30坪の注文住宅をおしゃれにするには?平屋・2階建ての事例で間取りをチェック!

家づくりの際に必ず出てくる言葉の一つが「坪数」。単に数字だけを聞いても、実際にどれくらいの広さなのか、どんな間取りにできるのか、何人家族に適しているのかなど、なかなかイメージができないのではないでしょうか?そこで今回は、延べ床面積が30坪の家を建てる場合を想定し、ポイントや間取りなどについて解説。あわせて、当社が手掛けた実例も紹介します。

●30坪ってどのくらいの広さ? 間取りとともに理解しよう 

30坪は約100㎡の広さで、畳に換算すると約55畳になります。国土交通省の令和3年度住宅市場動向調査によると、新築注文住宅の平均延べ床面積は120.7㎡。つまり、30坪は平均的な注文住宅より少し狭い間取りであるといえるでしょう。


では、実際どのような家を建てることができるのでしょうか?2階建ての場合と平屋の場合に分けて紹介します。


2階建ての場合

収納やバルコニー、子どもの部屋を広くとった間取りが特徴的。また、着替えや洗濯が一カ所で済むよう、洗面台や大型食器棚のほか、掃除が楽な家事1/2レンジフードなども設置されているうえ、家事が楽になるよう動線も工夫されています。

平屋の場合

天井の高さを自由に設定できるという平屋のメリットを生かして、10畳のロフトと吹き抜け付きのリビングをプランニング。ロフトは、お子さまのプレイルームや収納にも活用できるプラスαの空間として活躍してくれます。滞在時間が長いリビングに吹き抜けがあるとぐっと開放的に。限られたスペースの中で、明るく広々とした家を実現しています。

必要な土地の広さは?

30坪の家を建てる際に必要な土地の広さを知るためには、建ぺい率と容積率を確認しなければなりません。建ぺい率とは土地面積に対する建物面積の割合で、容積率とは土地の面積に対する延床面積の割合。どちらも土地ごとに上限が設定されており、それを超えるサイズの家は建てられません。一般的な低層住宅地でよく見られるのは「建ぺい率50%・容積率100%」。ここに延床面積30坪の家を建てるには、平屋の場合は60坪以上、2階建て(1階20坪、2階10坪を想定)の場合は40坪以上の土地面積が必要になります。 

● 30坪の注文住宅を建てる際のメリット・デメリットは?

30坪の注文住宅を検討する際は、さまざまなメリットとデメリットが考えられます。

メリット

・ある程度の広さを手頃な価格で実現可能


30坪の家の場合、リビングダイニングや子どもの人数分の個室などを確保しながら、建築コストを抑えやすいというメリットがあります。建物の基礎や構造材、外壁、屋根などにかかるコストを抑えられることから、一般的に初期費用をかなり削減できると考えられます。

・家事動線を考慮した無駄のない効率的な間取りにできる


30坪は広すぎずコンパクトすぎないちょうどいい面積で、家事動線を考えた無駄のない間取りをつくりやすいという特徴があります。例えば、キッチンを中心とした回遊動線を設定したり、キッチンやランドリールームなどの水回りをまとめたりすることで、利便性が高まって暮らしの質が向上します。

・土地選びの自由度が高い


コンパクトな家づくりは敷地面積を抑えることにもつながるため、土地探しの選択肢が増えるという点もメリットです。土地代が高いとされる都市部や駅近エリアを希望する場合でも、コンパクト敷地面積なら予算内で手に入れやすくなるでしょう。

・維持費を抑えられる


初期費用だけでなく、メンテナンスの費用が抑えられるのも魅力です。広い家に比べて、屋根や外壁、設備の点検・修理がしやすく、人件費や材料費の節約になります。あわせて税金や保険料などが安くなる可能性もあります。

デメリットと対策

・部屋スペースに制限がある


延べ床面積が限られるため、部屋数を増やすことで個々の空間が狭くなったり、圧迫感が生まれたりすることがあります。

対策:多機能な部屋を取り入れる
限られた広さをカバーして快適性をアップさせるために、多機能な部屋を採用するのがおすすめです。例えば、リビング横の和室を家族の寝室やキッズスペース、ゲストルームなど多目的に使ったり、キッチン脇のカウンターを書斎や子どもの勉強などに使ったりするといった工夫が有効です。

