リモートワークに最適なプランニングで、仕事の効率をアップ!これからの注文住宅は、ワークスペースの充実がポイントです。


コロナ禍で一気に増えたリモートワークにともない、注目されるワークスペース。注文住宅で間取りを考える上で大きな関心を集めています。ワークスペースの充実で快適にリモートワークができる住まいは、メリットがたくさん。そこで注文住宅を建てる際につくるワークスペースの基本知識から上手なプランの考え方など、役立つ情報を厳選してお届けします。

●ワークスペースとは

「ワークスペース」とは、仕事や勉強、家事などをする作業スペースのこと。コロナ以降、自宅でのリモートワークを導入する企業が増え、リモートワークをするための場所として一気にニーズが高まっています。これから注文住宅を建てようとする方の多くは、「ワークスペース」が必要としており、その上手なプランニングのポイントをしっかり押さえておきたいものです。

◇書斎との違い

以前は、家で仕事をする場所といえば書斎でしたが、昨今の住宅事情では真っ先に削られる部屋になっていました。ワークスペースは書斎よりもオープンなスタイルが主流。書斎は一般的に特定の人が使用する個室ですが、ワークスペースは家族全員が兼用して使用するケースもあります。また、書斎が6畳もしくは4畳半と一定の広さを持つ部屋が多いのに対し、ワークスペースは自由なスタイルでデッドスペースを活用したり、狭い空間にもつくりやすいという特徴があります。


●リモートワークに必要な環境

出典元:厚生労働省「自宅等でテレワークをおこなう際の作業環境整備」

厚生労働省では、リモートワークの適切な導入や実施に必要な環境整備に関するガイドラインを提供しています。ガイドラインで示されているのは、「部屋」、「照明」、「室温・湿度」、「窓」、「家具・パソコンなど」の5項目です。

◇部屋   

業務に十分なスペースが確保されているか

転倒しないよう整理整頓されているか

◇照明   

業務に支障がない十分な明るさにすること

机上は照度300ルクス以上

◇室温・湿度       

冷暖房や通風を利用し、室温18~28°C/湿度40~70%を目安に

作業に適した温度や湿度に調整すること

◇窓       

空気の入れ換えを行うこと

ディスプレイに太陽光が入射する場合は、窓にブラインドやカーテンを設けること

◇机、椅子、PC

目・肩・腕・腰に負担がかからないように配慮し

無理のない姿勢で業務をおこなうこと

●ワークスペースのメリットとデメリット

Asian woman working from home using computer and drinking coffee in her bedroom document finance and conference online meeting for new projects

<ワークスペースのメリット>

仕事などの作業に集中しやすい環境が得られるのが最大のメリット。仕事の場所が明確になることでオン・オフの切り替えもスムーズになります。また一人になれるプライベート空間としても活用できるのも魅力です。

仕事の生産性の視点では、パソコンや資料などの仕事に必要な資料などを置く場所も一か所にまとめられるので、効率も上がります。家事などのすき間時間を活用して作業をすることもでき、作業途中の場合もそのまま置いておけるなどのメリットもあります。

 ◇仕事に集中できる

 ◇オン・オフの切り替え

 ◇プライベート空間

 ◇作業効率が向上する

 ◇家事などのすき間時間の有効活用

<ワークスペースのデメリット>

ワークスペースの使い勝手が悪いと使用する頻度が減ってしまい、パソコンや資料の置き場になってしまい、せっかくのスペースが無駄になってしまいます。ワークスペースをつくる際には、使いやすいように工夫することが大切です。

また、収納が少ないとワークスペースが物でいっぱいになり、作業効率も下がってしまうため、収納スペースを確保しておきたいもの。ワークスペースは、住まいの限られたスペースを利用するため、無駄なスペースになってしまわないようにしっかり考えてつくることが大切です。

◇使用頻度が少ないと荷物置きになってしまう

◇収納が少ないと、物があふれてしまう

◇家族で過ごす時間が減ってしまう

●注文住宅にワークスペースを取り入れる際のポイント

リモートワークは、通常の業務を自宅で行うことになりますから、メールやチャット、web会議などを利用できるパソコンとインターネット環境は必須になります。

ここではワークスペースで、リモートワークを快適に行うためには、どのようなポイントに注意したらいいかを整理しておきます。

◇必要な広さ

ワークスペースは、デスクとイス、書類収納や本棚を置く広さがあれば最小限のニーズは満たせます。例えば、1畳程度の広さがあれば、奥行き70㎝・幅100cmの机と縦横50cm以内のイスを設置でき、ワークスペースをつくることができます。一部屋を用意しなくてもこのくらいの空間であれば、リビングの一角や階段の踊り場などに確保できます。

