どちらがお得?戸建て持ち家と賃貸をコストと暮らしやすさで比較

新築の戸建て住宅には「建売住宅」と「注文住宅」の2種類があります。どちらにするべきか迷っている人や、2種類の違いが分からない人のために、それぞれの特徴を紹介します。

●建売住宅と注文住宅の定義を説明


まずは、建売住宅と注文住宅の概要と、購入までの流れをそれぞれ紹介します。

建売住宅


建売住宅は、土地とセットで売られる住宅のこと。物件の販売を仲介する不動産会社と売買契約を結ぶことで購入できます。建物の間取りやデザインは、販売元の事業会社によってあらかじめ決められた「無難で平均的な仕様」が一般的。また、建物が完成した状態で販売されることが多いので、自由なカスタマイズはできません。
ただし、販売方法が多様化している最近では、着工前や建築途中で購入契約できる物件もあり、その場合は、建築プランに影響しない多少の変更はできる可能性があります。

・購入から入居までの流れ

(1)予算を決める


まずは自分の手元にある「自己資金」を確認したうえで、住宅ローンの「借入可能額」を確認します。借入可能額の指標となるのは「年収倍率」と「返済負担率」。年収倍率は、年収に対する物件価格の倍率のことを指し、一般的には6〜7倍が目安といわれています。一方、返済負担率は、年収に対する1年間当たりの住宅ローン返済額の割合のことで、計算式は「住宅ローンの年間返済額÷年収×100」です。

予算の決め方についてはこちらもチェック!

(2)物件を探す


建売住宅の購入は、不動産会社を介する方法が一般的。そこで良い物件が見つかれば、不動産会社への成功報酬として「仲介手数料」が必要になります。その上限は、「物件価格×3%+6万円+消費税」です。

(3)住宅ローンの審査を受ける


買いたい物件が見つかったら、購入資金となる住宅ローンの融資を受けるために、「住宅ローンの審査」を受けます。この審査は、自己申告情報をもとに行う「事前審査(仮審査)」と、必要書類を提出して行う「本審査」の2種類です。

(4)売買契約


まずは購入の意志を伝える「購入申込み(購入予約)」を行います。その際、物件によっては、住宅ローンの「事前審査(仮審査)」に通過していることや、「申込証拠金」を支払うことが条件となっているケースもあるので、事前に確認しておきましょう。

購入申込みを終えたら、1週間~10日後に売買契約を結ぶのが一般的。ここで、手付金の支払いが発生します。

(5)内覧・引き渡し


建物が未完成の状態で売買契約を結んだ場合は、完成後に内覧を実施し、建物の仕上がりをチェックします。そして問題なければ残高決済を行い、引き渡しに至ります。

注文住宅


注文住宅は、相続した土地や、自分で購入した土地に、施工会社と建築工事請負契約を結んで一から建てる住宅のこと。建物の設計段階から要望を伝えられるので、自由度の高い家づくりができます。ただし、購入する土地が、指定された施工会社としか建築工事請負契約を結べない「建築条件付き」だった場合は、選択肢が限られてしまいます。「建築条件無し」の土地であれば、そうした制限はありません。

・購入から入居までの流れ

(1)予算を決める


建売住宅と同様の方法で、予算を決めます。

(2)家づくりの希望を整理し、イメージを固める


ある程度限られた条件の中で物件を選ぶ建売住宅とは異なり、注文住宅は建てる場所から建物の間取りやデザインまで、すべて自分たちで決めなくてはいけません。そのため、まずは住みたいエリアやこだわりたい場所、住宅の広さ、そこでの暮らし方など、家づくりの希望を整理し、自分たちのイメージを固めておくことが大切です。

(3)施工会社と土地を探す


理想通りの家をつくるためには、その建設を手掛けるハウスメーカーや工務店といった施工会社の選定がとても重要です。必ず複数の施工会社を検討しましょう。
また、土地については、施工会社の選定と並行して進めるのがおすすめ。というのも、先に土地を購入してしまうと、建物の建設に充てる予算が足りなくなってしまう可能性があるので、予算配分のバランスを見ながら検討することが重要なのです。

(4)各社のプランと見積もりを比較・選考


複数の施工会社から受け取った間取りプランと見積りを比較し、最も希望に合う1社を絞り込みます。

(5)工事請負契約(本契約)の締結


施工会社を絞ることができたら、まずは「仮契約(申し込み)」を行い、数万~十数万円の申込金を支払うのが一般的です。そしてその後、工事請負契約(本契約)を結びます。

(6)家の設計・住宅ローンの契約


施工会社と、具体的な建築プランの打ち合わせを行います。建物のプランが決まれば、土地と建物の合計金額も確定するので、住宅ローンの契約も進めます。

(7)着工


住宅ローンの契約が終わると、いよいよ着工です。

(8)竣工・引き渡し


竣工したら、自治体への建築確認申請に基づく「完了検査」を受け、残高決済が終わったら、引き渡しとなります。

●デザインやカスタマイズについてはどこまで自由が利くの?


