
近年人気の住宅スタイルとなっている「ガレージ付きの平屋」。車好きな方はもちろん、子育て世代やセカンドライフを楽しむ方にも注目されています。今回は、“平屋ガレージハウス”の魅力や間取り事例、コスト、設計の注意点まで、購入前に知っておきたい情報をまとめて紹介します。
目次
平屋ガレージハウスとは?人気の理由とガレージタイプの選び
平屋ガレージハウスとは一体どのようなものなのか、まずは詳細と人気の理由を紹介します。
平屋とガレージは相性がいい?
ガレージハウスというと、1階にビルトインガレージ、2階に居住スペースという狭小住宅向けの仕様をイメージする人も多いのではないでしょうか。しかし、ビルトインガレージは平屋との相性も抜群。建物の構造がフラットな平屋はガレージへのアクセスもスムーズで、車と生活空間をより密接にすることができます。その結果、移動の手間が減るので、子どもから高齢者まで使いやすい空間が実現できるのです。
平屋ガレージの人気が高まっている理由
近年、少人数世帯や高齢者世帯が増えていることから、シンプルで暮らしやすい平屋が人気を集めています。国土交通省の「建築物着工統計」によると、平屋の着工棟数は2012年が30,604件であるのに対し、2022年は57,022件とほぼ倍増。バリアフリーで地震や台風などの自然災害にも強いことも、人気の理由となっているようです。
一方、リモートワークの普及や生活スタイルの多様化によって、柔軟な使い方ができるガレージハウスの人気も高まっています。その結果、両方を兼ね備えた平屋ガレージにも、注目が集まっているのではないかと考えられます。
ガレージのタイプ別比較
住宅にガレージを設ける場合、主なタイプは次の3種類です。
・ビルトイン
住宅内部にガレージを取り込んだタイプ。住宅と駐車スペースが一体化しているので、住宅の設計段階から予算や間取りを組み込んでおかなければいけません。生活上の利便性と防犯性が高い上に、理想通りにデザインしやすいという傾向があります。
・独立型
住宅とは切り離して建てるタイプ。四方を屋根や壁、シャッターなどで完全に囲まれているため、音が伝わりにくく、DIYのような作業をするのに適しています。
・カーポート型
簡易的な屋根のみが付いたタイプ。開放感はありますが、防犯性は低く、雨風が横から入ってくることも。ただし、その分費用は安価で、住宅完成後に設置しやすいのも魅力です。
おしゃれ&機能的!平屋ガレージハウスの事例集
イシンホームが実際に手掛けた、おしゃれで機能的な平屋ガレージハウスを紹介します。
事例1

老後まで喜ばれる贅沢な設計の平屋。屋根の大きさを生かし、居住スペースに大型ソーラーを搭載。インナーガレージには標準仕様で200VのEV車充電アダプターが付いています。
事例2

若い世代に大人気のモダンなモノトーンデザイン。平屋のガレージハウスなら、駐車スペースもスタイリッシュにまとまります。ガレージから室内までは、屋根付きのポーチを通って移動できるので、雨の日も安心です。
事例3