部屋の一角にワークスペースをつくるなら1畳~2畳、個室をつくるなら3畳以上の広さを目安に考えてみましょう。

◇防音対策

生活スペースで仕事をする場合、どうしても生活音や外からの音が気になって作業に集中できないこともあります。またweb会議中に家族の話し声が邪魔になったり、逆に会議がうるさく、家族に迷惑をかけてしまうこともあります。

完全な防音室をつくるほどではなくても、以下のような防音対策で音への配慮をしていきましょう。

吸音パネルを壁や天井に使い、声の反響を抑える

防音カーテンやパーテーションでスペースを仕切る

遮音性の高いドアを設置する

ノイズキャンセル可能なイヤフォンや、高機能な専用マイクを使用する

◇セキュリティ

リモートワークをする場合、取り扱う情報や会社の規定によっては、セキュリティ対策が必要になります。自宅での業務は「家族に仕事の内容を見られる」「顧客との会話が家族に聞かれる」というケースが往々にしてあります。多くの会社の規定では、家族であったとしても、業務上に知り得たことは教えてはいけないルールがあります。会社の就業規則等をチェックして必要であれば、ワークスペースを完全に独立した個室にするか、以下のような対策を考えましょう。

<自宅でできるセキュリティ対策>

鍵付きの引き出しを置くスペースをつる

web会議や電話専用部屋をつくる

パソコン画面を見られない配置にする 

●ワークスペースをつくる時の注意点

では注文住宅で実際にワークスペースをつくる際の注意点は何か。検討が必要な項目を簡単に整理しておきます。

◇コンセントの数

仕事で使うPCや家電、照明などの電源としてワークスペースには複数のコンセントが必要です。あらかじめ仕事の環境に必要なコンセントの数を検討して設置しましょう。また、デスクからの位置や、壁面の位置、足元などコンセントを使用しやすい場所に設置することもポイントです。

◇インターネット環境

リモートワークに欠かせないのがインターネット環境です。回線が不安定な状態では業務がスムーズに行えませんので、web会議や大容量のデータを送受信に対応可能な通信速度も重要なポイントとなります。ワークスペースのインターネット環境が安定するように、ルーターの位置に注意したり必要に応じて有線LANの対応なども検討しましょう。

◇空調・環境・採光

仕事しながら長時間過ごすことを考慮し、ワークスペースの環境を整えることも大切です。まず、空調設備や換気口、もしくは換気できる窓を設置することを検討しましょう。窓は採光も確保でき、快適さを向上させます。また「ワークスペースで、調理をしたり火器を扱う作業を行う場合は、換気扇が必要になります。

◇収納

仕事に必要な書類や資料を収納する棚やキャビネットがあると便利です。作業の内容に合わせてPCやディスプレイ、プリンターなどの機器を設置できるように棚などのサイズや位置も検討が必要です。また、ワークスペースのデザイン性を高めたい人には、飾り棚などのインテリア家具を置くと、空間のアクセントにもなりオススメです。

◇別の用途でも使えるようにする

ワークスペースをつくる際には、仕事以外の用途にも使えるようにすることもポイントです。仕事の環境の変化や転職など、将来ワークスペースで仕事をしなくなる可能性もあります。そんなケースでも、ワークスペースを趣味の空間や子どもの勉強スペース、家事スペースとして活用使えれば、空間が無駄になりません。

例えば、オープンタイプのワークスペースなら、仕事に使っていない時には他の家族も使えるようにしたり、個室タイプなら、間仕切り壁を可変型にしておくと、必要なくなった時には大きな部屋にすることも可能です。長く快適に活用できるように、汎用性の高さも考えておきたいものです。

●ワークスペースのタイプ

ワークスペースは通常の部屋と同じ個室タイプに加え、共用空間の一角に設けるオープンタイプ、階段の下など閉鎖空間ではないものの、やや視線の届きにくい場所に設けるセミオープンタイプの3タイプに大別できます。ここでは、タイプごとの特徴を見てみましょう。

◇個室タイプ

個室として他の生活空間と完全に分離したタイプ。オン・オフの切り替えが明確になり、作業に集中でしやすい環境が保てます。また、個室の場合でもLDKの近くに配置し、室内窓やガラス扉を採用することで空間につながりをもたせると、家族とのコミュニケーションがとりやすくなります。

◇オープンタイプ

LDKなどの一角にカウンターやデスクを設けワークスペースにするタイプです。家族と同じ空間で作業したいかたや、育児と仕事を両立したい方などに向いています。また、家事の合間に他の作業ができる家事コーナーや、お子さまの勉強コーナー、パソコンコーナーなど、家族共有の作業スペースとしても活用できます。

◇セミオープンタイプ

住まいの広さ的に個室を作れない場合や、個室では窮屈に感じる方、家族の気配も感じながら作業したい方にオススメのタイプです。程よくこもり感のある半個室タイプを設けるのがおすすめです。階段の下やロフトなど、やや視線の届きにくい場所やパーテションで仕切ってスペースを確保します。

