
共働きで子育て中の場合、平日の夜に洗濯機を回してリビング干し…という家庭も多いはず。部屋に洗濯物がぶらさがる生活感や、生乾き臭のストレスを解決してくれそうなのが「ランドリールーム」です。
ただ、いざ新築の検討を始めると「予算オーバーで減額対象」「間取りに入れると他が狭くなる」「乾かず物置になりそう」といった不安も。さらにエアコンや除湿機の使用が前提になると、電気代や水捨ての手間が増え、“贅沢な物干し部屋”で終わる可能性もあります。
そんなランドリールームで後悔するかどうかの差は、広さではなく“仕組み”。ただの「干す部屋」ではなく、「洗う→干す→しまう」までをスムーズに完結できるかがポイントです。本記事では、乾きやすくする換気計画、動線と収納の考え方、さらに予算を捻出するための現実策をご紹介します。
目次
ランドリールームで後悔しやすい3つのケース

ランドリールームは、つくり方次第で「家事を助ける存在」にも「後悔の原因」にもなります。まずは、失敗しやすい代表的な3つのポイントから見ていきましょう。
・その1:乾きにくい
ランドリールームを作ったものの、「夜に干したのに、朝になってもまだ湿っぽい」「取り込んだときは乾いているようでも、畳んだ後に生乾き臭が出てくる」という声は少なくありません。せっかく専用スペースを設けたのに、期待していた“気持ちよく乾く洗濯”がかなわず、「結局リビング干しと大差がない…」という後悔につながりがちです。
原因の多くは、換気計画の不足にあります。窓や換気扇を設置していても、それだけで十分とは限りません。空気の入口と出口の位置関係が悪いと、湿った空気が室内に滞留し、洗濯物の周囲にとどまり続けてしまいます。
特に注意したいのが、湿気がよどみやすい場所です。洗濯物から出た水分は室内に広がり、温度差や気流の弱さによって床付近や壁際に滞留することがあります。これをうまく外へ逃がせないと、壁紙の裏で結露が起きたり、目に見えないカビが発生したりと、後から気付くトラブルにつながることも。
「換気扇は付けたから大丈夫」「窓を開ければ乾くだろう」と考えてしまうと、こうした落とし穴にはまりやすいです。ランドリールームの“乾きやすさ”は、設備の有無だけではなく、湿気をどう流し、どう排出するかで大きく変わります。
・その2:広さが合っていない
ランドリールームで意外と多い後悔が「広さ」のミスマッチです。
狭すぎるケースでよくあるのが、洗濯機と物干しスペースで空間がうまり、作業台を置く余裕がないランドリールーム。洗濯物を広げて畳めず、結局リビングやダイニングに持ち出すことに。干す量も限られるため「今日は全部干しきれないから一部はリビングに…」という状況が日常化してしまいます。
一方で「せっかく作るなら広めに」と考えすぎた結果、広すぎて扱いづらく感じるケースもあります。エアコンや除湿機を使う前提なら、空間が広くなるほど効きにくさを感じたり、乾くまでに時間がかかったりすることも。結果として、電気代が想定以上にかかり、乾燥ムラが出ることも少なくないです。
ランドリールームには「広ければいい」「最低〇畳必要」といった一律の正解はありません。大切なのは、家族の人数、1回の洗濯量、干す頻度に対して“ちょうどいい広さ”かどうかを見極めること。暮らし方に合わない広さは、快適さを損なう原因になってしまいます。
・その3:動線がよくない
洗濯は「干す」だけで終わる家事ではありません。「洗う、干す、乾かす、畳む、しまう」と、いくつもの工程が連なっているもの。動線が考えられていないと、乾いた洗濯物を抱えて家の中を行ったり来たりすることになります。収納が別の階にあったり、各部屋に分散していたりすると、そのたびに移動が発生し、時間も体力も奪われがちです。
「せっかくランドリールームを作ったのに、結局歩く距離は減っていない」。そんな違和感が積み重なると、次第に“便利なはずの空間”が“面倒な場所”に変わってしまいます。特に、忙しい共働き家庭では、こうした小さなストレスが毎日の家事負担を大きく感じさせるでしょう。
ランドリールームで後悔するかどうかは、設備や見た目以前に、家族構成や毎日の洗濯量を前提に、機能・広さ・動線がセットで考えられているかにかかっています。単独の「部屋」として考えるのではなく、洗濯という家事全体をどうラクにするか。その視点を持つことが、満足度の高いランドリールームへの近道です。
除湿機なしでも乾かせる?換気システムでカラッと仕上げる
まず解決したいのが「その1:乾きにくい」という問題です。ここで注目したいのが、換気の“性能”と“位置”になります。
・ランドリールームの湿気対策の基本
ランドリールームの湿気対策として、まず思い浮かぶのが、窓や換気扇の設置、24時間換気システムの排気口を設けることです。実際、多くの住宅でこれらは標準的に採用されています。
それでも「乾きにくい」と感じる家庭があるのは、湿気対策が“設備を付けること”で止まってしまっているから。現実には、除湿機やエアコン、サーキュレーターを併用して、ようやく乾燥が安定するというケースもあります。このような場合、電気代がかさむだけでなく、除湿機の水捨てや、毎回のスイッチ操作といった小さな手間が積み重なることに。忙しい平日の夜に「今日も除湿機を回して、水を捨てて…」という作業が、じわじわと負担になりかねません。
本来、ランドリールームは家事をラクにするための空間。“乾かすための努力”が必要になってしまうと、快適さは半減してしまいます。
・除湿機や換気扇だけでは乾きにくいのはなぜ?
