
新築で和室をつくるか迷っている方には、リビング横に設ける間取りがおすすめです。子どもの遊び場や来客対応、家事スペース、将来の寝室など、子育て期から老後まで幅広く活用できます。この記事でわかるのは、リビングとのつなげ方を決める広さ・仕切り・段差の選び方と、和室を設けるメリットや注意点、イシンホームの実例の4点です。後悔しない和室づくりの判断材料として、ぜひ参考にしてください。
リビングに和室を設けるメリットは?
リビング横の和室には、子育て期間から老後まで活躍する便利な活用法がたくさんあります。まずは、そんなメリットについて紹介しましょう。
●おむつ交換など育児に便利
畳はフローリングよりも柔らかいため、赤ちゃんのおむつ交換やお昼寝スペースとして重宝します。プレイマットを敷かなくても転倒時の衝撃を吸収してくれる上に、寝汗などの湿気で床板が白けてしまう心配もありません。さらに、リビング横なら子どもを寝かせたままで、大人はリビングやキッチンで家事や作業をしながら見守ることもできるでしょう。
また、子どもが歩き回れるようになってからは、畳が足音を吸収してくれるので、騒音予防効果も期待できます。さらに畳にはクッション性があるので、万一転倒してしまっても怪我をしにくい点も魅力です。
●来客対応に使える

お客さんが家を訪れた際、おもてなしできるスペースが欲しい人もいるのではないでしょうか。和室は、そんな応接間のような役割も果たしてくれます。しかも、リビング横ならキッチンからの動線がスムーズなので、お茶やお菓子が出しやすくて便利ですよ。
●ちょっとした休憩場所や、作業場所になる
家事や育児の合間にちょっとした休憩を挟みたい時にも、リビング横の和室は活躍します。畳の上なら、疲れてむくんだ足を思い切り伸ばしたり、気軽に横になったりできるので、リラックスしやすいでしょう。
また、アイロンがけや洗濯を畳む作業、縫い物、趣味などを行うスペースとしても活用できます。
●老後に寝室として使えば、1階だけで生活できる

リビング横の和室を、将来的に寝室として活用することも可能です。歳を取ると、毎日階段を上り下りして2階の寝室で寝るのは大変です。そんな時、1階に和室があれば布団を敷いて寝られるので、1階だけで生活を完結させることができるでしょう。
通常の独立した和室は日常生活でわざわざ足を運ぶ機会が少なく、来客時にしか使わなかったり、物置化してしまったりするケースが少なくありません。しかし、リビン横ならこれだけ多くの活用法があるので、普段から気軽に使えて便利ですよ。
リビング横和室のパターン
リビング横の和室は、形状や広さなどにさまざまなパターンがあります。それぞれの用途や住まいの面積に合わせて、最適なものを選びましょう。
●フラットタイプ or 小上がりタイプ
リビング横に和室を設ける場合、リビングと床の高さをそろえる「フラットタイプ」と、和室の床を一段高くする「小上がりタイプ」があります。
・フラットタイプ
リビングと和室が一続きに見え、空間を広く感じやすいのがメリットです。段差がないため、小さな子どもや高齢者も移動しやすく、バリアフリーにも対応できるでしょう。仕切りを開ければリビングの延長として使え、子どもの遊び場や家事スペースなど、日常使いを重視する家庭に向いています。
一方、リビングのホコリが畳に上がりやすいため、こまめな掃除が必要です。
・小上がりタイプ
リビングとの間に段差を設けることで、同じ空間にありながら和室を緩やかに区切れます。リビングのホコリが畳に上がりにくく、段差に腰掛けたり、床下を収納として利用したりできるのがメリットです。畳の上で横になったり、来客時の宿泊スペースや将来の寝室として使ったりしたい場合にも適しているでしょう。
ただし、小さな子どもが段差から転落する可能性があります。また、高さや広さによっては、リビングに圧迫感を与えることもあるため、空間全体のバランスを考えて設計しましょう。
小上がりの高さや収納、将来の可変性について詳しくは、[小上がり和室の解説記事]をご覧ください。
●広さ
通常、独立した和室には6畳以上の広さが欲しいところですが、リビング横なら3畳・4.5畳・6畳などの省スペースでも設けられるのが利点です。ただし、狭すぎると布団を敷きにくく、来客時の宿泊スペースや老後の寝室として使うのは難しくなります。布団を2組敷く場合は、4.5畳以上を目安にするとよいでしょう。ゆとりのある個室として使いたい場合や、来客の宿泊を想定する場合は、6畳を検討するのもひとつの方法です。
一方、広すぎるとリビングとのバランスが悪くなってしまうことも。特に小上がりタイプは床に高さがあるため、面積が広いと圧迫感が出やすくなります。イシンホームで最も人気があるのは、広すぎず実用性も高い4.5畳程度です。
●床の間・収納の有無

