家計にも環境にも優しいイメージがある「省エネ住宅」。耳にする機会が増えた一方、詳しいことはわからないという人は多いかもしれません。そこで今回は、省エネ住宅の種類をはじめ、メリットやデメリット、そして、検討する際の重要なポイントについてまとめました。ぜひ参考にしてくださいね。
●省エネ住宅とは
まず、省エネ住宅とは何なのか、定義を解説します。
冷暖房のエネルギー消費を抑えられて、一年中快適に過ごせる住宅
省エネ住宅とは、冷暖房のエネルギー消費を抑えながら、一年を通して快適に暮らすことができる家のことです。経済産業省・資源エネルギー庁では、断熱・日射遮蔽・気密の3つを省エネ住宅の柱と指定。2025年度以降は、住宅を含む全ての新築の建物に対して、省エネ基準への適合が義務化されます。
●省エネ住宅の基準を紹介
ここでは、全ての省エネ住宅においてベースとなる2つの基準について解説します。
一次エネルギー消費量基準
冷暖房、換気、照明、給湯、家電におけるエネルギー消費量の合計。建物の設計時に出した「設計一次エネルギー消費量」から、太陽光発電などの再生可能エネルギーで「創エネ」した量を差し引いた数値が、地域や建物条件などによって定められている「基準一次エネルギー消費量」以下であれば、省エネ基準を満たしていることになります。
外皮熱性能基準
室内外の温度差による、熱の損失量のこと。壁や屋根の断熱性能を表す「外皮平均熱貫流率(UA値)」と「冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)」によって評価されます。
外皮平均熱貫流率(UA値)は、住宅の外に出て行く熱量を外壁や屋根、床などの面積である外皮等面積で割った値。数値が小さいほど熱の出入りが少なく、断熱性能が高いということになります。
冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)は、室内に入り込む日射量を外皮等面積で割った値で、窓に求められる性能を示しています。数値が小さいほど日射熱の侵入を防ぐことができるということです。
南北に長い日本列島では、全国を8つの地域に区分して、それぞれ基準値が設けられています。
●省エネ住宅の種類を紹介
先述したベースとなる基準を満たし、それを上回る省エネ住宅について、詳しく解説します。
低炭素住宅
二酸化炭素の排出を抑えるための対策が取られた、環境にやさしい住宅のこと。2012年12月施行の「都市の低炭素化の促進に関する法律(エコまち法)」に基づき、「低炭素建築物認定制度」の認定を受けた住宅のことを指します。
ZEH(ゼッチ)
「ZEH」とはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略。断熱性・省エネ性能を高めることに加え、太陽光発電などでエネルギーを創り出すことにより、年間のエネルギーの収支をゼロにすることを目指す住宅です。
LCCM住宅
「LCCM」とは、ライフ・サイクル・カーボン・マイナス住宅の略称のこと。建設時や住んでいる時、そして修理および処分する時において、CO2排出量を最小限に抑え、さらに太陽光発電などを利用した再生可能エネルギーの創出により、ライフサイクル全体を通じてのCO2の収支をマイナスにする住宅です。ZEHよりもさらに高いレベルの省エネ性能・環境性能を有した住宅に位置付けられます。
性能向上計画認定住宅
高い断熱性を備え、太陽光発電設備や蓄電池設備などの高効率な設備を導入して「建築物省エネ法」で定められている基準をクリアした住宅。都道府県や市区町村によって認定されます。
パッシブハウス
ドイツのパッシブハウス研究所が開発した世界基準の省エネ住宅で、冷暖房負荷や一次エネルギー消費量、気密性などで厳しい基準が設けられています。2010年には、日本でも一般社団法人パッシブハウス・ジャパンが発足。日本の気候や風土に根差した省エネ住宅を目指しています。
●省エネ住宅のメリット・デメリット
