
子育て中に家を建てる際、「1人に1部屋ずつ子ども部屋を用意してあげたい」と考える人も多いのではないでしょうか。しかし、子どもが3人いる場合は、参考となるモデルハウスや建売物件が少なく、間取りをイメージしづらいという声も少なくありません。そこで今回は、子どもが3人いる家庭におすすめの間取りや、何LDK・何坪が必要なのかという目安に加え、子どもの成長に合わせて部屋の使い方を変えていく方法について解説します!
目次
1.モデルハウスや建売物件の多くは、“子ども2人”想定!
ハウスメーカーがあらかじめ間取りを決めて建てているモデルハウスや建売物件は、4人家族が住むことを想定した3LDKや4LDKが主流となっています。というのも、日本の子育て世帯は子どもが2人までの家庭が多数を占めているからです。
厚生労働省の「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」によると、児童のいる世帯は917万4千世帯で、全世帯の16.7%にあたります。このうち児童が「1人」の世帯は50.1%、「2人」は38.3%を占めており、「3人以上」の世帯は11.5%です。こうした状況を踏まえても、子ども部屋は2つ以下という間取りの需要が高いことが分かります。
出典:
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa25/index.html
2.子どもが3人いる場合におすすめの間取りは?
子どもが3人いる場合、イシンホームでは「4LDK」の間取りをおすすめしています。この時注意してほしいのが坪数です。一般的には「30坪=3LDK」、「33・34坪あたりから4LDK」と思われることが多いですが、収納スペースを考慮すると「+2坪」の、36坪程度は欲しいところ。
収納スペースが不足していると、タンスや収納棚を追加で購入することになりかねません。家具を置くとせっかく確保した居住スペースが狭くなってしまい、本末転倒。そうならないように、必ず2・3坪は収納スペースとして確保して、坪数・間取りを考えることが大切です。

平屋の場合でも、スキップフロアを活用した半地下の収納スペースを設けるなどの工夫をすれば、4LDK(3LDK+和室)が叶います。

なお、子ども部屋を確保するために主寝室を狭める方法もあります。ただし、6畳の部屋で夫婦2人が就寝すると、部屋の容積に対して呼気や汗から出る水蒸気の量が多くなり、結露につながることも少なくありません。これを防ぐには、性能が高い換気システムを導入したり、ウオークインクローゼットを寝室と一続きにして、部屋の容積を増やす工夫をするのがおすすめです。
3.坪数と部屋数の組み合わせの目安
子ども3人の家庭では4LDKが一つの目安ですが、同じ4LDKでも坪数によって各部屋の広さや収納量は変わります。部屋数を優先すると、LDKや子ども部屋が狭くなったり、十分な収納スペースを確保できなかったりすることもあるでしょう。まずは坪数ごとの間取りの目安を見てみます。
| 延床面積 | 間取りの目安 | 広さと収納の考え方 |
| 30坪前後 | 3LDK+予備室 | 予備室を設けると、各部屋がコンパクトになりやすい |
| 33坪前後 | 4LDK | 子ども部屋3室と主寝室を確保できるが、収納には工夫が必要 |
| 36坪前後 | 4LDK+収納2坪 | 個室の広さを確保しながら、収納スペースも設けやすい |
なお、ここでいう予備室とは、子ども部屋や主寝室よりも小さめに取っておき、必要になった段階で用途を決める部屋のことです。
例えば、30坪前後の場合は3LDKが基本となり、ここに予備室を加えると、一つひとつの部屋が手狭になる傾向があります。一方、33坪前後になると、子ども部屋3室と主寝室を確保する4LDKも選択肢に入るものの、収納の配置には工夫が必要です。
36坪程度あれば、子ども部屋3室と主寝室に加えて、2坪程度の収納スペースも確保しやすくなります。家族5人分の衣類や日用品など、荷物が増えることも考えておきたいですね。
ただし、坪数が増えるほど建築費や固定資産税の負担も大きくなる傾向があります。部屋数だけでなく、予算や暮らしやすさとのバランスを考えて決めましょう。なお、これらはあくまで目安です。建物の形や階段、廊下の配置などによっても実現できる間取りは変わります。

4. 将来的な使い方を考えて、子ども部屋をつくることが大切
「とりあえず」という理由で子ども部屋を3つ設けると、将来的に住みにくい家になるかもしれません。ここでは、長く暮らしやすい家にするための子ども部屋のつくり方を紹介します。
●部屋は後から仕切ることもできる
家を建てる段階で最終的な子どもの人数が分からない場合は、大きな子ども部屋を1つつくっておき、将来的に壁や建具、家具などで仕切るのも一つの方法です。そうすれば、家を建てた後に子どもの人数に合わせて空間を増やすことができます。
