24時間365日、快適で健康に過ごせる! 新築に全館空調を導入したときのメリット・デメリットや費用をチェック


一年を通して快適に過ごすことができる上、見た目もすっきりとしていて室内外のデザイン性を損ねることが少ない全館空調。家づくりの際に検討している方も多いのではないでしょうか。今回は、全館空調の種類や導入する際の注意点などについて紹介します。

●全館空調とは

全館空調とは、家全体の冷暖房を調節し、快適な温度にした空気を循環させる空調システムのことです。部屋ごとにエアコンなどで冷暖房を行う個別空調と異なり、一つの空調システムで、廊下や洗面所、トイレ、お風呂場など、家の隅々まで常に快適な室温に保つことができます。

全館空調には大きく分けて4種類があり、仕組みなどが異なります。それぞれの全館空調を住宅メーカーのモデルハウスなどで実際に体感して、好みに合うものを選ぶといいでしょう。ここからは、4種類の特徴について解説します。

天井吹き出し方式

ハウスメーカーで取り扱いが多い方式。小屋裏や天井内に空気の通り道であるダクトを設置し、天井に設けた吹き出し口から冷暖気の送り出しと排気を行います。機種によっては高性能フィルターが搭載されていて、ホコリや花粉をシャットアウトしてくれます。

エアコン方式

1台の壁掛けエアコンを稼働させ、各部屋や廊下の壁に設けた採風口から冷暖気を送ります。省エネ型のエアコンだと、電力の消費を抑えることも可能です。

床下冷暖房方式


エアコンやヒートポンプ式の機械を床下に設置することで、床下の基礎部分を断熱して冷暖気を蓄熱し、床からの輻射熱と換気口による送風で家全体を冷暖します。機材が露出しないため、家のデザイン性を損ねることが少ないです。また、足元から暖められるため、体感温度が高くなりやすいという特長もあります。

壁パネル方式


それぞれの部屋の壁に冷暖房パネルを設置して、パネルからの輻射熱で家全体を冷暖します。無音および無風なので、風や音が気になる方におすすめといえます。

●全館空調のメリット・デメリット


続いて、全館空調のメリットとデメリットについて詳しく解説します。

<メリット>

快適な空気環境で暮らすことができて、健康に関する心配が少ない


全館空調の最大の魅力は、家全体の温度が一定に保たれて、年中快適に過ごせること。一般的な個別空調の場合は居室とその他の部屋で温度差が発生し、ヒートショックのリスクを高めますが、全館空調ではその心配が不要。また、 換気システムを兼ね備えているものだと、ホコリや雑菌を吸い取り、常に室内の空気を新鮮に保つことができます。花粉を除去する高性能フィルターをつけることも可能です。

露出する冷暖房機器が少なくなり、見た目もすっきり


エアコンや室外機をいくつも設置する必要がないため、壁や天井、外観がすっきりとした印象になります。

メンテナンスの手間を減らせる

各部屋にエアコンを設置した場合、フィルターの定期的な掃除や異常時の点検など、エアコンの台数分のメンテナンスを行うことが必要です。その点、全館空調であれば、設置した空調システムのみメンテナンスすれば良いため、手間を減らすことができます。

内観デザインの自由度が上がる

全館空調の場合、空調システムの室内機は空調室や収納内などに設置することが多いです。室内にエアコンや冷暖房機器を設置するスペースが必要なく、無駄な空間が生まれないので、インテリアを自由にデザインできます。見た目もすっきりとしたスタイリッシュな内観に仕上げられるでしょう。

<デメリット>


初期費用がかかる


全館空調は機種代に加えて、特別な配管工事を実施する必要があるため、初期費用は高くなる傾向があります。初期費用の相場は、住宅の広さや機種、施工方法などケースによって異なりますが、およそ100~300万円ほど。間取りが複雑な住宅の場合、心地よい温度を効率的に行き渡らせるための設備が増え、工事費用が高くなってしまう可能性もあります。初期費用をなるべく抑えたい方は、シンプルな間取りを検討することがおすすめです。、フィルター等の部品交換や定期点検など、メンテナンス費も必要です。


電気代が上がる場合がある

全館空調は基本的に24時間、年中可動させることになるため、本来エアコンを使う必要のない季節にも電気代が発生します。電気代の相場は、住宅の広さや空調システムの種類、季節によっても異なりますが、月10,000円前後かかるケースが多いようです。電気代をなるべく抑えるには、外気の影響を受けにくい気密性・断熱性の高い構造の住宅を建て、効率よく設定温度に達するよう全館空調を自動運転にしておくといった対策を行いましょう。

なお、住宅メーカーによっては、フロアごとに温度管理が可能な全館空調システムもあるので、そのようなタイプを選択肢に入れるのもポイントです。

乾燥しやすい

採用している全館空調が送風式の場合は、設定温度よりも高い温度の空気が室内に送られるため、比較的乾燥しやすいとされています。そこで、床や天井にはヒノキなどの無垢材、壁には珪藻土や漆喰といった調湿効果が期待できる素材を使用し、できるだけ乾燥を防ぐ住宅を建てましょう。

また他にも、加湿器を導入したり、洗濯物を室内で干したりするなど、生活内での細かい対策を行うこともおすすめです。

部屋ごとの温度調節や急な温度変更ができない

全館空調は一般的に、家中を心地よい温度に保つ設備のため、部屋ごとに温度を変えたり、急に温度を変えたりすることは難しいです。つまり、住む人の希望に合わせた温度調節はできない場合が多いです。しかし、メーカーによっては、部屋ごとに温度や風量を調節することが可能な全館空調システムもあります。建てる場所の気候や、住む人の好みの温度感などをよく考えて、検討するのがおすすめです。

