ヒートショックになると、どのような症状が出る? 家づくりの際にできる予防方法も紹介

本格的な秋冬シーズン到来。朝晩の冷え込みが激しくなると体調を崩しやすいので、健康管理は万全にしておきたいものです。中でも注意したいのは、年間1万7000人が亡くなるといわれる「ヒートショック」。特に高齢者がいる家庭では、発生しやすいタイミングを知って適切な対策しておくことをおすすめします。また、これから家を建てるなら、設備次第で予防も可能です。そこで今回は、ヒートショックに配慮した家づくりについて解説します。

●ヒートショックが起こる原因

ヒートショックとは、急激な温度差で血管が収縮することにより、血圧が乱高下してさまざまな体の不調や病気を引き起こす健康リスクのこと。1年中起こる可能性はありますが、温度差が10℃以上ある場所を行き来するとリスクが高まるため、特に室温差が大きくなりやすい冬場に多発します。例えば、暖房が効いたリビングから寒い浴室やトイレに移動すると、その温度変化にさらされた血管が急激に収縮し、ヒートショックが起きてしまうのです。

ヒートショックになると、どのような症状が出る?

軽度な場合はめまいや立ちくらみで済むものの、転倒によって怪我をしてしまう危険性があります。また、重度になると呼吸困難や嘔吐、意識の消失などの症状が現れ、命にかかわることも。さらに脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞など、心臓や血管の疾患を引き起こす可能性もあります。

ヒートショックが起きてしまったら…?

めまいや立ちくらみを感じたら、まずはゆっくり深呼吸し、少しずつ水分を摂取するようにしてください。もし、一人で動けない場合は、家族の助けを呼ぶことも大切です。一人暮らしの人は、万が一に備えて浴室やトイレにスマートフォンを持ち込み、友人や家族と連絡がとれるように備えておくと良いでしょう。

また、激しい頭痛や胸の痛みを感じたり、ろれつが回らない・呼吸困難・嘔吐などの症状が現れたりしたら、動脈硬化や心筋梗塞を起こしている可能性があるので、すぐに119番通報してください。

ヒートショックに気を付けるべき人は?

ヒートショックに特に注意が必要なのは、65歳以上の高齢者です。なぜなら、年齢とともに血圧を保つ生理機能が低下してしまい、血圧の変動が起こりやすくなるから。持病がなくて元気な人でも気を付ける必要があります。

子どもや若い人も、ヒートショックが起こる恐れはある

子どもや若い人に起こる可能性もゼロではありません。前述したように加齢とともに起きるリスクが上がるので、年を重ねるに連れて注意した方が良いでしょう。また、以下の人は、年齢に関わらずヒートショックが起こる危険性が高いとされています。

・高血圧・脂質異常・糖尿病・動脈硬化などの持病がある人

・肥満気味の人、睡眠時無呼吸症候群、不整脈がある人

・部屋ごとの温度差が大きい家に住む人

・熱めのお湯が好きな人

・食事・飲酒後 に入浴する人

家の中でヒートショックに注意したい場所

家の中でヒートショックに注意したい場所は次の通り。注意したい場所を把握し、予防対策に努めましょう。

浴室、脱衣所

ヒートショックを起こしやすいタイミングの一つが入浴時です。冬は、暖房が効いた暖かい部屋から寒い脱衣所へ行き、服を脱ぎますよね。寒くて血圧が急上昇した直後、熱い湯船に浸かるので血圧は急降下。心臓に大きな負担がかかるため、注意が必要です。

トイレ

トイレは、暖房器具がないことが多く、冬はとても寒い場所。しかも衣服を脱ぐので、体感温度は大変低くなります。暖かいリビングからトイレに行く時や、夜中に暖かい布団から出てトイレに行く時などに血圧が急上昇し、ヒートショックが起きるケースも多いです。

洗面所・廊下

洗面所も暖房設備を備えていないことが多く、家の中では寒い場所。トイレ同様、暖かい部屋との温度差が大変大きくなっています。

また、間取りにもよりますが、リビングや寝室など、空調の効いた部屋と廊下との温度差も、大きくなっている可能性があります。特に気密性や断熱性能が低い昔ながらの日本家屋の場合、冬の廊下は大変寒く、一歩踏み出した途端、冷気に身震いすることも。朝、暖かい布団から出て、いきなり廊下に出る時などは注意が必要です。

家の中の至るところに、ヒートショックのリスクが潜んでいるといっても過言ではありません。寒い場所には暖房器具を設置したり、お風呂の設定温度を低めに設定したりするなど、予防対策を心掛けましょう。

寝室

部屋の温度差だけでなく、温かい布団の温度と、冷たい室温の差が大きい場合もヒートショックが起こり得ます。一般的に、布団の中の温度は約30℃。それに対して、部屋の温度が 低いと、その分リスクも上がります。夜中、トイレに行きたくなったときなど、注意が必要です。

ヒートショックに配慮した家づくりのポイント

これまで見てきたように、住まいの至るところにヒートショックの危険性は潜んでいます。だからこそできれば家づくりの段階から、ヒートショックに配慮したいもの。そのポイントをご紹介します。

高断熱・高気密な家にする

高断熱・高気密な家にすると、外気の影響を受けにくいうえ、冷暖房の効きもよくなります。具体的には、窓に断熱効果の高いガラスやサッシを使って冷気を遮断したり、熱交換率の高い換気システムを採用して外の冷たい空気を温めて取り入れたりするのがおすすめです。部屋間の温度差を低くすることができるので、ヒートショックは起きにくくなるでしょう。