3部屋分のスペースを確保することが難しい場合や、将来的に部屋数が多いと持て余しそうな場合にも選べる考え方です。1部屋を3つに仕切るのであれば、3部屋つくるより少ない面積で済みます。また、建具や家具は比較的撤去しやすいので、子どもが独立した後の部屋の用途も広がるでしょう。
●必要な部屋の広さを考える
最近は、「子ども部屋を最小限のスペースに抑えて、普段はリビングで家族と過ごして欲しい」という人も増えています。そのような場合、デスクとベッドを置くだけであれば、広さは4.5畳で十分です。一方、ある程度ゆとりのある広さにしたい場合は、6畳は欲しいところ。そんな風に、家庭の考え方や希望する暮らし方で部屋の広さを決めても良いですね。
●子ども部屋への動線を工夫する
子どもたちが部屋にこもりがちになってしまうと、家族のコミュニケーションが減るのではないかと心配な人もいるかもしれません。確かに、「いつ家に帰ったのか分からない」なんて事態は避けたいですよね。そのためには、帰宅時に家族と顔を合わせてから、子ども部屋に行けるような動線に工夫することが大切。例えば、2階へ上がる階段をリビングに設ければ、家事をしながら下校した子どもに声を掛けることができます。

5.成長段階ごとに部屋の使い方はこう変わる
子ども部屋は、家を建てたときの使い方がずっと続くわけではありません。小さいうちは家族と一緒に過ごすことが多くても、成長するにつれて勉強や趣味に集中できる場所、自分だけの空間が必要になってきます。一方で、進学や就職で子どもが独立すれば、使わなくなる部屋も出てくるでしょう。幼児期から独立後まで、子どもの成長に合わせた部屋の使い方を考えてみます。
幼児期・小学生・思春期・独立後で、必要な部屋は変わる
| 時期 | 過ごし方 | 必要な部屋 | 3室が同時に必要か |
| 幼児期 | 親と一緒に寝たり遊んだりすることが中心 | 広めの1室や和室など | 必要性は低い |
| 小学生 | 宿題や読書など、自分で過ごす時間が増える | 学習スペース。寝室は共有でも可能 | 必ずしも必要ではない |
| 思春期 | 着替えや持ち物の管理など、プライバシーを重視する | 一人ずつの個室 | 必要性が高まる |
| 独立後 | 進学や就職で家を離れる | 空いた部屋を別の用途に活用 | 必要なくなる |
このように、子ども3人それぞれの個室が必要になるのは、主に思春期の時期です。ただし、3人が同時に個室を必要とするかどうかは、子どもたちの年齢差によっても変わります。
3室が同時に必要な期間は、年齢差で変わる
子ども3人の年齢が近い場合は、思春期を迎える時期も重なります。そのため、3人それぞれに個室が必要となる期間が比較的長くなるでしょう。一方、年齢差が離れている場合は、上の子が進学や就職で独立する頃に、下の子が個室を必要とし始めることもあり、3室すべてを同時に使う期間は短くなる可能性があります。子どもたちが何歳頃に個室を必要とするのか、上の表と照らし合わせながら考えてみましょう。
予備室をつくり、必要になったら子ども部屋にする方法も
新築時から子ども部屋を3室用意するのではなく、1室を予備室として設けておく方法もあります。子どもが小さいうちは客間や納戸、ワークスペースとして使い、成長して個室が必要になった段階で子ども部屋に切り替えるという考え方です。最初から3室に仕切る場合は、それぞれの部屋を独立して使える反面、1室あたりの広さが限られることもあります。その一方で、広い部屋を後から仕切る場合は、当初はゆったり使えますが、仕切り方によっては工事が必要です。特に子どもの年齢差が離れている家庭では、予備室を設けて使い方を変えていく方法も選択肢になります。
子どもの独立後は3つの部屋が空く
子どもたちが進学や就職で独立すると、それまで使っていた部屋が順番に空いていきます。3人とも家を離れれば、3室すべてが使われなくなることもあるでしょう。空いた部屋は、書斎や趣味室、客間、収納スペースなどに転用できます。夫婦それぞれの趣味を楽しむ部屋にするなど、暮らし方に合わせた使い方もできるでしょう。また、建具や家具で仕切っていた場合は、仕切りを取り外して広い1室に戻すことも可能です。子どもが独立した後の暮らしまで考えておくと、長く使いやすい間取りにつながります。
6.子ども部屋づくりで合わせて決めておきたいこと
子ども部屋をつくる際は、間取りや広さだけでなく、勉強スペースや収納、壁紙、照明などの設備についても考えておきましょう。
まず、勉強スペースは子ども一人ひとりに確保することが大切です。子ども部屋に人数分のデスクを設けるほか、横に長い一体型の学習カウンターを設置し、必要に応じて仕切る方法もあります。リビングなどの共有スペースにスタディコーナーを設ける場合も、個別のデスクを並べるより、広めのカウンターを設けた方が面積を抑えられるでしょう。
