのカーテンを選ぶ場合、天井に下地を設置する必要があります。ただ、突っ張り棒を使用して設置するカーテンや、床にレールを貼り付けるだけで設置できるプリーツスクリーンなどの場合、家づくりの段階で準備するものは不要と言えるでしょう。

寒さ対策を徹底したい場合、何をすれば良い?


床暖房の設置をおすすめします。火を使わないため安全性が高く、お子さんがいる家庭でも安心して導入できるでしょう。床暖房には「電気式」と「温水式」の2種類があり、それぞれにメリットやデメリットが存在します。詳しい内容は以下のコラムで解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

●まとめ

リビング階段のメリットやデメリット、家づくりの際に検討したいポイントを紹介しました。しっかりと検討したうえで家づくりを行うと、デメリットをカバーしたリビング階段をつくることが可能。もし分からないことがあれば、ぜひイシンホームにご相談ください。

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