洗濯物から発生した湿気は、室内の温度差や気流の弱さによって、床付近や壁際に滞留することがあります。
一般的な換気計画では、排気口は天井近くに設置されることがほとんどです。排気口が上部にあると、床付近に滞留した湿気はうまく排出されず、室内に残り続けてしまいがち。その結果、洗濯物の下側が乾きにくかったり、乾燥にムラが出たり、生乾き臭の原因につながります。「換気扇があるか」だけではなく、空気の入口と出口の位置関係まで含めて換気計画を考えることが大切です。
イシンホームでは、24時間換気として「Eco-i熱交換換気システム」を提案しています。床下に熱交換器を設置し、床に排気口を設けることで、室内の空気を循環・排出するシステムです。このシステムをランドリールームの換気計画にも活かし、空気の流れそのものを設計。除湿機やエアコンに頼りきらず電気代を抑え、毎日の洗濯物がストレスなく乾く環境を目指せます。
「干す場所」だけで満足できる?“完結動線”で考えるランドリールームの必要性

「その2:広さが合っていない」「その3:動線がよくない」という問題を解決するには、“洗う”から“収納”までを一貫設計することがポイントです。
・発想の転換がポイント!“洗う”から“収納”までをトータル設計
「ランドリールーム=物干し部屋」という考え方を、一度手放してみましょう。本当に家事がラクになるポイントは、干す場所を作ることではなく、「洗う」「干す・取り込む」「アイロンをかける」「畳む」「しまう」という洗濯にまつわる工程を“同じゾーン”に集約すること。洗濯カゴを抱えて家の中を行ったり来たりする負担は、想像以上に積み重なります。ランドリールームは“部屋”としてではなく、“仕組み”として設計することが大切です。
ステップ1:洗う
最初のポイントは、洗濯機の位置を「生活の導線の中」に置くことです。例えば、浴室や脱衣スペースに近ければ、入浴前に脱いだ服をそのまま洗濯カゴへ入れやすくなります。キッチンに近ければ、料理や片付けと並行して洗濯を回しやすく、夜の“同時進行”が成立します。ランドリールームは単体で考えるより、キッチンや浴室との連携まで含めて配置するのが効率的です。
ステップ2:干す・取り込む
次に、干す工程。ここでは「干せるか」より「乾くか」が重要です。風の当たる位置に物干しを設け、空気が滞留しないようにしておくと、乾きムラや生乾き臭の予防になります。さらに、雨の日や湿度の高い季節も想定し、空調・換気とセットで考えると失敗しにくいです。
ステップ3:たたむ・アイロン
乾いた洗濯物をどこで畳むか、アイロンがけをどこで行うかが決まっていないと、洗濯物はリビングに流れ込み、片付けのリズムが崩れやすいです。ランドリールーム内に「ちょい置き」できる棚やカウンターを用意しておくと、“次の作業に移りやすい”状態をつくれます。必要な家電を使う前提なら、コンセントの数と位置まで一緒に決めておくと、暮らし始めてからのストレスが減るでしょう。
ステップ4:しまう
そして最後の「しまう」。ここで収納場所を別室にすると、「運ぶ」という工程が必ず発生し、せっかく干す場所を作っても“家事が終わった感”が出にくくなります。そこで有効なのが、ランドリールームと収納をつなぐ「ウォークスルークローゼット」の考え方です。
ウォークスルークローゼットは、入口が2つ以上あり、クローゼットを通って他の部屋へ行き来できる収納です。ランドリールームに組み込めば、洗濯後に乾いた衣類をそのまま収納へ移せます。浴室やキッチンへウォークスルーでつながる間取りにしておくと、洗濯と他の家事がぶつ切りにならず、生活の流れがスムーズになります。
イシンホームでは、この発想を形にした提案として「ウォークスルー・洗面乾燥クローゼット」をご紹介しています。キッチンから10歩以内を目標に家事を完結させる、「家事1/2動線」を意識した設計です。
