注文住宅に土間収納をつくると失敗する? 失敗例や対策を徹底解説!


“家の顔”とも言われる玄関。いつもきれいにしておきたいところですが、家族の靴が散乱していたり、ベビーカーやゴルフバッグがあったりと、なかなかすっきりしませんよね。そこで今回は近年人気の土間収納についてご紹介。その魅力や取り入れる際の注意点などを解説します。ぜひ家づくりの参考にしてください。


●土間収納とは

土間収納とは玄関脇の収納スペースのことで、靴を履いたまま出入りできるのが特徴。「エントランスクローク」「シューズクローク」「シューズインクローゼット」などとも呼ばれます。この土間収納があれば、家族みんなの靴はもちろん、ベビーカーや掃除道具などを片付けられるため、近年住宅に取り入れる人が増えています。

土間収納には、大きく分けて、オープンタイプとクローゼットタイプ、ウォークインタイプ、ウォークスルータイプがあります。


オープンタイプ

玄関の土間の一角に設置する扉がないタイプ。棚を設けて収納します。画像のように、靴を多数収納したい方にはうってつけといえます。ロールカーテンなどを設置すると目隠しになるでしょう。また、臭いが気になる場合は消臭剤を置きましょう。

ちなみに、イシンホームであればコートクロークに二酸化チタン光触媒を使用したクリーンルームをつくることも可能です。二酸化チタンというのは、光を吸収することによって化学反応を引き起こし、有害物質を無害化してくれる化合物のこと。除菌や抗菌効果、カビや汚れ防止、そして消臭などさまざまな効果があるのがうれしいですね。

クローゼットタイプ 

クローゼットのように、収納前面に扉が設置されているタイプ。オープンタイプとは異なり、収納部分を隠すことができます。ただ、臭いがこもりやすくなってしまうため、定期的に扉を開けて換気するほか、後述する換気扇の設置をおすすめします。

ウォークインタイプ

出入り口が玄関側1つで、中を歩き回れるタイプ。シューズインクローゼットなどと呼ばれることもあります。画像のように壁一枚で玄関と収納を隔て、片方を“魅せる”ようにするとおしゃれです。

ウォークスルータイプ

玄関から入り、中で靴を脱いでそのまま室内に入ることができるタイプ。出入り口が玄関と室内の2つあるため利便性が高く、玄関に靴が散らかることもありません。玄関のそばに洗面台やリビングをつくると、より回遊性が高くなるでしょう。詳細については後述します。

●土間収納の魅力って何?

玄関に土間収納を設けるメリットについて紹介します。

外で使ったものも拭き取りをすることなく収納できる

ベビーカーやアウトドアグッズ、子どもが外で遊ぶ道具などを室内に収納しようとすると、汚れを落とすのにかなりの労力と時間を使います。その点、床が土間続きになっている土間収納の場合、汚れをしっかり落とさなくてもそのまま片付けられます。また、玄関からすぐに出し入れできるため、次に使うときにスムーズに持ち出すことができて◎。

靴を履いたまま出入りできる

土間収納のスペースは、玄関と同じく土足のまま出入りが可能です。帰宅時にコートや雨具などを脱いでそのまま片付けることができて便利。外出に必要なアイテムをまとめて収納しておけば動線もよくなり、お出かけの身支度もスムーズになるでしょう。

すっきりとした玄関にできる

玄関と収納スペースが分かれるため、靴や掃除用具、子どものおもちゃなどで玄関が散らかることがありません。また、土間収納をシューズクロークとしても活用すれば、玄関に靴箱を置く必要がなくなり、玄関周りがさらにすっきり。突然の来客でも慌てず、美しく整頓された玄関で迎えられます。

室内に置いておきたくないものを収納できる

土間収納は、資源ゴミや灯油缶など、家の中に置いておきたくないものを保管するのにも役立ちます。また、いざというとき、玄関にあると役立つ防災グッズや備蓄品などの保管場所にも適しています。


●土間収納をつくって後悔している人がいる? 具体例や対策を紹介!