・収納スペースが不足しやすい


大きな収納スペースの設置が難しい点もデメリットの一つです。特に、家族が増えた場合には、衣類や日用品などの収納スペースが足りなくなる可能性もあります。

対策:壁面収納や階段下収納を検討する
収納スペースのために居住空間が奪われてしまわないよう、デッドスペースをうまく活用しましょう。壁面や階段下、中二階、小上がりなどをうまく使うことで、収納力をアップすることができます。

・開放感が足りない


小さな家では、壁と壁の距離が近いことから、開放感が足りず圧迫感を感じる場合があります。

対策:吹き抜けや大きな窓の導入
吹き抜けにすれば、開放感のある空間を演出することができます。さらに吹き抜けの2階部分に窓を設ければ1階まで光が届いて明るく快適な空間に。また、大きな窓を採用すると、空間を広く見せる視覚効果が期待できます。

・プライバシーの確保が難しい場合がある


前述のように、開放的な空間にするには、大きな窓などを設置して風の通り道や採光を確保するといった工夫が必要になります。しかしその際、プライバシー面が気になる場合もあるでしょう。

対策:外構やフェンスを取り入れたり、窓の配置を工夫したりする
外構やフェンスを設置して外部からの視線を遮ることで、光や風を室内に取り入れつつ、プライベート空間を確保できます。日差しや風の向きも配慮して取り付けることが大切です。また、高窓や天窓を活用して自然光を取り入れる工夫も必要です。

● 30坪の注文住宅の相場は?

 住宅金融支援機構による「フラット35利用者調査」(2022年度)によれば、2022年度の建築費の全国平均は3,715万円、平均延床面積37.1坪です。ここから計算すると、延床面積30坪の住宅の建築費用相場は全国平均で約3,000万円となります。ただ、この価格はあくまで目安で、ハウスメーカーや地域によって大きく異なる場合があります。

●30坪でおしゃれな注文住宅に仕上げるための間取りポイント


30坪の延床面積でおしゃれで快適な住まいをつくるため、間取りのポイントについて紹介します


部屋数と広さの配分

必要な部屋の数や大きさは、家族構成やライフスタイルによって異なります。今はもちろん将来も含めて、どのように暮らしたいかを家族で話し合っておきましょう。
必ずしも部屋数を多く作る必要はないため、リビングや個室を広く取って居住空間にゆとりをもたせるというのもおすすめです。

子ども部屋をどのように分けるか

子どもが小さいうちは基本的に個室の必要はありませんが、小学校高学年ごろになると子ども部屋を用意する家庭が増加。子どもが2人以上いる場合は、必ずしも一人一部屋を設ける必要はなく、1つの部屋を間仕切りなどで区切って使用するといったケースも少なくないようです。また、個々に部屋を与えるとしても、子どもの年齢差が大きければ、上の子が独立した後に下の子が使うことも可能。将来、子どもたち全員が独立することを想定すると、人数分の子ども部屋を用意しなくてもいいかもしれません。

夫婦の寝室を分けるか

夫婦の寝室として1室を確保するのが一般的ですが、夫婦の寝室を分ける場合は、それに合わせた部屋数が必要です。どのような寝方、もしくは使い方にするのか、夫婦であらかじめ話し合っておくといいでしょう。

書斎や仕事スペースを設けるか

家で仕事をする場合は、書斎など独立した空間があった方がプライベートとの切り替えもしやすく、集中できるかもしれません。寝室の一角に書斎を設ける方法や、寝室とは別にサービスルームをつけるといった方法もあります。

収納スペースを設ける

個室を広く使うためにそれぞれにクローゼットを設けない場合や、家族の荷物が多い場合などには、まとめて収納するためのかなり広いスペースが必要になります。個室の使い方や荷物の量、ライフスタイルなどを想定して、間取りを決めることが重要です。

家事動線の工夫(洗濯、掃除、料理、買い物動線)


