開放的でおしゃれな折り上げ天井をつくりたい!メリットやデメリットは?

部屋に開放感をもたせる方法の一つに、折り上げ天井があります。手軽に取り入れられて、おしゃれな印象になるなどメリットも多いため、家づくりの際に検討する人が増えています。今回は、そんな折り上げ天井の特徴、メリットやデメリットなどについて、当社が手掛けた実例も交えて紹介します。

●折り上げ天井とは?

折り上げ天井とは、中央部分などをへこませ、その周囲よりも高くなるように仕上げた天井です。部屋に奥行きが出たり、スタイリッシュな雰囲気になったりすることから、リビングやダイニング、和室や玄関などの天井に多く採用されています。必ずしも中央部分に限るというわけではなく、開放感がほしい場所があれば、中央部分以外に作ることも可能です。

●折り上げ天井のメリット・デメリット

折り上げ天井のメリットやデメリットについて解説します。

メリット

開放的な空間になり、部屋が広く見える

折り上げ天井の最大のメリットといえるのが、部屋全体に開放感が生まれることです。天井が二段になることで部屋に奥行きが生まれ、広々とした印象に。照明やアクセントクロスの取り入れ方を工夫することで、さらに開放感をアップさせることができます。

優れたデザイン性の空間を演出できる

通常の天井と比べて立体感があるため、部屋全体をスタイリッシュに見せてくれるという点も大きなメリットです。折り上げ部分は四角形が一般的ですが、部屋の形や雰囲気に合わせて、円形や楕円形などにすることも可能。ほかにも、シーリングファンや化粧梁などをうまく使うことで、デザイン性に優れた空間に仕上げることができます。

採光性および通気性が優れている

折り上げ天井の位置によっては、近くに天窓や高窓をつけることができるため、光や風を部屋の中に取り入れやすいというメリットがあります。通気性がよく、日中であれば自然光の明るさだけで、心地よく過ごすことが可能です。

窓についてはこちらもチェックしてみてくださいね。

デメリット

冷暖房の効率が悪い

天井の中央部分が一段高くなっているため、通常の天井と比べて冷暖房効率が悪くなってしまい、コストがかかるようになります。そういった場合は断熱効果の高い窓ガラスを入れるなどの対策がおすすめです。

こうした場合、全館空調の導入も検討してみてくださいね。

掃除やメンテナンスが難しい

折り上げた部分にほこりが溜まりやすくなるため、こまめな掃除が必要となります。そのうえ天井が高く、角部分が多いために、フラットな天井に比べて手間もかかります。また、シーリングファンや照明の掃除、電池交換など、メンテナンスに苦労することも。掃除は専門業者に依頼する、照明は電球ではなくLEDにするなどの対策が必要になるかもしれません。

上階の天井高が低くなる

折り上げ天井を1階に設けた場合、2階の床が底上げされ、結果的に2階の天井高が低くなってしまうケースがあります。 折り上げる高さや場所にもよりますが、計画段階で、上階に影響なく設置できるのか確認しておきましょう。1階も2階も天井高を保つために、2階部分に折り上げ天井を採用する人も多いようです。

場所によっては施工できないことも

バルコニーや浴室の下など、天井裏に機械が入る場合は、折り上げができないことがあります。また、ハウスメーカーによっては折り上げられる高さが制限されていることも。事前にしっかりと確認をする必要があります。

●照明との組み合わせで、折り上げ天井はよりおしゃれになる!