土間収納にはさまざまなメリットがある一方、広さや用途を考えずに取り入れると、活用しきれずに後悔する可能性も。どのようなケースがあるのか、失敗例およびその解決策を紹介します。

失敗例 01:土間収納が狭くて収納がしづらい…

土間収納をつくる際にまず考えたいのは、何を収納するかという点。収納したいものとそうでないものを書き出してみることで、土間収納に必要な広さや間取りが検討しやすくなります。せっかくのスペースが無駄になってしまわないよう、家族構成やライフスタイルに合わせて、実際に使うシーンや生活動線を考えながら設計することがポイントです。

解決策 01:目的を明確にした上で広さを検討する

土間収納の広さは1~2畳程度が一般的。なぜなら、狭すぎると物があふれてしまうから。将来家族が増えたり、子どもが成長したりして荷物が増えることを想定しておくことも大切です。一方、広すぎて有効活用できないケースも。土間収納が生活スペースを圧迫してしまっては後悔することになりかねません。

また、収納したいものが置けるスペースだけでなく、出し入れする際に必要な空間を考えておくことも重要。スペースに余裕がないと動きづらく、出し入れしにくくなるので、動線を考えてゆとりを持った収納計画を立てましょう。

収納スペースの目安は次のようになります。棚は「収納したい物+約50cm」のサイズで設計すると、出し入れしやすく無駄もなくなるでしょう。

ここでは、それぞれのサイズによる収納物について解説していきましょう。

・0.5畳:靴や衣類を必要最低限収納

幅180cm×奥行き45cm程度のオープンタイプやクローゼットタイプにすると使い勝手が良くなります。

・1畳:衣類や子どもの遊具、ベビーカーを収納

幅270cm×奥行き60cm程度のオープンタイプやクローゼットタイプ、幅180cm×奥行き90cm程度のウォークインタイプなどがおすすめです。

・2畳:ある程度の量が収納できる上、ウォークスルータイプの設計も可能

両側を棚にしたウォークスルータイプにすることもできます。片側を靴用の棚に、片側にはハンガーパイプを設けて衣類を収納することもできます。

・3畳以上:大人用の自転車も収納可能な上、DIYや趣味部屋にすることが可能

DIYや趣味の部屋としても使う場合には、収納棚の配置を工夫して作業スペースを確保しましょう。

失敗例 02:ウォークスルータイプの土間収納を設置した場所が悪くて、行き来がしづらい…

土間収納を作るなら、通り抜けできるウォークスルータイプがおすすめです。ただ、土間収納からどこの空間へ行けると便利なのか、シミュレーションをしておくことが肝心。

解決策 02:ライフスタイルに合わせた場所に設置する

家族のライフスタイルや1日のスケジュールを考え、生活や家事の動線に無駄がないように工夫しましょう。

・洗面所に出られるスタイルにする

洗面所に続く設計にすれば、帰宅してすぐに手洗いやうがいができて便利。子どもが「帰宅後に手洗い・うがい」をするという習慣付けにも効果的で、汚れを家の中に持ち込まないというメリットもあります。

・リビングに出られるスタイルにする  

家にいる時間のほとんどをリビングで過ごすという家庭が増える中、玄関とリビングが直結した間取りが人気です。ただその場合、ソファの上に家族の荷物やコートなどが置いたままになるといった状況が生まれがち。そこで、玄関からリビングの間にウォークインタイプやウォークスルータイプの土間収納があれば、帰宅→荷物やコートを収納→リビングという効率の良い動線が生まれて便利です。

・キッチンに出られるスタイルにする

ウォークスルータイプの土間収納がキッチンへとつながっていると、買い物の荷物を玄関から直接キッチンに運ぶことができ家事動線がよくなります。パントリーのような使い方もでき、キッチン用品の収納にも便利です。また、キッチンからほかの部屋を通らずに玄関までゴミを移動することが可能なうえ、ゴミを土間収納に置いておくこともできます。


失敗例 03:土間収納を設けたことによって、予算オーバーしそう…


土間収納を設ける場合、当然土間の施工などが必要になり、費用がかさむと考えられます。広さや素材などにこだわれば予算オーバーになりかねないので、あらかじめ確認しておきましょう。