30坪の家で快適に暮らすには、家事動線を意識した間取りづくりが重要です。キッチン、浴室、洗面、トイレなどの水回りを1カ所に集中させると、家事効率がアップします。また、なるべく行き止まりを作らず、キッチンを中心に、浴室、洗面、トイレ、リビング、収納を回遊できるよう最短ルートで結びましょう。食事の準備をしながら洗濯をしたり、お風呂をわかしたり、短い移動で効率よく家事がこなせます。行き止まりがないので、掃除もグルッと一周するだけで済み、無駄な移動がありません。洗濯は「洗う」から「片付ける」までを1カ所でできるようにまとめるのがおすすめです。

また、車で買い物に出かけることが多い場合は、ガレージからパントリーまでの距離をなるべく短くしましょう。そうすれば、重いものを持って移動するストレスを減らすことができます。

収納スペースの確保方法


個室を広く使うためにそれぞれにクローゼットを設けない場合や、家族の荷物が多い場合などには、まとめて収納するためのかなり広いスペースが必要になります。個室の使い方や荷物の量、ライフスタイルなどを想定して、間取りを決めることが重要です

特に玄関まわりや階段下、床下、壁面などに着目して、デッドスペースを探しましょう。デッドスペースを無駄なく活用することで、居住スペースを最大限に確保できます。

開放感を出すテクニック


30坪という限られた延床面積でおしゃれな間取りを実現するには、開放感を意識したテクニックを採用することがポイントになります。

 ・スキップフロア
半階ずつ階をずらして作るスキップフロア。空間を縦に有効活用でき、居住スペースを広く取れることから人気がある間取りです。また、日光や風を遮る壁が少ないため、日当たりや風通しがよくなる点もメリットといえるでしょう。

・吹き抜け
吹き抜けを採用することで、複数の階層が一つにつながり、空間に広がりが生まれます。高い位置に窓を設置できるため、自然光を取り込みやすく、室内を明るくする効果が期待できます。

・ロフト
通常は天井で塞がれている天井と屋根の間のデッドスペースを有効活用して設けるロフト。収納不足を補えるほか、子どもの遊び場や書斎といったさまざまな使い方もできます。

縦に空間を広げることで、部屋全体の開放感もアップ。天井高が1.4m以下、床面積が直下の階に対し2分の1未満という条件を満たせば、固定資産税の対象となる床面積に含まれなくなることから、税金を抑えながら家のスペースを増やせるというメリットもあります。

・勾配天井
屋根の勾配や形状に合わせて傾斜をつける勾配天井。屋根と天井の間にできるデッドスペースを部屋の一部として利用できるため、通常の平天井よりも天井が高くなり、開放感のある空間を作ることができます。


●【家族人数別】部屋割りについて紹介

間取りを考えるときに重要となる部屋割り。必要な部屋の数や大きさは、家族構成やライフスタイルによって異なります。今はもちろん将来も含めて、どのように暮らしたいかを家族で話し合っておきましょう。ここでは具体例を紹介します。

4人家族(夫婦と子ども2人)の場合

LDKと3つの個室がある3LDKがおすすめ。部屋数をある程度抑えた分、各部屋をゆったりと広く取ることができると人気です。

〈例1〉子ども部屋を2つ・夫婦の寝室を1つ

メリットは、子どもに1部屋ずつ個室を与えられる点です。実際に子ども部屋が必要になるまでや、子どもが独立してからは、書斎やゲストルームなどとしても活用できます。

〈例2〉子ども部屋を1つ・夫婦の寝室を1つ・収納部屋を1つ

子どもが同性の場合や年齢差がある場合などにおすすめの間取り。家族の収納スペースをしっかり確保できるところが特徴です。子どもの独立後は、子ども部屋を趣味の部屋や書斎、ゲストルームとして使うことで、部屋が余ってもったいないという事態を避けられるでしょう。

5人家族(夫婦と子ども3人)の場合

LDKと4つの個室がある4LDKがおすすめ。3LDKよりも部屋数が増えるため、同じ30坪で建てるとなると一部屋の面積は小さくなりますが、ライフスタイルなどに応じて使い方のバリエーションが広がります。

〈例1〉子ども部屋を3つ・夫婦の寝室を1つ

夫婦で一部屋を使い、性別や年齢に関係なく、子ども一人一人に部屋をもたせるという間取り。プライバシーを確保できる点が魅力です。ただし、子どもの独立後に使わない部屋が多くなる可能性があるため、将来の使い方も想定しておくといいでしょう。

〈例2〉子ども部屋を1つ・書斎を1つ・夫、妻それぞれの寝室を1つ 

子どもたち全員が同性、または異性でも歳が離れているといった場合に、皆が独立した後のことを見越した間取り。夫婦それぞれに寝室をもちたい場合に適していて、子どもが小さいうちは、母親または父親と一緒に寝るという使い方も可能。夫婦どちらかが家で仕事をする場合におすすめです。

●【実例紹介】イシンホームで30坪の家を建てて、家族みんなが快適な住まいを!