照明をうまく選ぶことで、部屋はぐっとグレードアップします。そこで、折り上げ天井と相性がいい照明器具をご紹介します。

直接照明


天井高が一段高くなっている折り上げ天井は、さまざまな直接照明を楽しむことができます。天井からつり下げるペンダントライトや、天井に直接設置するシーリングライト、豪華な雰囲気のシャンデリアなどがよく用いられています。中でも最も採用される照明はダウンライト。天井に穴を開けて埋め込むタイプのため、折り上げ天井の高さを生かすことができます。

また、照明の配置によって、部屋の雰囲気を大きく変えられるのも魅力です。部屋の中央にまとめて設置すれば、スポットライトのように光が集まってメリハリのついたスタイリッシュな印象に。一方、分けて付ければ、部屋全体を明るい雰囲気にすることができます。

間接照明


壁や天井を照らし、その反射光によって優しく空間を照らす間接照明。空間にメリハリをつけたり、奥行きをもたせたりすることもでき、折り上げ天井に採用すれば、よりおしゃれ度をアップさせることができます。ここでは、代表的なコーブ照明、コーニス照明、バランス照明について紹介します。

・コーブ照明


天井に向けてライトを照らして、光を反射させる間接照明で、折り上げ天井によく採用されています。間接照明としては比較的明るいところが特徴。目線が自然と上に向くことから天井が高く感じられ、開放感を演出できます。ダウンライトに比べて陰影がなく、部屋全体を柔らかな印象にする効果が期待できるため、落ち着いた雰囲気を演出したいリビングや寝室、書斎などにおすすめです。

・コーニス照明


光を壁やカーテンに当てて反射光を広げる間接照明です。垂直方向を強調し、空間に奥行き感を与える効果があります。デザイン性も高く、他の壁と色や素材が異なるアクセントウォールなどと合わせて活用することで、存在を際立たせるといった演出も可能です。ライトが壁の方を向いているため、一般的な天井照明やスポットライトに比べて、テレビやスマホの画面などへの映り込みが少ないというメリットもあります。

・バランス照明


壁と天井の両方にライトを向けて反射させる、コーブ照明とコーニス照明を組み合わせたような間接照明です。壁面に目隠しをつくり、その裏側に照明をセット。上下にある程度のスペースが必要になるものの、隠し部分を光で浮き上がらせるといった演出が可能です。2方向から照らすため、影が出にくいといった効果も。高さや奥行きをより立体的に感じられるようになり、開放的で広々とした雰囲気を楽しめます。

照明の選び方についてはこちらもチェック!

●折り上げ天井で使用するクロスは何がおすすめ?

天井に使うクロスは部屋の雰囲気を左右する重要な要素です。折り上げ天井の魅力を最大に引き出すために、どのようなクロスを採用すればいいのか解説します。

シンプルな白


明るさや開放感を演出したい場合は、なるべくシンプルな白いクロスを選びましょう。白いクロスは光を反射することから、空間全体が明るくなります。さらに、膨張色のため空間に広がりが生まれ、天井が高く見える効果も期待できます。さまざまなテイストのインテリアと合わせやすく、飽きにくいところも魅力です。

色・柄つきのもの


白いクロスでは物足りない、個性を出したい、アクセントを付けて視線を集めたいという場合には、あえて色や柄のあるクロスを選ぶ方法もあります。通常では敬遠されがちな主張の強いクロスでも、折り上げ天井部分だけにアクセントクロスとして使うのであれば、おしゃれ度や高級感をアップすることができるでしょう。無地の色付きクロスを採用する場合のポイントは、周りのベースクロスとの色味の変化をしっかり付けること。そうすることで立体感が生まれ、折り上げ天井の魅力がより引き立ちます。

フローリングと統一


フローリングに合わせて、木目調のアクセントクロスを貼るのもおすすめです。統一感があって、部屋全体がナチュラルな雰囲気になるのに加え、無地のクロスとは違った特別感も演出できるでしょう。

ソファーなどの色味と統一


ソファーやカーペット、家具などと色味を統一させることで、スタイリッシュな雰囲気をアップさせることができます。部屋全体のイメージカラーをあらかじめ決めておけば、アクセントクロスの色を決める際に役立ちます。

●梁との組み合わせもしっかりと検討しよう


梁との組み合わせを楽しめるのも折り上げ天井ならではの特徴です。ダイナミックで存在感のある梁を見せることで、空間の中にアクセントが生まれ、スタイリッシュな雰囲気を演出できます。