LDKの大きな窓から、大切な愛車をいつも眺められる間取りが自慢。インナーガレージには、洗車ができるようにスロップシンクが設置されています。真夏や雨の日でも屋根の下で洗車できるのは、うれしいポイントです。
イシンホームのガレージ付き注文住宅「GX-ZEGA」とは?
「GX-ZEGA(ジーエックスゼガ)」は、当社が提供するガレージ付きの豪邸プラン。インナーガレージや都市型ガレージを搭載しています。このプランのコンセプトは「一生エネルギーを極力買わない標準仕様」。太陽光発電でエネルギーを創出し、節約や売電によって生活費の支払いを楽にする住宅です。
ライフスタイル別「平屋 ガレージハウス」の間取りアイデア
平屋ガレージハウスの間取りのアイデアを、ライフスタイル別に紹介
夫婦+子ども2人
子どもが巣立った後のことも考え、コンパクトな設計に。家族が長時間LDKで過ごせるよう、リビングの一角に子どもが勉強できるスタディスペースを設けるのもおすすめです。ガレージは小さな子どもが遊べるように広々と。動線を工夫してガレージの先に中庭を作れば、人目を気にせずバーベキューや花火も楽しめるでしょう。
50代夫婦
老後を過ごす家であれば、部屋数は最小限で良いでしょう。動線もなるべくシンプルにして、将来車椅子が必要になった時にも暮らしやすいよう、通路は広めに設計するのがおすすめです。そして玄関をビルトインガレージ内に配置すると、風雨を気にせず出入りが可能に。買物後の荷物の積み下ろしはもちろん、車椅子での出入りもしやすくなるでしょう。
趣味優先
DIYや車、釣り、そのほかコレクションなど、趣味優先の生活を送りたい人は、それに合わせた仕様を検討することが大切。例えば、釣りやキャンプグッズの手入れをしたい人は、広々とした土間を備えたオープンスタイルがおすすめ。室内から車を眺めたい人は、ガレージとリビングの間に、窓を設けると良いでしょう。
二世帯
二世帯住宅を平屋のガレージハウスにしようとすると、とても広い土地が必要になります。できれば親世帯と子世帯の車を別々に停められるよう、インナーガレージは別々に設置するのがおすすめ。さらに、中庭で居住スペースを区切り、共用のエントランスを設ければ、平屋でもプライバシーを確保しやすくなります。
将来EV対応
将来のことを考えれば、EV車の充電に対応しておくことも大切です。まずはソーラーパネルを設置し、自家発電できる環境に。その上で、インナーガレージには、充電アダプターを設けましょう。
平屋 ガレージハウスのメリット・デメリット比較
平屋ガレージのメリット・デメリットは次のとおりです。
メリット
・生活動線がより短くなる
・老後のバリアフリー対策になる
・小さな子どもも安全に移動できる
・天候に関わらず、車に乗り降りしやすい
・車の傷・汚れ防止や、防犯対策になる
・天候に左右されず、車をメンテナンスできる
・住宅とガレージのデザインの統一感が増し、おしゃれに見える
デメリット
・居住スペースが狭まるリスクがある
・建築費用が高額になりやすい
・車のエンジン音が室内に響きやすい
・排気ガスが住宅に侵入しないように、排気ダクトや換気扇などの対策が必須
どんな人に向いている?
平屋のガレージハウスは、コンパクトな住まいを求める人や、移動しやすく暮らしやすい家を求める人におすすめ。また、外観のデザイン性にこだわりたい人にも向いています。一方、土地が狭すぎる場合は居住スペースが圧迫されるリスクが高いので向いていません。
平屋 ガレージハウスの費用感は?資金計画も慎重に

ビルトインガレージは、一般的なカーポートより価格が高い傾向があります。また、住宅の設計当初から計画に入れる必要があり、途中でやめると設計が大幅に変わってしまうので、慎重に資金計画を立てた上で組み込むことが大切です。
30坪の場合の平均費用イメージ
一般的に、ビルトインガレージの費用相場は、坪単価50万~80万円と言われています。車1台分に必要な坪数は最低5坪程度なので、1台分のガレージに必要な費用は250万円以上。余裕を持って車の周囲を通ろうと思うと8~9坪程度は欲しいので、400万円以上かかります。
30坪の平屋にビルトインガレージを設ける場合、駐車スペースは1台分になるので、250万円~400万円は見ておくべきという計算になります。
コストを抑えるための工夫
ビルトインガレージは設計段階での計画が非常に重要です。まずは、設計担当者と相談しながら、無駄なスペースや材料の使用を避けましょう。具体的には、ガレージの柱や壁の距離(スパン)が6mを超えるかどうかによって、費用が大きく変わります。その理由は、6mを超えると建築基準法に基づいた複雑な構造計算が必要になるから。設計や確認申請にかかる費用が1~2割上がる傾向があります。
また、ガレージに使用するシャッターも種類によって大きな価格差があるので、予算に合うものを選ぶことが大切です。
EV充電や太陽光発電でのコスト削減例

