
最近増えている2部屋分のスペースを仕切らずに一体で使う子供部屋のスタイル。お子さまが成長したら後付けで仕切りを設け個室をつくる想定ですが、将来的なリフォーム工事は費用だけでなく、色々なデメリットも存在します。そこで今回は、後付けで子供部屋を仕切る場合のお役立ち情報にフォーカス。一般的な間仕切り壁に必要な費用の目安から、後から間仕切りする場合の注意点とその対策、工事費をかけずにDIYで間仕切りする方法や費用やポイントまで、きめ細かくご紹介します。
最近増えている一体使いの子供部屋

最近の家づくりで増えているのが自由性の高い可変型の間取り。子供が小さいうちはのびのびと遊べる大きめのプレイルームとして使い、成長と共に間仕切りして個室にし、巣立った後は夫婦それぞれの部屋に。そんなフレキシブルな使い方の提案が多くのご家族に受け入れられ人気を集めています。
実際、未就学~小学生低学年の間は個室があっても使われずリビングで過ごす時間が多く、ムダな空間になっていることが多いもの。後付けで間仕切りして個室の子供部屋をつくるのは現実的な選択といえます。
<子供部屋の仕切りを後付けするメリット>
・子供が小さいうちは広々とした空間で遊ばせられる
・子供の人数や性別、成長に合わせて柔軟に対応できる
・建築時コストを抑えられる
・個室を使わなくなった後は元に戻せる
後付けで間仕切りする際に後悔しがちなポイント
後付けの間仕切りをした際に「仕切ってみたら思ったより住みにくくなった」と後悔するケースがよくあります。こうした後悔の多くは、仕切り方そのものではなく、事前の想定不足が原因です。ここでは、後付けで間仕切りする際に起こりがちな代表的な失敗をまとめてみました。
・仕切ったら暗くなった
仕切った後の彩光を考えて窓を設置しておかないために起きる失敗です。例えば、1つの窓を2部屋で分けると、どうしても片側が暗くなります。家具や壁が光を遮るケースも少なくありません。明るさは快適性に直結するので、しっかりと対策しておくことが大切です。
・エアコンが効かない
広い1室を前提に設置したエアコンは、部屋を分けると効きにくくなります。エアコンのない個室での生活は、熱中症が多発する日本の夏を考えると現実的ではありません。また冬もエアコンによる暖房が必要です。エアコンを後から設置するために大掛かりな工事が必要にならない対策が必要です。
・コンセントが足りない
2つの個室に仕切ると待ったなしで発生する典型的なトラブルです。コンセントは多くて困ることより少なくて後悔するケースが圧倒的に多いもの。コンセントが机やベッドを置きたい場所になかったりすると延長コードだらけになって室内が雑然となってしまいます。
・音や生活リズムのズレが気になる
特に中学生以降に増える不満です。片方が夜型、もう片方が朝型の場合や携帯での会話・ゲーム・動画の音などが隣から聞こえてくるケースが多いようです。ただ、可動間仕切りや家具による簡易的な仕切りは防音性が犠牲になりがちです。子供部屋は、多少音が漏れる前提で暮らす方が現実的かもしれませんが、音や気配がなるべく伝わらない家具レイアウトを考えましょう。
・換気が良くない
意外と見落とされがちなポイントですが、仕切ることで空気の流れが悪くなり換気が行き届かないトラブルは結構あります。換気が損なわれると、夏は暑く、冬は結露によるカビの発生といった問題が起こります。
間仕切りの後付けは事前準備がマスト

子供部屋の後付け間仕切りを成功させる最大のポイントは、「必要になってから考える」のではなく、設計段階から準備しておくことです。後から変更できる部分には限界があり、あらかじめ想定しているかどうかで住み心地や工事費用に大きな差が生まれます。
ここでは事前の準備で押さえておきたい5つのポイントを整理しておきます。
1.最初に「将来の仕切りライン」を決めておく
一番重要なのが「どこで2部屋に分けるのか」を図面上ではっきりさせておくことです。仕切り位置が曖昧なまま計画を進めると、いざ分けようとしたときに窓やドアの配置が偏ったり、家具が置きにくくなったりする可能性があります。
ポイントは、“なんとなく真ん中”で区切らないこと。ベッドやデスクの配置、動線までイメージしながら、それぞれの部屋が無理なく使える広さになるラインを検討しましょう。また、この段階で壁下地を入れておけば、将来固定壁に変更する場合でもスムーズに工事ができます。