洗濯機・物干し・収納が同じゾーンにまとまれば、洗って干すだけでなく、収納までを同じ流れで進められるようになります。忙しい毎日ほど、この差が効いてくるでしょう。
予算が心配なら、ベランダを見直すという選択肢

・ランドリールームの設置にかかる費用の目安
ランドリールームを検討する際、気になるのが追加費用です。新築時にランドリールームを設ける場合、主にコストがかかりやすいのは、換気計画の強化(機器の追加・グレード変更など)、収納棚やハンガーパイプなどの造作、空間を区切るための建具といった部分です。
内容によっては、これらが重なって“数十万円の増額”になるケースもあります。例えば収納は、枕棚+ハンガーパイプの追加が1カ所あたり数万円程度の価格例が見られるほか、換気機器も種類によっては機器代だけで数万円になることがあります。どこまでを含めるかで金額は変わるため、あくまで目安として捉え、最終的には施工会社の見積もりで確認することが大切です。
ただし、この金額は“部屋を増やす費用”というよりも、“洗濯という家事を毎日ラクにする仕組みへの投資”と考えると、見え方が少し変わってくるでしょう。
・「ベランダをやめる」の選択肢もあり
新築の間取りを決めるときに、一度立ち止まって考えたいのが「ベランダ」の存在です。特に共働き家庭では、花粉やPM2.5、黄砂、突然の雨といったリスクを避けたい人も多く、外干しの頻度が下がる傾向にあります。洗濯から乾燥までを室内で完結させる暮らし方にとって、ベランダは「あっても使わない空間」になりがちです。
さらにベランダは、定期的な掃除や防水のメンテナンスが必要で、放っておくと汚れや劣化が目立ちやすい場所。使う頻度が低いにもかかわらず、維持の手間とコストがかかると考えると、優先順位を見直す余地は十分にあるでしょう。
ベランダを設けないことで浮いたコストを、ランドリールームや換気計画に充てる。この“振り替え”によって、毎日の洗濯ストレスが減り、家事時間にゆとりが生まれるなら、満足度は数字以上に大きくなるはずです。
【実例紹介】家事がぐっとラクに。イシンホームの施工実例
ランドリールームの快適さは、実際に暮らしてみてこそ実感できるものです。ここでは、イシンホームで家を建てた共働き家庭の声から、洗濯がどれだけラクになったのかをご紹介します。
・共働きのわたしが、家事が驚くほどラクになりました。(奈良県Nさん)
前は、洗面室に収納も干し場も無くて不便でした。今は、同じ空間で「洗う・干す・しまう」の全てができるので、本当にラクです。
キッチン→洗面室→ウォークスルー収納→リビング、とスムーズな動線の甲斐あって、子どもがお手伝いしてくれたり、用意が自分でできるようになったのもうれしいですね。
・「洗濯作業が1/10になる!」は本当でした。(岡山県Iさん)
以前は、洗濯機→ベランダに干す→取り込む→各収納室スペースへ運ぶ、で家の中をたくさん歩いていました。天気予報をいつも気にして、急な雨で凹んだりもしていました。今は完全部屋干しで、雨の心配が不要です。
「洗濯する」→歩いて3歩のところに干す→乾いたものをカゴに取り、その場にしゃがんで畳む→畳んだものを後ろのスペースに取り込む、でほぼ10歩以内で解決できています!
・イシンホームの施工事例はこちら
「洗う・干す・しまう」を1カ所で完結できる間取り事例をご紹介します。
まとめ
ランドリールームは、つくり方次第で“便利”にも“後悔”にもなります。ただの物干し場になってしまうと、乾かない・カビが心配・動線が悪いといった不満が残り、結局リビング干しと変わらない結果になりかねません。
一方で、換気計画で湿気をしっかり排出し、「洗う→干す→しまう」までが効率的な動線で完結する間取りなら、家事はぐっとラクになります。
予算が不安な場合は、使わなくなりがちなベランダを見直すのも一案。ランドリールームが必要か迷ったら「完結できる仕組みかどうか」を基準に、モデルハウスで乾き方と動線を体感して判断してみてください。

