インテリア雑誌や住宅展示場などでよく見かけるスケルトン階段。開放的でデザイン性が高く、ワンランク上の家づくりができるとして、人気を集めています。どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。今回の記事では、スケルトン階段の魅力や注意点などについて、当社が手掛けた実例も交えて紹介します。
●スケルトン階段とは
スケルトン階段とは、踏み板とそれを支える骨組みだけで構成されている階段。段と段をつなぐ蹴上げ板という垂直の板や手すり壁がないのが特徴で、オープン階段やシースルー階段、スリット階段などとも呼ばれます。開放感のある空間を生み出せるため、吹き抜け構造のリビング階段と相性が良いといわれています。
●スケルトン階段のメリット・デメリット
スケルトン階段にはどのような特徴があるのでしょうか。気になるメリットとデメリットについて紹介します。
メリット
・デザイン性が高い
木材やスチール材、アルミ材といった材料やその組み合わせ、さらには、直線型やL字型、U字型などの形状を自由にオーダーメードできるというデザイン性の高さが魅力。見た目にもハイセンスでインパクトもあり、空間のアクセントとして重要な役割を果たします。
・採光性が高い
段と段の間に板がないため、間から自然光や照明の光が差し込んで明るい空間を演出。開放的な雰囲気で、限られた場所でも圧迫感が少ないというメリットがあります。
デメリット
・コストがかかる
デザイン性を求めることによって、材料費や工事費用などが、一般的な階段に比べて高くなってしまう傾向があります。設計の際には、費用についてもよく確認するようにしましょう。
・家全体に音が伝わりやすい
蹴上げ板がなく、階段の下などが見えるスケルトン階段は、採光に優れている一方、音が伝わりやすいです。特に、リビングに設置した場合は、テレビの音が2階に響いたり、2階で騒ぐ子どもの声が1階の来客に聞こえたりといったケースも。そのため、2階のドアを気密性の高い防音タイプにする、2階の壁や床の内部に遮音シートを設置したり、家づくりの段階から吸音材を使用することを検討したりといった対策をおすすめします。
・冷暖房効率が下がりやすい
スケルトン階段は風通しがいい一方で、冷暖房効率が下がりやすいというデメリットがあります。部屋の温度を一定に保つ全館空調と組み合わせたり、ペアガラスで断熱効果を高めたりといった対策も考えておきましょう。
●設置する際に押さえておきたいポイントは?
スケルトン階段を実際に取り入れる場合、どのようなことに注意すればいいのでしょうか。あらかじめ押さえておきたいポイントを紹介します。
設置する目的を明確にする
なぜスケルトン階段にするのか、設置する目的をはっきりさせることが大切。開放感、デザイン性、家族とのコミュニケーションなど、具体的な目的について、まずは家族でしっかり話し合い、イメージしておきましょう。その中で、先述のデメリットについても検討し、必要な対策を考えてください。
インテリアとの調和や将来について考慮したデザイン選択をする
デザインや材料を自由に決めることができるスケルトン階段を取り入れる際、ポイントとなるのはインテリアとの調和。リビングやダイニング、玄関ホールなど、設置する場所全体のバランスを考えたうえで、違和感のないデザインや材料、色などを選ぶようにしましょう。併せて、長く快適に暮らすために、将来のライフスタイルの変化なども考慮しておくことをおすすめします。
安全性を重視する
段と段の間に隙間が空いているため、小さな子どもやペットが誤って落下し、けがをするリスクがあります。必要に応じて、一時的に隙間にパネルをはめ込んだり、落下防止ネットを付けたりしておくと安心です。また、老後のことも考えて、握りやすい太さや材質の手すりにするなど、安全面にも配慮しておきましょう。
●【実例紹介】イシンホームの注文住宅づくりなら、便利でデザイン性の高いスケルトン階段が実現可能!
最後に、当社が手掛けたスケルトン階段のある家を紹介します。
数奇屋風をベースにして日本調の素材を活かした和モダンの家「四季-ZEN」
広いリビングの中央に設けたスケルトン階段。奥に広がるワイドパノラマ庭園を遮ることなく、一体感を楽しめます。木をふんだんに使った和モダンなリビングダイニングとの調和も取れていて、魅力的な空間に。
●まとめ
スケルトン階段は、一般的な階段に比べて開放的でデザイン性が高く、家の雰囲気をぐっとおしゃれにしてくれます。今回の記事を参考に、それぞれのライフスタイルや将来設計、安全性などについて家族で熟考し、ぜひ設置を検討してみてください。気になるデメリットは、設備などでカバーすることができます。希望に応じたアドバイスもさせていただきますので、気軽にご相談ください。