2.ドア・窓は“仕切った後”を想定して配置する
ドアと窓の位置も「将来の2部屋」を基準に想定しておくことが大切です。
例えば、窓が片側にしかないと、もう一方の部屋は暗くなりがちです。可能であれば、それぞれの部屋に採光を確保できる配置を検討しましょう。ドアについても、後から増設できる位置か、もしくは最初から2か所設ける方法もあります。
間仕切りした後も違和感のない自然な個室を想定して準備しておかないと「片方だけ条件の悪い部屋」が生まれてしまいます。
3.コンセント・照明・スイッチも2部屋分用意する
仕切り後の後悔で非常に多いのが、電気設備の不足です。ベッドを置く場所にコンセントがない、照明が中央に1つしかない、スイッチが遠くて使いにくい——こうした小さな不便は、毎日のストレスにつながります。
対策はシンプルで、最初から2部屋になる前提で配置しておくこと。左右それぞれにコンセントを設け、照明も将来1部屋に1つの照明を想定して配線しておくと安心です。
コンセントは後から増設できますが、壁を開ける工事が必要になるため費用も手間もかかります。見えない部分への先行投資が、将来の快適さを支えます。
4.エアコンと換気にも要注意
空調と換気は、仕切った後に不満が出やすいポイントです。広い1室用のエアコンでは、部屋を分けたときに冷暖房が行き届かなくなることがあります。
理想は、将来もう1台設置できるよう準備しておくこと。専用コンセントや配管ルート、室内機のスペースを確保しておけば、必要になったタイミングで無理なく対応できます。
また、間仕切りによって空気の流れが止まらないよう、給気口を塞がない配置や空気の通り道も意識しましょう。防音性を高めたいあまり密閉度を上げすぎると、かえって室内環境が悪化することもあります。
快適な個室づくりには、「温度」と「空気」の視点が欠かせません。
5.耐震性能にも配慮する
地震の際の安全性の確保も重要です。家具で仕切る予定がある場合は、転倒防止のために壁下地を入れておくと安心です。L字金具などでしっかり固定でき、地震時のリスクを減らせます。
また、天井で突っ張るタイプの家具だけに頼るのは避けたいところです。天井は重量を支える構造ではないため、基本は「壁固定」を前提に考えましょう。
案外見落としやすいですが地震への備えは大切なポイントの一つです。
設計段階からの準備もイシンホームにおまかせください。
後付け間仕切りの本当のメリットは、「今の暮らし」と「将来の暮らし」の両方への対応力。その柔軟性を活かすためには、設計段階での準備が欠かせません。イシンホームでは将来を見越した配線・下地計画はもちろん、仕切った後も温度ムラが起きにくいEco-i換気やさまざまな地震への備えをご用意。
家族の成長に合わせて変化していく空間の質をしっかりと見守ります。
実際に壁を後付けする費用と手間

・間仕切り壁
防音性能やプライバシーに優れた本格的なタイプです。新しい間仕切り壁を造作する場合の標準的な費用は、壁のみの工事で 約20万円~30万円程度が主流。クロス・仕上げのグレード、造り付けの収納など造作要素が増える場合は内容によりアップしていきます。
・可動間仕切り
可動式の間仕切りは壁ほどの独立性は出ませんが、空間の使い方を変えやすいのが特徴です。可動式の引き戸や開閉可能なパネルなどのタイプで費用は異なりますが、約10万円~30万円程度になります。
・工期や人の出入り、準備の手間も必要
工事が必要な間仕切りは費用だけでなく、準備や工事の間の人の出入りなど色々な煩わしさがあります。まず工事期間は2日~4日ほどが一般的です。その間、大工工事、電気工事、クロス工事などそれぞれ別の職人さんが入り工事を進めます。工事の前には部屋の家具や荷物をあらかじめ移すなどの準備が必要で、結構な負担になります。
DIYで出来る間仕切りの方法と費用感

本格的な工事の費用や手間・負担を抑えるために増えているのがDIYによる間仕切りです。そこで代表的な4つの間仕切りをメリット・デメリット・注意点・費用の目安の視点からご紹介します。
① アコーディオンカーテン
蛇腹状に折り畳んで開閉できるカーテンタイプの仕切り。レールを付けるだけでOKな間仕切りです。