実際にイシンホームで家を建てたお客様の事例を、2階建てと平屋の場合に分けて紹介します。


<2階建ての事例>

・2階建て事例1

階段が目を引くダイニングは吹き抜けになっていて、明るく開放的な印象。造り付けのカウンターデスクは、仕事や子どもの勉強など使い勝手がよく、スペースの有効活用ができています。

・2階建て事例2


リビングダイニングは吹き抜けになっていて、高窓から自然光が降り注ぐ間取り。家事動線に配慮して、浴室、洗面、ファミリークローゼットが一直線につながっています。

<平屋の事例>

・平屋事例1


現代的モノトーンデザインの平屋。インナーガレージ付きで、雨の日も屋根付きのポーチを通ってぬれずに室内に入れます。リビングに大型の造り付け収納を設けることで、居住スペースの広さを確保しています。 

・平屋事例2


勾配天井とロフト、吹き抜けを採用した開放的な平屋。和室は、薄畳を上げると洋室になるように工夫されていて、ライフスタイルや家族構成の変化に応じてさまざまな使い方ができます。

・平屋事例3


キッチン、リビング、シューズクロークから洗面所につながる設計が特徴。行き止まらずに動くことができるため、料理や掃除、洗濯などの家事が楽になるように工夫されています。ウッドデッキは第二のリビングとして活用することもできます。

●チェックリストを使って、ヌケモレがないか確認!

最後に、家づくりで間取りを決める際にチェックすべきポイントをまとめました。ぜひ活用してみてくださいね。

リビング

・家具や設備、ゴミ箱の配置を検討したか

・勝手口は必要か

・近隣住人と窓越しに目が合わないか

玄関

・外から丸見えにならないか

寝室

・何をするのか考えて広さや家具の配置を検討したか

・夫婦ごとに寝室を用意するか

子ども部屋

・分け方を検討したか

・大人になって出て行った後のことは検討したか

水回り

・洗濯がスムーズにできるか

・音を気にしないで済む場所にトイレを配置したか

収納

・何を収納するのか検討したか

●FAQ

Q. あると便利な設備は?注文住宅で対応できる?


各部屋のクローゼットをなくしてファミリークローゼットを設けることで、居住スペースを広く確保することが可能です。さらに、ランドリールームと組み合わせれば家事動線がよくなります。

また、書斎を設けると、両親の仕事スペース、パソコンルーム、子どもの勉強部屋など、ライフスタイルの変化に合わせてさまざまな使い方ができます。注文住宅でも対応できますので、ハウスメーカーなどに相談してください。

Q. イシンホームならではの間取りや設備の工夫はある?


イシンホームでは、すべての家事がキッチンから10歩以内でできる家事時間1/2動線を開発。キッチン横に配置した「ウォークスルー洗面乾燥クローゼット」には、洗濯機、物干しハンガー、収納棚を配置。「洗う」「干す」「収納する」が一カ所でできます。

また、収納棚は造り付けで標準装備。バスケットも付いているので、小物や下着もスッキリと片付けられます。浴室に直結していて、衣類の着脱もこの空間内で完結するため、洗濯に関する負担を大幅にカットすることが可能です。

●まとめ

30坪の家は、家族の人数やライフスタイルに合わせて、さまざまなアイデアを実現することができます。どのような暮らし方をしていきたいのか、子どもたちの成長も見越して考えることが大切です。家事動線や収納量、趣味など、家族の思いを盛り込んで、理想の間取りを完成させましょう。イシンホームでは希望に応じたアドバイスもさせていただきますので、ぜひ気軽にご相談ください。

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本社(総合戦略本部)

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