温水洗浄便座を導入する

トイレで起きるヒートショックのリスクを下げるためには、空間だけでなく便座を温かく保つことも有効です。服を脱いで座る便座は、直接肌に触れるため、特に“冷たさ”を感じやすい場所。そこを快適に温めておけば、体への負担を減らし、より快適に過ごせるでしょう。

浴室暖房乾燥機を導入する

浴室暖房乾燥機を導入すると、お風呂に入る前に浴室を暖めておくことができます。1台で脱衣所と浴室の両方を暖められるものであれば、服を脱いだり、湯船に浸かったりといった一連の動作の最中に寒暖差が発生しません。真冬でもヒートショックの心配が少なく、大変快適です。

もちろん、浴室で衣類の乾燥もできるので、洗濯物干しの際にも重宝します。天気や花粉などを気にせず干すことができますよ。

輻射式暖房設備で家全体を温める

エアコンのような対流式でなく、パネルヒーターや床暖房といった輻射式の冷暖房を採用すると、じわじわと家全体を温めるので、温度のムラを減らすことができます。赤外線で温めるため、暑くなりすぎず、体の芯から自然とポカポカになるのも魅力です。

断熱性の高い窓を採用する

断熱性の高い窓を風呂場やトイレに採用すると、外気の影響は受けにくく、冷暖房は効きやすくなります。その結果、他の部屋との温度差が減るので、ヒートショックのリスクも下がります。

イシンホームの家で、完璧なヒートショック対策をしよう!

ヒートショックが起こらない家にするためには、外気の影響を最小限に抑えたうえで、室内の快適な温度を逃さないように機密性と断熱性を高めることが重要です。イシンホームなら、そんな高気密・高断熱を標準装備で実現可能。そのための代表的な設備は次の通りです。

Eco-i熱交換換気システム

当社が採用している「Eco-i熱交換換気システム」は、夏は冷たく、冬は温かい地中熱を利用する換気システム。一般的な全熱交換器の熱交換率は70%と言われているのに対し、このシステムの熱交換率は約93%という世界最高クラスです。これは、室内が20度、屋外が0度の場合、0度の外気を約18度にして室内へ取り込める計算 。もちろん、室内より屋外の方が暑い夏場は、外の空気を冷やしてから部屋の中に取り入れます。その結果、換気による室温変化を最小限に抑えられるので、快適に過ごせるのはもちろん、エアコンの電気代も節約できます。

断熱樹脂サッシ

断熱樹脂サッシは、一般的な住宅で用いられるアルミサッシや木製サッシなどと比べて断熱性が高いという特徴があります。特に当社では内側も外側も樹脂を使った高級樹脂サッシ窓を採用しているので、結露しづらく、掃除の手間を抑えられるのもポイントですよ。

Low-Eペアガラス

Low-Eペアガラスは、複層ガラスの中にアルゴンガスを充填させた高性能なペアガラスです。アルゴンガスは空気よりも比重が重く、複層ガラスの中で対流を抑えて断熱効果を高める働きがあります。

当社では、先述の断熱樹脂サッシと、このLow-E複層ガラスを採用することにより、一般的な窓の3.9倍の断熱効果が得られるという高いデータを得ています。

プラン次第で「床下暖房」も完備

プランによっては、住まいの一階全体を暖める「床下暖房」も標準装備。輻射熱を利用する空調で、リビングから廊下、脱衣所、トイレまで、全体をムラなく温め、ヒートショックが起きにくくなっています。

●FAQ

最後に、お客様からよくいただくご質問にお答えします。

ヒートショックは冬にしか起こらないの?

温度差の大きい場所を行き来すると、冬場以外でも起こる可能性があります。

ヒートショックの予防法は?

予防法としては、以下の3点が挙げられます。

・脱衣所や浴室を暖かくする

脱衣所や浴室をあらかじめ暖かくしてお湯につかる時との温度差を最小限に抑えることで、血圧の乱高下を抑制します。

・入浴前は家族に声を掛ける

万が一ヒートショックを起こした時にいち早く家族に気付いてもらえるように、入浴前に声を掛けるのがおすすめです。また、一人暮らしの場合はスマートフォンを近くに置いておくと良いでしょう。

・お風呂の温度は38~40℃に

お湯が41℃以上だと浴室での事故が増えるという報告もあるため、38~40℃に設定するのがおすすめです。

まとめ

ヒートショックにならないためには、家づくりの段階から対策をしておくことが大切。そうすることで、今だけでなく将来的に歳を重ねた時の発生リスクを抑えることにも繋がります。当社では、標準装備で高気密・高断熱の設備をご紹介できるので、ぜひお気軽にご相談くださいね。

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株式会社イシン住宅研究所(イシンホーム)

イシンホーム住宅研究会は家造りを天職とする日本全国約180店が参加する真面目な家づくり研究ネットワークです。常に未来を先取りする研究・開発型の企業です。蓄積したノウハウや研究実績を自社のためだけでなく、全国に提供し、喜ばれています。イシンホーム住宅研究会本部は商品開発チームを結成し独自で開発した販売・設計・施工のノウハウを加盟店に提供するとともに、優れた資材を一括購入することで購入にかかるコストを飛躍的に落とし、高品質・高性能な家をお客様に提供できる仕組みになっています。

本社(総合戦略本部)

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