故障時のリスクが大きい

初期費用や電気代とは別に、メンテナンス費も備えておきましょう。全館空調の機器は、フィルターや内部の部品も一般的なエアコンや冷暖房設備とは異なるので、交換や定期点検などの際にかかるメンテナンス費も高くなりやすいと考えておく必要があります。全館空調にかかるメンテナンス費用の相場は、使用している空調システムや稼働状況などで異なりますが、年間でおよそ1~3万円ほどかかります。しかし、設備の一部が壊れてしまった場合など、修理が必要になった時は、故障した部分にもよりますが10万~数百万円の費用がかかることも。

故障を防ぐために、フィルター掃除や交換といった自分でできるメンテナンスを、普段からこまめに行っておくことが重要です。

●全館空調を導入する時に気を付けたいポイント

全館空調を取り入れる際には、メーカー選びやメンテナンス、断熱性能など、確認しておくべき点がいくつかあります。 

希望している方式の全館空調を販売しているのか確認する

ひと口に全館空調と言っても、さまざまな方式があり、それぞれ特徴や費用、設置方法が異なります。各タイプについて詳細を把握し、それぞれのメーカーがどのタイプを取り入れているのかを確認しましょう。

ダクトや機器を設置する位置を考慮する

風が直接体に当たったり、運転音が気になったりするストレスを感じることなく、全館空調のメリットを最大限に生かしながら快適に暮らすためには、ダクトの配置、機械室や吹き出し口の位置に考慮が必要です。後々のことを考えて、部品交換や定期点検などメンテナンスがしやすい設計にしておくことも大切でしょう。

メンテナンス方法を事前にチェックしておく

全館空調メーカーのほとんどは、2週間~1カ月に1度のフィルター掃除を推奨しています。また、フィルターは定期的に取り換えが必要な場合もあります。掃除方法や時期、定期点検の費用などについてはメーカーによって異なるため、事前に確認しておきましょう。

●全館空調はどのような方におすすめ?

先に述べたメリットやデメリットを踏まえて、全館空調の導入がおすすめなのは以下のような方です。

家族の健康を重視する方

全館空調は温度管理だけでなく、湿度調整や空気清浄機能も搭載していることが多いです。アレルギー持ちの家族がいる場合や、乾燥しやすい冬、湿気が多い夏でも健康的な室内環境を維持したい家庭におすすめです。

広い家や複数階の家に住んでいる方

延べ床面積が広い家や2階以上の階がある住宅では、個別のエアコンだと温度差が生じやすくなります。全館空調なら家全体の気温を一括管理できるため、部屋ごとの温度管理の手間が省けます。

家事やメンテナンスの手間を減らしたい方

全館空調は基本的に一元管理されるため、個別にエアコンやヒーターを操作する手間がかかりません。また、全体を一つのシステムで運用することから、定期的なメンテナンスもまとめて行えます。

デザイン性を重視する方

全館空調は配管や機器が目立ちにくい場所に設置されるため、部屋ごとにエアコンを設置する必要がなく、室内のデザインをシンプルに保てるため、インテリアにこだわりたい方や、見た目をすっきりさせたい方にも向いています。

●イシンホームの注文住宅づくりで、快適かつデザイン性の高い家づくりが可能!

イシンホームの「Eco-i換気システム」は、室内の空気を快適にする
イシンホームでは、全館空調と換気システムを兼ね備えた「Eco-i換気システム」で、省エネかつ快適な生活を実現させます。

Eco-i換気システムは、地中熱を利用した省エネルギー換気システム。冬は、外の冷たくて新鮮な空気を温めてから部屋へ送り、汚れた空気は外へ排出します。夏は、外の空気を床下で冷やしてから部屋の中に取り入れます。さらに、湿度を調整する機能も搭載しているので、乾燥を補う効果が期待できます。

【実例紹介】

吹き抜けに「Eco-i換気システム」を取り入れ、すっきりとした印象に
最後に、当社が手掛けた、吹き抜けにEco-i換気システムを導入した家を紹介します。

Eco-i換気システムのメリットを生かした、開放感たっぷりのリビングダイニング。空気を循環させることによって場所による温度のムラがなくなり、吹き抜けをつくることが可能になります。

一般的なエアコンの場合は冷暖房の効率が悪い吹き抜けも、Eco-i換気システムであれば家全体を冷暖してくれるため快適です。

全館空調は、家じゅうの温度差が少なく健康かつ快適に過ごすことができるほか、吹き抜けなど間取りの自由度を上げてくれます。ただし、コストやメンテナンスなど、事前に確認しておくべき項目もあるため、検討する際は今回の記事を参考にすることが大切です。気になることがあれば、いつでも気軽にご相談ください。

●まとめ

部屋ごとにエアコンや冷暖房設備を設置する個別空調と比べ、1つの設備で、家全体を一定の温度に保つことができる全館空調。年間を通じて快適な室内環境で過ごすことができるのが、大きな魅力です。

空調機器そのものは1台で、空調室や収納内に設置することが多いため、無駄な空間が生まれず、すっきりとした内観をかなえることができます。また、個別空調のように、何台も掃除やメンテナンスをする必要がないのもメリットです。

一方で、初期費用や電気代、故障時の修理費などが高くなるケースもあります。長い間心地よく住む家づくりのために、建てる場所の気候や住む人の好みの温度など、さまざまな視点から考えて、空調設備を検討することが大切です。

イシンホームでは、全館空調の導入も行っていますので、気になる方はお問い合わせをお願いします。

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本社(総合戦略本部)

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