建売住宅と注文住宅には、間取りや内装デザインの自由度に、次のような差があります。

建売住宅


販売元の事業会社によってあらかじめ企画・設計される建売住宅は、完成した状態で販売されることが多く、購入者による自由なカスタマイズはできません。ただし、着工前や建築途中で購入契約できる物件であれば、建築プランに大きな変更が生じない範囲でカスタマイズできる可能性も。例えば、壁紙やコンセント位置の変更などが相談できるケースがあります。
 


注文住宅


注文住宅は、間取りや内装デザインをはじめ、キッチンやトイレのような設備のグレードなど、すべて自由に選べます。ただし、グレードの高い設備や建材は、最初の見積もりに記載される「標準設備」には含まれず、「オプション」として追加費用が発生するケースが多いので、予算オーバーに注意が必要です。

●気になるコスト面を徹底比較!


2023年に国土交通省から発表された「令和4年度住宅市場動向調査」によると、注文住宅購入資金の全国平均は5,436万円であるのに対し、建売住宅の購入資金は4,214万円と1,000万円以上安い結果でした。その理由は、建売住宅は販売元が土地をまとめて購入し、同じような仕様の住宅をまとめて建てるケースが多いので、価格を抑えやすいから。また、完成した状態で販売される建売住宅は“見た目”と“価格”が重視されやすいので、建物内部には安い建材が用いられることも一因として考えられます。

そうした初期費用の低さは魅力的ですが、完成済みの建売住宅は、好みの壁紙や照明にリフォームしたり、収納棚を購入したりするのに追加費用がかかるケースも珍しくありません。また、長い目でみると、グレードの高い建材が使われる注文住宅より、建売住宅の方がメンテナンスにかかるランニングコストが嵩む傾向もあります。具体的には、10年ごとの修繕を想定した場合、注文住宅は30年で300万円〜400万円で済むのに対し、建売住宅は30年で500万円程度かかるといわれています。

●建売住宅と注文住宅、どっちがおすすめ? チェックリストで確認しよう!


建売住宅と注文住宅のどちらが良いかは、人によって違います。それぞれどのような人に向いているのか紹介するので、ぜひ参考にしてください!
 


建売住宅がおすすめな人

・早く引っ越したい人


完成済みの建売住宅は、建設期間を待つ必要がないため、住宅ローンの手続きなどがスムーズに進めば3カ月ほどで入居できます。アパートの更新期限が迫っていて、早く引っ越したい人などには魅力的でしょう。

・リーズナブルにマイホームを手に入れたい人


先述したとおり、建売住宅の方が予算を抑えやすい傾向があるので、価格重視で選びたい人にはおすすめです。

・間取りやデザインにこだわりがない人


部屋数や動線、内装などにこだわりがない人や、選択肢があると迷ってしまうという人には、完成した状態の建売住宅の方が購入時の負担が少ないでしょう。

・住宅ローンの審査が容易であってほしい人


土地と建物がセットになっている建売住宅は、住宅ローンもまとめて借りられるので、手続きの手間が少なく済みます。また、建物が完成した状態なら、追加費用が発生するリスクもないので、銀行の審査が比較的早くおりやすいです。

注文住宅がおすすめな人

・デザインや設備を細部まで徹底的にこだわりたい人


「リビングに吹き抜けが欲しい」「キッチンは広く」「家事スペースや書斎が欲しい」といった間取りの希望がある人や、照明の形や食洗機のサイズのような設備にこだわりがある人は、注文住宅でなければかなわない可能性が高いです。
また、「子どもが家を出たら、子ども部屋2つを繋げて広い自室を設けたい」という様に、将来的なリフォームを想定した家づくりも、注文住宅なら実現できます。

内装について詳しくはこちら!