格子梁


近年洋風の部屋に合うイメージがある折り上げ天井ですが、古くから和風建築でも用いられていて、和の空間をより格式高いものにしています。そのような中、近年多く採用されているのが格子梁です。梁を格子状にすることで、和モダンな雰囲気にすることができ、カフェのような空間にもできるでしょう。

大きな梁


大きな梁を大胆に見せることができ、空間に奥行きが生まれるのも折り上げ天井の魅力。天井を高く見せる効果もあり、開放感をアップさせることができるでしょう。

梁などについてもっと知りたい方はこちらもチェックしてみてくださいね。

ダクトレール


折り上げ天井には、ダクトレールを組み合わせるのもおすすめです。スポットライトを複数台取り付けられるため、明るさの調節も可能。ナチュラルな印象の梁とは異なる雰囲気で、スタイリッシュな空間をつくることができます。

内装についてもっと知りたい方はこちら!

●折り上げ天井をうまく取り入れるためのポイントを紹介

折り上げ天井のデメリットをふまえ、上手に取り入れる方法を紹介します。 

シーリングファンを設置する

シーリングファンを取り付けると、おしゃれな雰囲気になるだけでなく、部屋の中に空気の流れが生まれます。その結果、冷暖房効率が上がることにもつながりますよ。ただ、シーリングファンを取り付ける場合は、あらかじめメンテナンスの難しさにどう対応するかも考えておきましょう。

部屋や窓とのバランスを考慮して、折り上げる部分の高さを調節する

折り上げを高くすればするほど、開放感が増すと考えがちですが、先述したように上階の天井高が低くなってしまうという悪影響が出てくる恐れがあります。それだけでなく、折り上げ部分が極端に高いと、部屋全体のバランスが悪くなってしまいます。取り入れる部屋の広さや窓の大きさ、位置などを十分に確認しながら、折り上げ部分の高さを決めていくことが肝心です。設計段階から、ハウスメーカーにしっかり相談しましょう。

リビング:30㎝ほどあると照明の光が綺麗に反射する


折り上げ天井の平均的な高さは20cm〜30cm程度とされています。間接照明を設置する場合は、折り上げ部分が30cmほどあれば照明の光を美しく反射させることができるのでおすすめです。

●【実例紹介】イシンホームで折り上げ天井をつくって、素敵な空間を演出しよう!

最後に、当社が手掛けた折り上げ天井のある家を紹介します。

●ガレージ付き平屋建ての広々LDKを、さらに広くスタイリッシュに見せる折り上げ天井  

LDKは19.0帖の広々空間。ぜいたくな仕様の折上天井がさらに開放感をプラスしてくれています。

折り上げ天井に施した木目調のアクセントクロスとシーリングファン、ダウンライトの組み合わせがスタイリッシュな印象です。

●FAQ

キッチンに折り上げ天井を採用することはあるの?


広々としたLDKが人気となる中、キッチンには折り下げ天井を採用し、リビングに折り上げ天井を導入するという人が増えています。天井の高さを変えることによって、緩やかに大空間を仕切り、空間にメリハリが。それとともに、折り上げ天井の開放感もさらに引き立ちます。

折り上げ天井にすると、天井が薄くなるって本当?


折り上げ天井の部分が高くなる分、天井は薄くなります。上階の床と天井の距離が近くなるため、足音などの生活音が下階に響くことも。折り上げ天井のある部屋をプライベートな空間にしたい人や生活音に敏感な人などは注意が必要です。吸音材を施工する、埋め込みタイプの照明を使用しない、など天井への対策を徹底するほか、床マットを設置する、そもそもの構造を強化するなど、検討をするといいでしょう。

部屋に開放感をもたせてくれる折り上げ天井。照明器具やクロス、シーリングファンなど、工夫次第でさまざまな演出が楽しめます。事前にしっかり打ち合わせをすることで、気になるデメリットもカバー。今回の記事を参考に、折り上げ天井を選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。希望に応じたアドバイスもさせていただきますので、気軽にご相談くださいね。

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