●ワークスペースをつくる場所

① リビングの一角

住まいの中でも広い空間が確保されたリビングは、ワークスペースがつくりやすい場所です。机やパソコンなどを場所も確保しやすく。ワークスペースをつくりたいけれど空間に余裕がないときなどにオススメ。広いダイニングテーブルがあれば、そこで作業をすることも可能です。

ただリビングは家族で過ごす生活空間なので、仕事への集中という面では個室などに比べ環境的に劣るかもしれません。一方で、仕事をしながら家事や子どもの様子を確認できるというメリットもあります。

② 階段下のデッドスペース

デッドスペースになりやすい階段下は、収納空間が作られることが多いですが、ワークスペースににも活用できます。家族の視線や気配から適度に隔てられるので、落ち着いて仕事ができるメリットもあります。ただし、階段下なので頭上の圧迫感や足音が気になる可能性もあるので注意が必要です。

③ 階段の踊り場や廊下の一角

階段の踊り場や廊下の一角という共用空間をワークスペースとして活用するケースもよく見られます。家族と適度にコミュニケーションを取りながら作業できることもメリットといえます。狭いスペースを有効活用できるよう造り付けのテーブルや棚を手配することもオススメ。来客時は、仕事の様子が目に入る可能性がある場所なので、セキュリティへの配慮や雑然とならないような収納家具も用意したいものです。

④ キッチンの一角

キッチンの一角にワークスペースをつくれば、料理や家事の合間を活用して仕事をするスペースとして便利に使えます。小さなお子さまの様子を見ながら家事と仕事を両立させたいという方に適したタイプです。キッチンの一角にワークスペースをつくる場合には、家事動線をよく考え邪魔にならないような場所を考えましょう。

⑤ 収納スペースの一部

広めのウォークインクローゼットの一角をワークスペースとして活用するケースが代表的な例。ワークスペースと収納を同時に確保できるため、限られた住空間を有効に活用できます。ただし、場所によっては換気や空調ができないなどの問題が生じることがありますので慎重に検討してください。

⑥ 寝室の一角

寝室はプライバシーが確保されているので、集中して仕事ができるというメリットがあります。日中は個室に近い感覚で利用でき、web会議などでも生活音を気にすることなくできることがメリットです。ただし夜遅くまで仕事をする場合は、寝室での作業が難しいことを考慮しておくことが必要です。

●ワークスペースの設置は新築時がおすすめ

ワークスペースは後からつくることもできますが、住宅の建築時につくるのがベターです。理由としては、以下のようなことが挙げられます。

◇家全体のバランスから考えられる

ライフスタイルや生活動線などを考慮して設計された家に、後からワークスペースをつくる場合、ワークスペースが邪魔になったり不便さが生じることもあります。新築時からワークスペースを計画しておけば、生活動線など家全体のバランスを考えて、ワークスペースをつくれます。そのため間取りのバランスもよくなり、快適さも保たれます。

◇造作家具がつくれる

造作家具とは、オーダーメイドの家具や作り付けの家具のこと。空間に合わせて設計・製作される家具なので、サイズや雰囲気など統一感が保てます。ワークスペースに後から購入したテーブルや椅子を置くと圧迫感を覚えることがあります。造作家具ならばワークスペースにフィットしたサイズで設計・製作されるため、快適さを損なうこともありません。

◇費用や手間がかかる

当然ですが建築費とは別に費用がかかります。また、既存の間取りを考慮してスペースを確保する手間がかかり、造作家具やコンセントの費用は新築時より高額になる可能性があります。

FAQ

Q.DENとの違いは

A. DENとは、英語で「獣の巣穴」を意味する「den」から転じて隠れ家的な空間を意味するようになりました。設計上は居室にならないサービスルームの扱いで、仕事や個人の趣味を楽しむための小さな部屋を指すことが多いです。どちらも多目的な空間ですが、ワークスペースの方がより仕事の空間としての性格が強くなっています。

Q.広さ一畳でも作れますか

A. 1畳程度の広さがあれば、奥行き70㎝・幅100cmの机と縦横50cm以内のイスを設置でき、ワークスペースをつくることができます。

Q.リモート会議の映り込みが気になるのですが

A. web会議で背景にプライベートな部分が映り込むのは抵抗を感じます。画面の背景に部屋が映らないような対策は以下のようになります。

・パーテーションで、背景を隠す

・天井にカーテンレールを取り付けて、カーテンで仕切る

・web会議ツールのバーチャル背景を利用する

.まとめ

ひと口にワークスペースと言っても千差万別。仕事の内容やライフスタイルの違いで求められる空間づくりは大きく変わります。イシンホームは、豊富なワークスペースづくりの経験を元に多彩な提案で納得のワークスペースを実現します!ワークスペースづくりの疑問やお悩みはぜひイシンホームにご相談くださいね。

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本社(総合戦略本部)

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