すっかり定着した注文住宅の平屋人気。30坪台で理想の平屋を建てるポイントは?

平屋人気が定着する中で、注文住宅でもっともニーズが高いのが30坪台の平屋。これは3~4人家族に適したファミリー向けの広さがちょうどその面積ゾーンと重なるため。そこで今回は人気の高い30坪台の平屋を大特集!30坪台の平屋にオススメのプランから失敗しやすい間取りのポイントやその解決策。費用の目安などなど、30坪台の平屋づくりに役立つ情報をまとめて紹介します。

●平屋の魅力と特徴

階段の上り下りのない平屋は、ワンフロアで完結する効率の良いライフスタイルに加え、高齢者にとって暮らしやすくバリアフリー化しやすいメリットもあって人気が高まっています。これから注文住宅をお考えの方の中にも、2階建がいいか平屋がいいか決めかねている方も多いと思います。そこでまず平屋の魅力を整理してご紹介します。

・ワンフロアで暮らしが完結

階段の上り下りのない平屋は、生活のすべてがワンフロアで完結します。当然、生活動線が短く家事を効率よくこなせます。また階段がないことで、階段下のデッドスペースがなくなり、横の方向に広がりをつくることもでき、開放感を生み出せます。

・家族が自然に交流できる

ワンフロアで暮らす平屋は、家族が互いの気配を感じやすく、コミュニケーションが取りやすいのもメリットです。みんなが同じ階にいるため、自然と家族が集まるようになることに加え、ほかの部屋にいる家族の気配も感じやすく、家族の距離が近づきます。

・地震に強く安定

地震などの災害に比較的強いのも平屋のメリットです。また重心が低い平屋は、大きな揺れでも安定性を保ちやすく2・3階建てより平屋のほうが耐震性は高くなります。また強風でも倒れにいため、台風の通り道となっている沖縄では、昔から平屋が多くみられます

・全世代に優しい

高齢になると足腰が弱くなり、階段の上り折りが負担になるだけでなく転倒やケガのリスクも高くなります。また、お子様が歩けるようになると、階段での転倒が不安です。2階がない平屋は、バリアフリー化もスムーズで全世代に優しい住まいと言えます。

・メンテナンスの費用が割安

平屋はメンテナンスの費用が安くなるメリットもあります。屋根や外壁のメンテナンスでは、2階建てでは足場の設置が必要ですが、平屋では不要になりコストが抑えられます。また、2階部分を支える必要がない平屋は、壁を取り払うようなリフォームでも耐震補強が発生しにくいため、自由度が高く、費用も安くなる傾向あります。

●平屋に広さと間取り

30坪の平屋の広さは、およそ100㎡。3人家族はもちろん、4人家族でも余裕を持った間取りが検討できる広さですが、注意しておきたい点もあります。ここでは30坪の平屋を建てる際に最初に検討するポイントを整理しておきます。

・土地の広さと建ぺい率に注意

平屋を建てる場合は、2階建ての家を建てる場合よりも、広い敷地が必要になります。例えば建ぺい率50%の土地の場合、床面積30坪の平屋を建てるには、最低60坪の土地の広さが必要になりますが、2階建ての場合は土地の面積が最低30坪あればいい計算になります。建ぺい率は土地により、30%~60%と幅がありますから、平屋の場合は特にその土地の建ぺい率をしっかり把握しておく必要があります。

・土地の日当たりや採光の確保は

またその土地が平屋を建てるのに適した環境かどうかというのもしっかり吟味しなければなりません。平屋は、周囲を建物に囲まれてしまうような土地では日当たりや採光の確保が難しくなります。2階建ての家やマンションが密集しているような場所では、平屋の建築は難しいのである程度開けた土地を探す必要があります。

・家族構成ごとの広さの目安

国土交通省の「住生活基本計画における居住面積水準」では、快適な暮らしを送るために必要な住宅の面積を家族の構成別に以下の基準で示しています。

■世帯人数別・居住面積水準

世帯人数最低居住面積水準誘導居住面積水準
2人30㎡55~75㎡
3人40㎡75~100㎡
4人50㎡100~125㎡

・30坪台は3・4人家族に最適

30坪の広さは、およそ100㎡ですから上に示した基準に照らし合わせると、30坪台の平屋は3・4人家族でもゆとりある広さが確保されています。ある程度余裕を持って3LDK~4LDKの間取りがつくれ、収納スペースやプラスαの空間もプランニングできます。

30坪の平屋を建てる費用

注文住宅の建築費の坪単価は大手ハウスメーカーで約100万円~120万円、地域の工務店で約60万円~80万円が目安です。ですから30坪の平屋の相場は、約1,800万円~3,000万円前後が相場です。もちろん、仕様、グレードなどにより金額は変わります。また最近は人件費のアップや資材の値上げなどにより建築費がどんどん上昇しており相場感も大きく変化する可能性もあります。