収納スペースやクローゼットの配置にも工夫が必要です。各部屋にクローゼットがあれば、衣類や下着などを自分で管理でき、プライバシーを守ることにもつながります。広い1室を3人分に仕切る場合は、可動式のクローゼットを間仕切りとして使うのも一つの方法です。また、日用品のストックや掃除用具などをまとめて収納できる家族共有のスペースがあれば、日常の管理もスムーズになります。
壁紙は、汚れや傷に強いものを選ぶと良いでしょう。例えば、フィルム加工された壁紙は汚れを拭き取りやすく、ウレタン樹脂でコーティングされた壁紙は傷に強いのが特徴です。
照明は、部屋全体をしっかり照らすタイプを基本に、明るさを調整できる調光機能付きを選ぶと使いやすくなります。宿題や勉強をする際には、手元を照らすデスクライトを併用すると良いでしょう。
7.建てる前に考えておきたい3つのこと
子どもが3人いる家庭の家づくりでは、単純に子どもの数だけで部屋数を決めるのではなく、将来の暮らし方まで考えておくことが大切です。間取りを決める前に、次の3つのポイントを確認しておきましょう。
子どもが成長してからの使い方もイメージする
設計時点で子どもが小さくても、年を追うごとに成長し、家での過ごし方は変わります。遊び中心の幼少期から、宿題や勉強が必要になる小学生の時期、自分だけの空間を求める思春期へと、部屋に求める役割も変化していくでしょう。前述の成長段階ごとの表も参考に、いつ、どのような部屋が必要になるのかを考えてみてください。また、進学や就職で子どもが巣立った後、子ども部屋をどのように使うかもイメージしておきたいですね。
間取りの変更がしやすい設計を意識する
将来のことをできる限りイメージして家をつくることは大切ですが、それでも想定外の出来事はあるでしょう。例えば、広めの子ども部屋をつくっておき、成長に合わせて仕切れるようにしておく方法があります。また、子どもの独立後にはスタディスペースをワークスペースや趣味のスペースに転用するなど、ライフステージの変化に合わせてアレンジしやすい設計にしておくと良いでしょう。
家族のライフスタイルに合ったプランを選ぶ
子どもだけでなく、家族それぞれのライフスタイルを尊重することも、快適な家づくりでは重要なポイントです。例えば、在宅ワークをする人がいる場合は、書斎やワークスペースが必要になるため、その面積も考慮して部屋数や間取りを決める必要があります。一方、共働きで家族が顔を合わせる時間が少ない場合は、リビング階段を設けたり、みんなが集まってゆったり過ごせる広さのリビングを確保したりするのも一つの方法です。家族がどのような時間を大切にしたいのかを話し合い、住宅メーカーと相談しながら、ライフスタイルに合ったプランを検討しましょう。
8.よくある質問
Q1:子ども3人の家は何LDKがちょうどいいですか
子ども3人それぞれの個室と夫婦の主寝室を確保するなら、4LDKが基本的な間取りです。収納スペースも含めて考えると、延床面積36坪程度が一つの目安になります。ただし、3人が同時に個室を必要とする期間は年齢差によって異なるため、3LDKに予備室を設け、成長に合わせて使い方を変えていく方法も選択肢になるでしょう。
Q2:子ども部屋を3つつくれない場合、どうすればよいですか
広めの1室を用意して後から仕切る方法と、予備室を1室確保しておく方法があります。また、寝る場所と勉強する場所を分けて考えることもポイントです。小学生のうちは兄弟姉妹で寝室を共有し、リビングなどに学習スペースを設ければ、すぐに3つの個室を用意しなくても対応できる場合があります。
Q3:1部屋を3つに仕切る場合、費用はどのくらいかかりますか
仕切り方や工事の内容によって費用は異なります。家具や可動式の間仕切りで分けるのか、壁を新設して建具やドアを取り付けるのかによって、必要な工事の規模が変わるためです。また、照明やコンセントの増設などが必要になることもあります。将来の間仕切りを想定している場合は、新築時からドアや照明、コンセントの配置を考えておくと良いでしょう。仕切り方ごとの詳しい内容は、こちらの記事で解説しています。
Q4:子どもが独立したあと、3つの部屋はどう使えますか
書斎や趣味室、客間、収納スペースなど、夫婦の暮らしに合わせて使い方を変えられます。また、建具や家具で仕切っていた部屋なら、仕切りを取り外して広い1室に戻すこともできます。将来の使い道まで考えて、間取りを変更しやすい設計にしておくことも大切です。
まとめ
子どもが3人いる場合、子ども部屋3室と主寝室を確保できる4LDK・36坪程度が一つの目安です。ただし、3室が同時に必要になる期間は、子どもの年齢差によっても変わります。最初から3室に分けるのか、予備室を用意して必要になったら子ども部屋にするのか、子どもの成長段階や独立後の使い道まで見通しながら、家族に合った間取りを考えてみましょう。気になる点や分からないことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。

