いろいろな種類がある暖房装置。新しく家を建てるなら、健康面やランニングコスト、快適性まで考慮して、ベストなシステムを導入したいですよね。そこでぜひ知ってほしいのが「輻射熱（ふくしゃねつ）」のこと。近年、輻射熱を利用した暖房システムが注目を集めており、最新の住宅設備にも取り入れられています。そこで今回は、その原理やメリット、そして導入事例をご紹介。ぜひ家づくりの参考にしてみてくださいね。
輻射熱とはどんなもの？
まず、簡単に輻射熱の原理を解説します。そもそも熱エネルギーは、温度の高いところから低いところへ移動しますが、その伝わり方は、「対流」「伝導」「輻射」の3つに分類されます。
このうち「輻射」は、物と物が直接触れていなくても、遠赤外線の作用により熱が伝わるというもの。その時移動する熱エネルギーを「輻射熱」といいます。ちなみに、気体や液体の流れによって熱が移動するのが「対流」、直接触れている物体と物体の間で熱が伝わるのが「伝導」です。
輻射熱を体感できるのが太陽やたき火です。太陽はとても遠くにあり、途中に宇宙空間があるにもかかわらず、日光に当たるとぽかぽかと暖かいですよね。たき火も、直接触れていないのに暖かさを感じます。
同様に、輻射熱により涼しさを感じることもあります。例えば、洞窟や蔵の中に入ると、気温は変化していないのにひんやり涼しく感じます。これは、私たちの身体から出た遠赤外線が、洞窟の内側や蔵の壁など温度の低い方へ移動するため、涼しく感じるのです。
輻射熱は、家庭用の暖房器具に利用されていることもある
このような輻射熱の特性は、家庭用の暖房器具に利用されています。具体的には、以下のような設備に使われています。
・床暖房
温水や電気ヒーターで床を加熱し、床から放射される輻射熱で部屋全体を暖める。
・パネルヒーター、電気ストーブ
パネルや電気ヒーターを暖めて熱を放射。コンパクトなので局所的に暖める機器が多い。
・オイルヒーター
密閉された難燃性のオイルを電熱器で加熱し、循環させて空気をじわじわと暖める。
・こたつ
テーブルの下の電気ヒーターを暖めて熱を輻射。こたつ布団で机を覆って熱が外に逃げるのを防ぐ。
これらはいずれも、遠赤外線により直接物に触れることなく部屋全体を暖めています。なお、暖房器具というと、エアコンを思い浮かべる人も多いでしょう。エアコンは、空気が動き、熱を伝える仕組み（対流）です。空気が動くことで風が起こり、涼しさや暖かさを感じます。
輻射熱暖房のメリット
輻射熱を利用した暖房には、さまざまなメリットがあります。
●風が起こらないので、肌に優しい
エアコンのように冷風や温風が発生する暖房器具の場合、直接風が体に当たると乾燥肌の原因になります。その点、輻射式の暖房の場合は風を起こさないので、肌に優しい空調といえます。さらに灯油なども使わないので、匂いもありません。
●稼働音が気にならない
部屋全体をじわじわと暖めたり、冷やしたりする輻射熱式暖房は、対流式のような送風音が発生しません。稼働音が気にならないので、寝室などにもおすすめです。
●清潔な空気が循環
空調の風は、家具や壁、床に付着したハウスダストや花粉を巻き上げることがありますが、風が発生しない輻射熱式暖房ならその心配はありません。石油を燃やすことによる空気の汚染もなく、清潔な空気が循環します。
●温度ムラがなく、快適
輻射熱が暖房機器から床、壁、天井と放射され、次第に空気へと伝わるので、部屋全体の気温がほぼ均一になるのも大きなポイント。エアコンのように上下での温度ムラがないので、暑すぎや冷えすぎが少なく、快適に過ごせます。
●お手入れ不要
灯油を入れたり、フィルターを掃除したりといった手入れが不要です。
どんな部屋への設置がおすすめ？
輻射熱の特長を踏まえて、イシンホームでは家族が集うリビングダイニングや、リラックスして過ごしたい寝室への導入をおすすめしています。
例えばリビングダイニングは、家族が集まり、長い時間を過ごす場所。暖かい床下暖房を導入すれば、足元から家全体を暖めることができるでしょう。
床下暖房では、指先までを暖めることができるので、代謝や免疫力の向上も期待できますよ。同様に睡眠は健康に大きく影響を与えますから、寝室にも静かでクリーンな輻射熱暖房が最適です。
イシンホームのおすすめ設備＆導入事例を紹介
イシンホームの注文住宅では、「ハイブリッド輻射暖房システム」と「床下暖房システム」の2つの輻射暖房を採用。「ハイブリッド輻射暖房システム」は、輻射熱を利用することで、室内上下の温度ムラが少なく、一年を通して快適な温度を保つことが可能。たった1台で家全体をくまなく暖め、トイレまで快適です。さらに、冬場の消費電力量は最大40％削減と、省エネ性能も大変高くなっています。イシンホームの注文住宅は「外反射断熱」を施しているので、輻射熱を外に漏らさないのもポイントですよ。
「床下暖房システム」は、足元からじんわり家全体を暖めます。サーモグラフィーを使用した実験によると、対流式のエアコン暖房の場合、足先が冷たいままですが、この「床下暖房システム」の場合は体全体が温まっていることが分かりました。熱源が床下にあるので、子どもが直接触れることがない安全性も評価されています。
導入されたお客様からは、
「とても暖かくて、冬、外から帰ってきた時に過ごしやすいと実感しました。床の温度を測ったら、26～27度とホットカーペット並に暖かかったのでびっくり。子どもたちもリビングでゴロゴロして遊んでいます。」
「真冬でも足元からあったかいんです！風が直接当らないから、お肌が乾燥しにくいのがうれしいポイントです。」
「全面床下暖房はすごく気持ちがいいです。足の裏から温まって、身体がのびのびします。寒い冬を過ごして良さを実感しました。もう昔の生活には戻れません。」
などのお声をいただいています。※個人の感想です
イシンホームの輻射式暖房は、冷え性や乾燥肌に悩んでいる人に、ぜひ導入していただきたい暖房システムです。空気を汚さず、家全体を暖めるので、ヒートショックが心配なご高齢の方や、体力の弱い赤ちゃんがいる家庭にもおすすめ。興味がある方は、ぜひお問い合わせください。