格式高い和室に欠かせないのが「床の間」です。床の間とは、和室の一部に設けられる、床を一段高くした場所のこと。主に掛け軸をかけたり、床に花や置物などを飾ったりするのに使われ、この床の間に近い場所が和室の「上座」とされています。そのため、昔ながらの和室には設けられているケースが多いです。
しかし、最近では床の間よりも実用的な収納スペースを重視する人も増えています。例えば、座布団や来客用の布団を片付ける押入れなどが重宝されます。
●リビングとの仕切りの有無
リビング横の和室をどのように使うかによって、適した仕切り方は異なります。来客や宿泊に使うなら個室性を、家族の日常使いを重視するなら開放感を優先すると選びやすくなります。
①ふすま
ふすまは、閉めたときの個室性が高く、来客対応や宿泊スペースとして使いたい場合に適しています。和室らしい雰囲気をつくりやすいのも特徴。
一方、開口部の取り方によっては、開けたときにもふすまが壁側に残り、リビングとの一体感が弱くなることがあります。敷居の段差にも配慮が必要です。
②ロールスクリーン
ロールスクリーンは、必要なときだけ下ろして手軽に目隠しができます。子どものおもちゃや布団などを一時的に隠したい場合にも便利です。
ふすまや引き戸と比べて簡易的で、一般的には設置費用を抑えやすい傾向があります。ただし、音や光を遮る効果は限られ、完全な個室にはなりません。
③引き戸(3枚引き込み)
3枚引き込み戸は、戸を壁側へまとめて収納できるため、開けたときに大きな開口部を確保できます。普段はリビングと一体的に使い、来客時や就寝時には閉めて個室にするなど、使い方を変えやすいのがメリットです。
可変性と開放感を両立できますが、戸を引き込むための壁やスペースが必要に。一般的には、仕切りなしやロールスクリーンより費用がかかる傾向があります。
④垂れ壁のみ
天井から短い壁を下げる垂れ壁は、リビングと和室を完全には仕切らず、空間を緩やかに分ける方法です。開放感を保ちながら、和室の領域を視覚的に示せるのが特徴。 個室性は低いため、来客の宿泊スペースよりも、子どもの遊び場や家事、休憩スペースとして使いたい場合に向いています。
⑤仕切りなし
仕切りを設けなければ、リビングと和室の一体感を最も高められます。床材の違いで空間を緩やかに区切りつつ、リビング全体を広く見せることができるでしょう。
一方、視線や音を遮れないため、来客時の個室や寝室としては使いにくくなります。将来仕切りを追加する可能性がある場合は、設計時に下地や建具を取り付けるスペースを確保しておくと安心です。
和室を含め、家族の暮らし方に合った部屋の配置や生活動線を考えることが大切になります。間取り全体を検討する際は、[2階リビングの間取りのメリット・デメリットを解説した記事]も参考にしてください。
リビング横に和室をつくるときに気を付けたいこと
リビング横の和室には便利な活用法がある一方で、つくる前に注意して欲しいポイントもあります。住み始めてから後悔することがないように、以下の内容をしっかり確認してください。