EV充電や太陽光発電を導入することで、売電や電気代の節約を行う方法もあります。そうすれば、住宅完成後に浮いたコストをローンの返済に補填できます。
ただし、そのために高額な導入費を払ってEV充電や太陽光発電を設置するのでは本末転倒。予算オーバーして、返済に苦しむことになりかねません。その点、イシンホームの「GX-ZEGA」なら、ソーラーパネルもEV車充電アダプターも標準装備。オプション費用を気にすることなく導入できます。
後悔しないための「平屋 ガレージハウス」設計ポイント
完成後に後悔しないように、平屋のガレージハウスの設計段階で注意するべきポイントを紹介します。
設計時に見落としがちな注意点
・欲しい車が入るだけの十分な広さ・高さがある
・居住空間が犠牲になっていない
・居住空間や近隣住宅への騒音・振動対策ができている
・換気対策や湿気対策を行っている
・適切な予算内に収まっている
・家の強度に問題はない
・スムーズな生活動線になっている
ガレージハウスの設計フローと準備ステップ
平屋のガレージハウスを建てる際は、次のステップで準備を行うのがおすすめです。
1:ガレージの用途を明確にする
まずはガレージをどのように使うのか決めることが大切。車の保管だけでなく、工具や趣味の道具の収納、DIY、子どもの遊び場など、さまざまな用途が考えられます。それに合わせて、広さはもちろん、適切な床材や壁材、間取りが変わってくるでしょう。
2:必要な車台数と将来の増減を見積もる
せっかくガレージを造ったのに、欲しい車が停められないと台無しです。ビルトインガレージは簡単には建て替えられないので、収まるサイズの車で我慢することになりかねません。そんな失敗をしないためには、将来乗る可能性がある車のサイズや台数を見積もったうえで、適切な広さを準備することが大切です。
3:敷地条件と建ぺい率・容積率とのバランスを考える
住宅を建てる場合、さまざまな規制によって、土地の広さに対して建造できる建築物の規模が制限されています。その代表的なものが、住宅を建てる土地の種類ごとに上限が定められた「建ぺい率」と「容積率」です。
建ぺい率は、敷地面積に対する建築面積の割合のことを指し、ビルトインガレージの面積もこれに含まれます。一方、容積率は敷地面積に対する建物の延床面積の割合のことを指し、ビルトインガレージについては延床面積の5分の1まで計算から除外できるという緩和措置が設けられています。この緩和措置部分は固定資産税がかからないため、節税の目的でビルトインガレージを広く取ろうとする場合もありますが、その分居住スペースが圧迫されたり、構造上の問題が発生したりする可能性もあるので、バランスが大切です。
4:必要に応じて部分採用も検討する
設備全体の必要性をよく考えて、部分採用を行う方法もあります。特に収納スペースなどは、自らDIYする人も珍しくないようです。
よくある質問
最後に、よくある質問を紹介します。
30坪の土地でもガレージ付き平屋は可能?
可能です。駐車スペース1台分で、屋根裏収納などを作れば、2LDKほどの平屋は造れます。
平屋 ガレージハウスの防犯対策は?
防犯性の高いシャッターを選んだり、防犯カメラを設置したりする方法があります。窓からの視線が気になる場合は、フィルムを貼るのも有効です。
冬場の結露・湿気対策はどうすれば?
結露は外と中の温度差によってできるので、まずはしっかりとした換気設備を設置することが大切です。また、気密性の高いガレージの場合は、エアコンをつけて温度管理するのも有効です。
太陽光やEVは後付けでも対応可能?
可能ですが、別途費用がかかります。「GX-ZEGA」では標準仕様に含まれているので、建築時に導入すれば追加費用は発生しません。
まとめ
これからもますます人気が高まってきそうな平屋住宅。より利便性やデザイン性を求める方は、平屋のガレージハウスを検討してみてはいかがでしょうか?家の広さや予算など、気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。