30坪の平屋:オススメのプラン例

30坪の平屋でオススメのプランとその理由を具体的に紹介します。

・ゆったり3LDK

30坪の広さは、4人家族でゆとりを持って暮らせる広さです。もちろん30坪の広さがあれば、主寝室に子ども部屋3室を加えた5人家族用の4LDKも可能になりますが、その場合はゆとりのないプランになります。ゆとりある居住空間をつくりたい場合は30坪で3LDKが目安と考えておきましょう。広いリビングや個室をプランニングするなど空間に余裕をもたせたり、収納空間やワークスペースなど暮らしに合わせたプラスαのプランが実現できます。

・のびやか光窓

平屋は上層階がないため、屋根面に取り付ける天窓(トップライト)や、吹き抜けを設けて高窓を設置することも比較的自由です。北側リビングでも南側の高窓から光を取り入れることも可能です。平屋でも吹き抜け付きリビングの高窓と、足元の地窓や腰高の窓で自然対流の効果も期待でき、風通しの良いリビング空間をプランニングすることも可能です。

・広がりの中庭

中庭自体は床面積に含まれませんが、中庭をつくる場合は一般的に廊下部分の面積が必要になります。25坪の平屋で中庭をつくる場合は、廊下部分に面積を取られることが多いので、リビングや個室部分を切り詰める必要が出てきますが、30坪の平屋であれば中庭のプランニングもしやすくなります。

中庭以外にも、ウッドデッキや縁側などの屋外空間のプランニングも30坪の平屋であればスムーズです。これらのスペースは屋根や軒がなければ延べ床面積に含まれませんが、1m以上の軒などがある場合は床面積に含まれます。30坪の平屋であれば、面積に余裕があるので、軒の深い縁側などをつくることも可能になります。

・たっぷり収納

床面積に余裕のない平屋の場合、収納スペースの確保が難しくなることが多いですが、30坪の広さがあれば十分な収納を確保することが可能です。例えばキッチンには必要なものを収納できるパントリーや、寝室の広いウォークインクローゼット、玄関のシューズクロークなど収納空間を充実できます。

・ベンリ動線

30坪の平屋の場合は、必要に応じて廊下も確保できるので、プライベートな動線とパブリックな動線を分けてプランニングすることも可能です。例えば、玄関からリビングへの動線のほかに、各個室にへの動線を設けておくと、来客があった場合もプライベート空間を見せずにすみます。また家事に便利な水回りの回遊動線や帰宅時に直接洗面所に行ける動線などもスムーズに計画できます。

・プラスαのロフト

平屋の場合は天井高が自由に設定できるので、プラスαの空間としてロフトをつくるケースも少なくありません。ロフトをつくることで、上下空間の広がりを感じることもできるので、リビングとつながるロフトをつくるプランが人気です。

収納空間としてロフトの活用を考えている場合は、物の出し入れが難しい場所であるため、収納するものや使いやすさを考慮してプランニングすることがポイントです。

30坪の平屋づくり:よくある失敗と解決策

平屋でよく聞く間取りの失敗例とその対策を簡単に紹介します。

・屋根と外壁とのバランスが悪い

平屋は屋根の位置が低くなるため、屋根の存在感や形状が目立ちます。間取りやインテリアばかりに目がいって、屋根をおろそかにすると家全体のバランスが悪くなってしまうケースも。このため、家全体のデザインイメージもしっかり考えて屋根のデザインを決めることが大切です。

・日当たりが悪い

平屋は2階建と比較すると、建物の高さが低くなるため建物の奥まで光が届きにくく採光に工夫が必要です。このため、土地選びの段階で、南からの日照が隣の家に遮られそうな場合や周囲に高い建物がある場合は別の土地を選ぶか、天窓や勾配天井を利用するなど、採光を工夫する必要があります。

・空調が効きづらい

平屋は屋根と生活空間が近いので、断熱性能を高めておかないと空調効率が低下し「夏暑く、冬寒い」家になってしまいます。また、大きな窓は平屋全体の開放感を高めてくれますが、窓の形状によっては部屋の空気を逃してしまうことも。このため、サッシや窓の気密性にも注意が必要です。

・収納スペースが少ない・使いにくい

平屋はワンフロアに生活空間を集約するため、居住スペースを優先してしまい収納スペースが足りなかったと後悔するケースがよく見られます。収納スペースを効率よく確保するには、デッドスペースの有効活用がオススメ。壁面や床下、天井と屋根の間にある小屋裏などの空間を収納に活用すると良いでしょう。