省エネ住宅のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
<メリット>
光熱費が抑えられる
高断熱・高気密のため、室内の快適な温度を逃がしにくくなっています。冷暖房効率が上がり、光熱費を削減することが可能。さらに太陽光発電なども備えていれば、より光熱費を抑えられます。
健康で快適な暮らしが可能に
夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる構造で、一年中快適に暮らすことができます。室内の温度差が少ないため、冬場に多いヒートショックの予防や、夏場の熱中症予防にもつながります。
結露が少なく、住宅が傷みにくい
高断熱・高気密施工により、室外と室内の温度差による結露の発生を抑えることができます。結露は、アレルギーやアトピーの症状を引き起こす原因ともなるカビやダニの発生につながるほか、柱や梁などの構造材が腐ってしまうなど、建物の寿命にも影響を及ぼします。
<デメリット>
設備費・住宅価格が高い
省エネ住宅は一般的な住宅よりも特殊な構造をしているため、どうしても初期費用がかかってしまいます。
依頼できるハウスメーカーが限られる
省エネ住宅について理解し、定められている基準通りの設計や施工が可能な業者は限られています。過去の実績を確認するなどして、補助金や減税制度などにも詳しいところを選ぶことが重要です。
●省エネ住宅にするために押さえておきたいポイント
後悔のない家づくりにするためにも、プランニングの際に、どうしたら省エネ住宅をつくることができるのか理解しておきましょう。ここでは、省エネ住宅にするために押さえておきたいポイントを紹介することはもちろん、補助金などの費用面についても解説します。
断熱・気密の性能を高くする
断熱とは、壁や屋根、窓などを通じた熱の移動を少なくすること。外気や太陽熱の出入りを防ぎ、室内の空気を逃さないことで、快適な室温を保ちます。性能の高い断熱材を使用するほか、樹脂サッシやLow-eガラスなど、窓の性能を高くすることが大切です。
第一種換気システムを採用する
外気をそのまま取り込む第三種換気システムではなく、外気を取り込んだ後に熱交換を行い、快適な温度の空気にして部屋に送り込む第一種換気システムを採用することがおすすめ。換気による温度変化を防ぎます。
補助金・減税について調べる
先述した通り、省エネ住宅の施工はコストがかかるもの。しかし、長期的にみると光熱費を抑えられるうえに、補助金や減税制度が適用されることがあります。申請期間が定められているものが多いため、ハウスメーカーなどに相談しましょう。
以下では、2種類の補助金について簡単に説明します。
ZEH補助金
ZEH住宅を新築、もしくは新築建売のZEH住宅を購入した場合に受けられる補助金制度を指します。 戸建て専用住宅であること、登録されたZEHビルダーかZEHプランナーが設計、建築、または販売を行うことが要件です。
こどもエコすまい支援事業
2023年に始動した補助金制度。一定の省エネ性能をもつ新築住宅を建築もしくは購入すると、最大100万円の補助金が交付されます。対象となるのは、18歳未満のこどもがいる世帯、もしくは夫婦のいずれかが39歳以下の若者夫婦世帯です。
●イシンホームの省エネ住宅で、光熱費ゼロを実現しよう!
イシンホームは、省エネ・創エネ設備が充実した家。太陽光パネルとガルバリウム銅板という耐久性に優れた素材でつくられた7層の屋根で、高収益と優れた断熱効果を実現します。加えて、地熱を利用した「Eco-i熱交換換気システム」で24時間換気。窓にはLow-Eガラスや樹脂サッシを使用しているため、断熱性を高めてエネルギー消費を抑えることができますよ。
さらに、エコキュートで夜間電力を効果的に利用。さまざまな省エネ設備の充実によって光熱費ゼロを目指します。また、それらの設備は標準仕様となっているため、初期費用も抑えられてお得です。
今回、省エネ住宅について詳しく紹介しました。標準設備が整っているうえに、施工実績が豊富なイシンホームに、お気軽にお問い合わせくださいね。