解決策 03:必要なものを取捨選択する

先述した通り、一般的な住宅の土間収納は1~2畳ほどのサイズで十分。ベビーカーや自転車などの大きなアイテムを多数置く必要がない場合は、費用も考えて1~2畳ほどのスペースで設計するとよいでしょう。ベビーカーを畳んで保管する場合は1畳あれば十分です。

土間の床材は、土間の印象を大きく左右するとても大切な要素で、タイル、コンクリート、モルタル、天然石が一般的。施工費用は、一般的に、モルタル、コンクリート、タイル、天然石の順で高額になっていく傾向があります。最も安価とされるモルタルは、粉末のセメントと砂、水を混ぜ合わせて作られているため、粒子が細かく滑らかな仕上がりになります。

失敗例 04:カビが生えてしまったらどうすればいいんだろう…

土間は、外部と室内の温度の差が出やすい空間。その温度差によって、結露が起こりやすくなります。また、傘やレインコート、靴など、収納するものが雨で濡れていたり湿っていたりすると湿気がこもりやすくなります。放っておくと、玄関に嫌な臭いがこもってしまったり、収納している物にカビが生えてしまったりする可能性も。そのため、湿気対策はしっかりしておかなければいけません。

解決策 04A:換気扇や窓の設置を検討する

土間収納を清潔に保つためには、空気の流れが生まれやすい間取りにするなどの工夫が必要です。特に、クローゼットタイプやウォークインタイプの場合は空気が滞留しがちになるため、定期的に換気することをおすすめします。換気扇の設置も有効。つけておくだけで湿気を除去できるため手間もかかりません。

また、窓に発生した結露がカビの原因になってしまうことがあるため、窓を設置する場合は複層ガラスなどを採用しましょう。ちなみに、家を建てた後に換気扇や窓を設置すると、新たな工事が発生して費用がかさみます。それを防ぐために、間取りを決める段階で設置を決めておくといいでしょう。

解決策 04B:床・壁・窓・玄関ドアの断熱を検討する

床や壁に断熱材を入れると、気温差が少なくなって結露ができにくくなります。窓を作る場合は、ガラスを断熱性の高いものにする、二重窓にするといった対策をしましょう。さらに、玄関ドアも断熱性の高いものを選ぶこと。結露対策の面で考えると、玄関ドアは引き戸より開口部が少ない開き戸がいいでしょう。


●FAQ

土間収納って暗くなりそう…。対策はないの?

土間収納をより使いやすくするために、照明は必要不可欠です。なぜなら、スペース奥の収納物も見やすくなり、夜でも出し入れや整理がしやすくなるから。土間近くの部屋から明かりを確保することもできますが、掃除をする、中で作業をするというときに便利なはず。明るくするために窓を付けるという方法もありますが、日光に当たって収納している物が色あせてしまうケースもあるため注意が必要です。

  

ちなみに、土間収納のメインの照明はダウンライトが採用されることが増えています。足元や棚にランプを設置すると、収納物が見やすくなるだけでなく、おしゃれ度もアップするのでおすすめです。

土間収納にコンセントを設置すると快適になるって本当?

収納するものによって異なりますが、土間収納内にコンセントを設置しておけば、コードレス掃除機や電動アシスト自転車などの充電が可能。靴の乾燥機や工具などにも使えて重宝します。その際に気をつけたいのがコンセントの位置。床がぬれていても危険がないよう、ある程度高い位置に取りつけるといいでしょう。プラグを抜き差しする際も、腰への負担が少なくおすすめです。

●まとめ

土間収納は収納力の高さと使い勝手のよさが魅力。家族構成やライフスタイルに合わせて、広さやタイプを決めるようにしましょう。また、照明や換気扇、コンセントなどを設置することで、より快適に使えるようになります。今回ご紹介した注意点も参考にして、理想の土間収納を実現してください。それぞれのケースに応じたアドバイスもさせていただきます。ぜひ気軽にご相談ください。

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本社(総合戦略本部)

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