●和室をつくる目的・使い方を明確にしておく
リビング横の和室は、すべての人に必要であるとは限りません。そもそも和室はいらない、という人がつくってしまうと「リビングを広げておく方が良かった…」なんて後悔をする可能性も。自分に必要か不要かを見極めるポイントは、和室をつくる目的と使い方を具体的に考えてみること。例えば、「子どもが小さいうちはプレイルームとして使って、老後は寝室にする」など、ライフプランに合わせた活用法をしっかりと考えておきましょう。
●ペットのいるご家庭は、畳の種類に要注意
ペットを飼っている人や、将来的に飼いたいと思っている人は、和室をつくる際には畳の種類に注意が必要です。というのも、畳というと一般的にはイグサを使う「イグサ畳」が多いですが、これはフローリングと比べて手入れがしにくく、臭いも付きやすい傾向があります。また、犬や猫はツメで畳を引っ掻いてボロボロにしてしまう可能性も。その点、和紙を編み込んでつくる「和紙畳」は、ダニやカビが発生しにくく、撥水性や耐久性にも優れているので安心です。ペットを飼っているご家庭は、畳の種類に注目して選ぶとよいでしょう。
●メンテナンスが必要になる
畳は「畳床」と呼ばれる芯に、イグサの茎で織ったゴザ状の「畳表」を貼ってつくられています。イグサは植物なのでダニやカビが繁殖する可能性が高く、定期的なメンテナンスが欠かせません。具体的には、使い始めて3〜5年で畳表を一度剥がして裏表を反転させて貼り直す「裏返し」が必要です。その後、さらに5年程度で畳表を交換する「表替え」を行い、約10~15年で「新調(買い替え)」するのが理想的です。
和室だけでなく、ほかの部屋も用途や使う人数に合わせて適切な広さを考えることが大切です。子ども部屋の広さで迷っている方は、[子ども部屋は何畳必要?広さの目安を解説した記事]も参考にしてください。
モダンでおしゃれな「リビング横和室」の事例紹介
それでは、最後に当社が手掛けたリビング横和室の実例をご紹介します。
●応接間として来客にしっかり対応できる半個室

リビングと繋がっていながら、個室感もしっかりある本格的な和室です。脱衣・洗面所とも直接繋がっているので、お客さんを泊める際の動線もスムーズ。毎回リビング・ダイニングを横切らなくてもお風呂やトイレを利用してもらえます。
●仕事も育児もしやすいワークスペース直結型

リビングに隣接した和室の奥に、リモートワークに便利なデスクスペースを完備。子どもが遊んだり、お昼寝したりしている横で仕事をこなせます。和室と洗面所も繋がっているので、アイロンがけをしたり、洗濯物を畳んだりする場所としても便利です。
●3.5畳でも存在感大の小上がりタイプ

リビングの“くつろぎスペース”として大活躍する小上がりタイプの和室です。大きなソファのような感覚で段差に腰掛けたり、気軽に横になって休んだりすることが可能です。五角形のかわいいフォルムは、リビングのアクセントにもなりますよ。
リビング横に設ける和室は、省スペースを有効活用した利便性に優れた空間です。和室を造るかどうかで悩んでいる人は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてくださいね。
よくある質問
リビング横の和室を検討する際によくある、広さや仕切り、将来のリフォームに関する疑問にお答えします。
Q.リビング横の和室は何畳が使いやすい?
使う目的によって異なります。子どもの遊び場や家事スペースが中心なら3畳、寝室や来客用としても使うなら4.5畳以上が目安です。ゆとりのある個室として使いたい場合は、6畳を検討するとよいでしょう。
イシンホームでは、広すぎず実用性も高い4.5畳程度が最も人気です。
Q.リビングと和室の仕切りは付けるべき?
来客対応や宿泊、将来の寝室として使うなら、ふすまや引き戸などの仕切りがあると便利です。普段の開放感やリビングとの一体感を重視するなら、仕切りなしや垂れ壁のみの間取りが適しています。
使い方が変わる可能性がある場合は、引き込み戸など、開閉によって空間を使い分けられる仕切りを検討しましょう。
Q.和室はあとからフローリングに変更できる?
畳を撤去して床の高さを調整すれば、和室をフローリングへ変更することは可能です。ただし、床の下地工事や建具の調整などが必要になり、一定の費用がかかる点には注意しましょう。
将来、洋室やリビングの一部に変更する可能性がある場合は、床の高さや壁、収納、仕切りの位置などを設計段階から考えておくと、リフォームしやすくなります。
まとめ
リビング横の和室は、子どもの遊び場や家事スペース、来客対応、休憩場所、将来の寝室など、家族のライフステージに合わせて幅広く使える空間です。満足度を左右するのは、リビングとのつながり方を決める「広さ」「仕切り」「段差」の3つ。それぞれの特徴を比較し、現在の暮らしだけでなく、来客時や子どもの成長後、老後まで想定して決めましょう。
イシンホームのリビング横和室の実例も参考に、ご家庭のライフプランに合った和室づくりを検討してみてください。