・外からの目線が気になる

平屋は生活環境と外からの目線が重なるため、隣家からの視線が気になることがあります。このため、窓を少なくするプランにする場合もありますが、そうすると風通しが悪くなることも。対策としてはL字型やコの字型の間取りにすること、中庭を設置することなどが挙げられます。また植栽やフェンス、つる性の植物をネットに絡ませたグリーンカーテンやシェードの設置も検討してみてください。

・プライバシーを確保できない

平屋に多いLDKから各部屋への動線は、お子さまが成長するとプライバシーの不満が出てくる場合があります。プライベートゾーンとパブリックゾーンを分けたゾーニングを採用するなど、家族間でもプラベート時間が確保できるようなプランニングも検討してください。

30坪の平屋づくり:工夫ポイント

30坪台の平屋を考えるときは、次のポイントに注目してみましょう。

・間取りのムダを無くす

30坪台の平屋はある程度広さにゆとりはあるものの、家族の要望をなるべく多くカタチにするには、間取りのムダを無くし効率よく空間を活用することがポイント。例えば、昔の平屋は長い廊下がある間取りが一般的でしたが、家の中心をLDKとしてそこを基点に移動する最近の間取りなら、廊下を無くすことでスペースを有効に活用できる上、動線も効率的になります。

・デッドスペースの活用

暮らしやすい平屋にするためには、デッドスペースになりやすい空間の活用も有効です。特に、平屋は天井に隠れている小屋裏空間が広いため、収納やロフトなどに利用するのがオススメ。小屋裏収納は広い空間を確保しやすく、キャンプやスキー用品などのかさばるスポーツアイテムや季節の衣類など使用頻度が低い物をしまっておく場所にピッタリです。

また、壁厚を利用するニッチ収納も、デッドスペース活用の工夫として人気です。玄関のスリッパ置き場、カギなどの小物収納、雑誌のラックなど、散らかりがちなアイテムの整理・収納に活躍します。

・収納を効率的に配置する

収納は十分な量を確保することに加え、適材適所にバランス良く配置することもポイント。必要なときにサッとモノを出し入れできるように、使用場所の近くにジャストサイズの収納を配置することで、暮らしやすさが大きくアップします。

例えば、玄関にシューズクロークがあると、暮らしの利便性がアップしますし、家族それぞれの居室からバランスの良い場所にファミリークローゼットをつくれば、洗濯物を配る手間が無くなりスムーズです。またキッチンに隣接して食料品貯蔵庫となるパントリーがあると、料理の効率もアップします。

・採光と開放感を意識する

平屋生活のクオリティを高めるために、採光性や開放感を意識するのも間取りづくりのコツです。明るく開放感の高いお部屋は、快適で居心地がよく満足度の高い空間になります。

例えば、平屋の屋根形状を活かした勾配天井や吹抜け・高窓は、のびやかな開放感を暮らしに広げるプランニングです。

また対面キッチンやソファの先に窓を設けて、視線抜けを良くするのも開放感アップのテクニック。特にリビングの開放感を高めると、住まい全体の満足度が高まるのでオススメです。

・断熱対策をしっかり

開放感の高いプランニングには、断熱性能も大切です。一般に屋根と居住空間が近い平屋は、屋根の断熱が不十分だと太陽の熱をもろに感じることになります。また冬は広い屋根から暖気が逃げていきます。高気密高断熱の住まいは、屋根からの悪影響も受けにくいため、冷暖房効率が悪化しにくく、デザインや動線効率を重視した間取りが可能になります。

30坪の平屋づくり:事例紹介

こちらではイシンホームが実際に手掛けた30坪台の平屋の事例をご紹介します。

勾配天井で太陽光発電と開放感あるリビング空間を実現

天井が広い平屋の特性を考え、日照を活用しやすい勾配天井とすることで太陽光発電のパネルを設置。屋根の断熱性を向上させ発電による光熱費の軽減も同時に実現しました。また勾配天井にしたことでリビング空間の開放感も一段とアップ。快適でくつろげる住まいをカタチにしています。

大型のロフト空間と吹抜けリビングのある平屋

天井高さを自由に設定できる平屋のメリットを活かし、10帖の広々ロフトと吹抜けつきのリビングをプランニング。お子さまのプレイルームや収納にも活用できるプラスαのスペースと開放感あふれるのびやかリビングを実現しています。

●まとめ

イシンホームでは平屋づくりの豊富な経験をもとに、30坪台の平屋を数多く手掛けています。30坪台の平屋の建築をお考えの方はぜひ一度、イシンホームまでお気軽にお問い合わせください。多彩な間取りの実例の中からご希望に沿うプランをご提案します。

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