新型コロナウイルスの感染が広まって以降、手洗いやうがい、消毒といった感染予防に対する意識が高まりました。ウイルスを家の中へ持ち込まないように意識する人も増えており、最近では帰宅後、自然な導線で手洗いができるように工夫された間取りも人気を集めています。今回は、そんなウイルス対策に特化した間取りについて、当社の実例を交えて紹介します!
コロナ禍で手洗いの重要性が再認識されている
ドアノブや遊具、電車のつり革、エレベーターのボタンなど、不特定多数の人が触る場所には、さまざまな菌やウイルスが付着しています。その場所を触った手で、何かを食べたり、目・鼻・口などの粘膜をこすったりすると、菌やウイルスが体内に入ってしまう可能性があります。
そうした菌やウイルスの体内への侵入を防ぐ有効な手段が「手洗い」です。厚生労働省によると、「手や指に付着しているウイルスの数は、流水による15秒の手洗いだけで1/100に、石けんやハンドソープで10秒もみ洗いし、流水で15秒すすぐと1万分の1に減らせる」とされています。
これは新型コロナウイルスの場合も同様であるため、コロナ禍で手洗いの重要性が再認識されるようになったのです。
帰宅後、自然に手洗いできる間取りが人気!
外出先から自宅に菌やウイルスを持ち込まないようにするためには、“水際対策”が肝心です。まずは、帰ってすぐに手を洗うことが最も重要。しかし、玄関から洗面所までの導線が長いと、そこへたどり着くまでにドアノブや壁などに触れてしまい、菌やウイルスが付着する可能性があります。特に子どもは、いろいろな場所に触れたり、手洗い前にリビングに直行してしまったりする可能性もあるでしょう。
そうした事態を防ぐため、帰ってすぐに手を洗いやすい玄関周辺に、手洗いスペースを設ける間取りが人気を集めています。また、玄関から洗面所へ直結する導線を作り、リビングに入る前に手洗いや着替えができる間取りも注目されています。
玄関に手洗いスぺース設置&洗面所直通のメリット
こうした間取りの主なメリットを3つ紹介します。
●感染症対策
先述したように、玄関周辺に手洗いスペースを設けると、帰宅後すぐに手が洗えます。手を洗わないままドアノブや壁、収納棚などを触る頻度が減るほか、洗い忘れ防止にもなるので、菌やウイルスを室内に持ち込むリスクを減らせるはずです。
●来客時に便利
脱衣・洗面所がキッチンの奥などの生活スペースにある場合、お客さんには使ってもらいにくいものです。キッチンは住宅の中でも特に生活感が出やすいため、見られたくない人も多いはず。また客側としても、そのような場所だとなかなか「手を洗わせて」とは言いにくいですよね。
その点、玄関周りに手洗いスペースがあれば、自然と手を洗ってもらえる可能性が高まります。
●庭の水やりなどにも便利
玄関に洗面スペースを造ると、外で水を使う場合にも重宝します。例えば、庭の花壇や鉢植えへの水やり、玄関アプローチの掃除などに役立ちますよ。また、子どもの靴を洗ったり、散歩から帰ったペットの足を拭いたりする際にも便利でしょう。
玄関に手洗いスペースを設けるに当たって、気をつけたいこと
玄関周辺に手洗いスペースを設ける際は、次の点に注意してください。
●水はね対策
手洗いやうがいを行う際、水しぶきが飛び散ってしまうことは少なくありません。そうした“水はね”を頻繁に繰り返していると、床材や壁紙が徐々に傷んで変色・変形してしまうことも。加えて、カビや腐食の原因になる可能性も考えられます。
住宅の傷みを防ぐためには、防水性が高く水分を拭き取りやすいタイルやビニールなどを使うなどして、しっかり“水はね対策”を行うことが大切です。
●玄関からの見え方
いくら使い勝手がよくても、玄関から手洗いスペースが丸見えだと、格好が悪いと感じる人もいるでしょう。玄関のドアを開いてすぐ蛇口やハンドソープ、うがい薬などが見えると、どうしても生活感が出てしまいますよね。
玄関は、住宅の中で最も他人の目につきやすい場所なので、来客時の見え方を考慮して、丸見えにはならない工夫をすることも大切です。
●サイズ感に注意
手洗いやうがいをする際、洗面台のサイズが大きいほど、水はねのリスクが減って使い勝手はよくなります。しかしその反面、サイズの大きい洗面台は圧迫感を生んでしまうリスクもあるので要注意。生活しやすい空間にするためには、設置するスペースとの兼ね合いも考えることが重要です。
【実例】玄関から手洗いスペースまでの間取りを紹介
それでは、実際に当社が手掛けた“帰宅から手洗いまでをスムーズにする間取り”の例をご紹介します。
●玄関横の“クリーンルーム”に設置した洗面台
玄関横の「玄関クリーンルーム」内に設けた洗面台。土足のまま入れるので、帰宅後の動線としてとても便利です。脱衣・洗面所とは区切られた空間なので、来客時の手洗いスペースとしても活躍しますよ。
●ウイルス感染防止動線
玄関に入ってからリビングに向かうまで、ウイルスを入れない工夫が施された間取りです。玄関から脱衣・洗面所へ直行できるので、帰宅後すぐに手洗い・うがいを行えます。着替えも済ませられるので、リビングへのウイルスの持ち込みが防げますよ。
合わせて取り入れたいウイルス対策について
当社では、手洗い以外にもウイルス対策が行える住宅機能を用意しています。具体的な機能について、3つ紹介します。
●ナノバブルウォーター
イシンホームの新築住宅には、ナノバブルウォーターが標準装備されています。ナノバブルウォーターとは、微細な気泡を含んだ水のこと。「ナノバブルウォーター発生器」を給水根元に設置することで、家中へ駆け巡らせることができます。
ナノバブルウォーターは、通常の水道水よりも細菌の含有量が少なく、除菌効果があるとされており、手洗い・うがいによる感染予防が期待できます。
●玄関クリーンルーム
外出時に着用したコートや靴を除菌・収納できるスペース。壁の表面に施した光触媒が「OHラジカル」を形成し、その働きによって有害物質や悪臭原因物質が水に分解されます。さらにウイルス感染の不安がある衣類には、除菌照明を当てることも可能です。
●抗ウイルス床トイレ
排便は咳や呼気などと同様にウイルスが拡散する主要なルートであるため、トイレは感染リスクの高い場所です。特にトイレの水を流す際、ウイルスを含んだ水が床に飛び散ってしまう可能性があります。そうした菌の増殖を防ぐ効果があるのが「抗ウイルス床」。防汚コーティングが施されているので、掃除がしやすいのも魅力です。
住宅の間取りや機能を工夫すれば、普段からストレスなく感染対策を行うことが可能です。特に子育て中のご家庭では、「手を洗いなさい」と注意する負担も減るはずですよ。ぜひ皆さんも、ウイルス対策付きの住宅を検討してみてはいかがでしょうか。