◇メリット◇
・工事不要~軽作業で設置できる
・開閉が簡単で使わない時は開けて広く使える
・比較的低コスト
◇デメリット◇
・防音性が低い
・見た目がややチープ
◇注意点◇
天井や梁に下地(補強材)がないとレールが付かない
◇費用の目安◇
本体:5,000~30,000円程度
取り付け工具など含めても 1~3万円前後で完成します。
② ロールスクリーン
巻き上げ式のスクリーンを使って仕切る方法。窓に付ける要領で突っ張りポールなどで設置できます。
◇メリット◇
・シンプルで見た目が整う
・開閉もスムーズ
・カラー・デザインが豊富
◇デメリット◇
・防音性はほぼない
・上下に動くだけなので遮る範囲に制限あり
◇注意点◇
上部だけ閉めても足元は空くので、完全な個室感は出せない。サイズが色々あるので間仕切りできるサイズを選ぶこと。
◇費用の目安◇
本体:8,000~40,000円程度
③ パーテーション(ついたて・折りたたみパネル)
折り畳み式パネルやスタンドタイプの仕切り。模様替え感覚で使える簡易間仕切り。
◇メリット◇
・工事不要ですぐ置けば完了
・移動・撤去も楽なタイプ
・デザインバリエーションが豊富
◇デメリット◇
・安定性が低いタイプもある
・防音・視線隠し効果は限定的
◇注意点◇
転倒しやすいタイプもあるので家具固定用の突っ張りポールを併用すると安全
◇費用の目安◇
通常5,000~15,000円程度が多いが
デザイン性が高いものは2~5万円以上になる
③ 間仕切り収納家具
本棚やオープンラックなど家具自体で空間を仕切る方法。収納と仕切りを兼ねる。
◇メリット◇
・仕切り+収納の一石二鳥
・視線が遮れやすい
・自由なレイアウトが可能
◇デメリット◇
・完全な防音効果は期待できない
・地震の際には転倒リスクあり
・壁固定が必要になる場合も
◇注意点◇
転倒防止策(壁へのL字金具固定)は必須。天井まで届かない高さを選ぶ場合は視線や光の通り方も考える必要あり。
◇費用の目安◇
・シンプルなラック棚:1~3万円
・大型・カスタム収納タイプ:3~10万円以上
FAQ
Q. 子供部屋を仕切るタイミングはいつが理想ですか?
子供部屋を仕切る明確な正解はありませんが、多くの家庭では小学校高学年~中学生頃に検討するケースが多いようです。学習時間が増えたり、生活リズムが変わったりすることで、「一人の空間」が必要になるためです。
ただし、年齢だけで判断するのではなく、子供の性格やきょうだい関係も重要。まだ一緒の方がいいタイプもいれば、早い段階でプライバシーを求める子もいます。
Q. 最初から個室にするデメリットはありますか?
最初から完全な個室にすると、将来の使い方が限定されてしまう点がデメリットです。子供が小さいうちは使わない部屋が増え、物置部屋になったりして空間を持て余すことも少なくありません。
また、幼少期は親の目が届きにくくなることや、きょうだい間のコミュニケーションが減る可能性もあります。
ライフステージに合わせて変化できる間取りの方が、長い目で見て合理的といえるでしょう。
Q. 可動間仕切りはDIYできますか?
軽量タイプの可動間仕切りであればDIYも可能です。例えば、レール式のパネルや簡易的な間仕切りであれば、工具があれば取り付けられる製品も増えています。一方、レール精度が必要なタイプや重量・安全性の問題がある本格的な可動間仕切りのDIYはトラブルの元。諦めた方が無難です。
いずれにしても注意したいのは下地の有無。天井や壁に十分な強度がない場所へ取り付けると、ぐらつきや落下の原因になります。特に重く落下リスクのある可動パネルは、安全性を考えて専門業者に依頼する方が安心です。
まとめ
子育てファミリーに人気の一体使いの大きな子供部屋。間仕切りは後付けの場合でも、家づくりの際にしっかりと将来を見据えたプランニングをしておかないと大きなトラブルの種になります。イシンホームは豊富な経験をもとに、配線や下地の対策はもちろん、快適な換気計画まできめ細かくアドバイス。お子さまがのびのびと育つ自由な空間づくりと後悔しない将来対応のプランを親身にサポートいたします。子供部屋づくりのお悩みや質問がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