・素材や工法、ハウスメーカーなどを指定したい人


地震に強い工法や、独自のサービスを提供しているハウスメーカーを指定したい人は、注文住宅を選ぶのがおすすめです。また、柱やフローリングに使う木材なども、それぞれ最適なものを自分で選べます。

●【実例紹介】イシンホームでは、こんな家に住むことができる!


建売住宅と注文住宅の両方を手掛けているイシンホーム。最近では、生活にかかる消費エネルギーを自給自足することによって、エネルギー代をほとんど払わなくて済む家「サンクスZEGA」に力を入れています。

サンクスZEGAで、ランニングコストの低い家に住もう!


サンクスZEGAは、「アパートより安く快適に暮らす」「老後までのローン破綻防止」をコンセプトにした住宅です。住宅完成後のランニングコストを抑えて老後も楽な住居費で過ごしていただける様に、住宅に必要なものを考え、メンテナンス代が極力掛からないような標準装備を設けました。

最大の特徴は、N型高性能ソーラー、大型蓄電池、ソーラー給湯、熱回収率92%以上の24時間換気システム、PHV・EV車用の200V充電アダプター、長期大量売電という“エネルギー節約6点セット”です。これにより、「電気やガスなどのエネルギー代金をほとんど払わなくて済む家」を実現しています。

実例紹介


実際に当社が手掛けたサンクスZEGAの物件をご紹介します。今回お見せするのは、建売モデルハウスの一例です。


光熱費の節約はもちろん、売電収入も見込める11.2kwの太陽光発電パネルを搭載した物件。


インテリアは人気の西海岸スタイルで統一。白を基調とした空間に、アクセントとなるブルーの壁紙がよく映えます。建売でも内装にこだわりたいお客様にはぴったりでしょう。


広々としたファミリークロークやウォークインクローゼット、パントリーなど、収納スペースもしっかり確保。余分な収納家具を買い足さなくても、家族の荷物を片付けられます。


建売なのに、平家にロフトと半地下スペースが付いた個性的な物件。庭にはウッドデッキもあります。


広々として明るいリビング・ダイニング。階段はロフトへと続いています。


半地下はキッズスペースにぴったり。おもちゃを出しっぱなしでも目立ちません。他にも、趣味や収納のスペースとして、重宝しますよ。

●FAQ

建売住宅の知られざるメリットを教えて欲しい

・似た住宅が集まるので街並みがきれいに見える


建売住宅は、販売元の事業会社が農地のような広い土地をまとめて購入し、程よい間隔に分割したうえで、よく似た住宅を建てるケースが多いです。そのため、統一感がある綺麗な街並みになる傾向があります。もちろん、周辺道路や敷地の境界もしっかり整備されます。

・コミュニティが生まれる


建売住宅は、同じタイミングでまとまった土地に建てられるため、入居者が住み始める時期もほぼ同時期です。そのため、古くからある住宅地のように、既にでき上がっているコミュニティや、古くから続く地域付き合いのような習慣は存在しません。また、入居者は新婚世帯や子育て世帯が多いので、同世代の人たちと新たなコミュニティを築くことができます。

二世帯住宅や賃貸併用住宅が建てたい場合、建売住宅は不向き?


二世帯住宅や賃貸併用住宅の場合、建売住宅はまずありません。そもそも建売住宅は、建築コストを下げつつ、より多くの人の生活や好みに対応できるように「無難で平均的な仕様」で造られるのが一般的。その点、二世帯住宅や賃貸併用住宅は、建築コストが高くつくうえ、購入対象者も限られるので売れ残るリスクが高いのです。
また、購入者からしても、自分たちの生活に合わせて設計されていないと、生活にストレスを感じるリスクが高いので、建売住宅の需要は低いと考えられます。

●まとめ


建売住宅と注文住宅の違いやおすすめの人について紹介しました。どちらもメリットとデメリットがそれぞれにあるので、自分に合った住まいを選びましょう。分からないことがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。

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運営会社

株式会社イシン住宅研究所(イシンホーム)

イシンホーム住宅研究会は家造りを天職とする日本全国約180店が参加する真面目な家づくり研究ネットワークです。常に未来を先取りする研究・開発型の企業です。蓄積したノウハウや研究実績を自社のためだけでなく、全国に提供し、喜ばれています。イシンホーム住宅研究会本部は商品開発チームを結成し独自で開発した販売・設計・施工のノウハウを加盟店に提供するとともに、優れた資材を一括購入することで購入にかかるコストを飛躍的に落とし、高品質・高性能な家をお客様に提供できる仕組みになっています。

本社(総合戦略本部)

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